ぶらっとJAPAN

おもに大阪、ときどき京都。
足の向くまま、気の向くまま。プチ放浪の日々。

若冲Walker

2016-08-25 22:08:58 | アート

使用当時の雰囲気を伝えるレトロな車両。

 

先日、細見美術館に行った帰りに平安神宮付近をぶらついていましたら、突然、目の前に市電が現れました。

よく見ると、『岡崎・市電コンシェルジュ』の看板が。

実はこれ、去年の12月にできたばかりの観光案内所で、各地のイベントのお知らせが置いてあるほか、ボランティアガイドさんが常駐する至れり尽くせりの場所なんです。

中に入ったら、地元の親子連れが興味津々で「車両」を探検していました

確かに、昔の風情をそのまま残したレトロな内観は眺めているだけで楽しいです。

さて、大量のチラシの中で見つけたのが、こちらの『若冲Walker』。

これを見れば、京都の若冲関連の場所やモノが網羅できるすぐれもの。もちろん無料配布です。

8月も半ばを過ぎて終わってしまったものもありますが、美術館等の特別公開やイベントのスケジュール、ゆかりのお寺の所在がひと目でわかる地図などがコンパクトにまとめられていて、とてもわかりやすいです。

面白かったのは『若冲漬』という若冲の時代の調味料を現代風にアレンジした漬物や、若冲の画をラベルにした純米酒などのグルメ。もちろん錦市場で手に入ります。

こんなパンフレットまで配布されているなんて、若冲人気は凄いですね

10月には錦市場でシャッターのライトアップもあるんだとか。ぜひ行ってみようと思います!

 

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茶臼山【真田幸村ゆかりの地めぐり】

2016-08-24 23:57:22 | 真田丸

幸村が家康をあと一歩まで追い詰めた激戦の地。

 

長らくほったらかしにしていた真田幸村ゆかりの地めぐりですが、デトロイト美術館展の帰り、市立美術館のすぐ傍にある茶臼山に行ってきました。

ここは大坂冬の陣、夏の陣で家康、幸村がそれぞれ布陣した場所ですが、とりわけ夏の陣では徳川対真田の激戦地だった所です。

もともとは古墳だとか。

暑さもあり、閑散としています。

 

美術館は盛況なのに、こちらはひっそりとしていて、正直ひとりで歩くのはちょっとコワいです^^;

山と言っても、多少地面がでっぱっているくらいですぐ登れてしまうのですが、敵方の軍勢を睥睨するには十分な高さで、ここで幸村が生涯最大の闘いに挑むべく、彼方を見下ろしていたかと思うと身が引き締まります。

 

人が来ないせいかカラスの寝ぐらになっているらしく、やたらとカラスの羽根が落ちているのが不気味でした。小競り合いとかあるのでしょうか。人間にはわからない戦いの気配がまだ残っているのかもしれませんね。

 

変な感想ですが、こうした古戦場に立っていると、戦とは陣取合戦なんだということがよくわかります。今みたいに画面でピンポイント爆撃とかじゃないですから、肉眼で敵の旗とか見えたりして、どのように陣が張られているのかを探り、また、それをどのようにつき崩していくのか策を練る。心拍数があがったり、手に汗を握ったり、自分の肉体を総動員して戦う、息苦しいくらいの緊張感が生々しく想像できる場所です。

池を挟んでの茶臼山。木の間から、真田の赤い旗が見えます。

池のほとりや広場ではのんびりベンチで休息する方もいて、かつての激戦地も馴染んでしまえば、日常の風景の一コマにすぎないようです。けれど部外者にとっては、戦いの場所でくつろぐという感覚がどうにも不思議で、天王寺はすごいところだと妙な感心をしながら、この場を後にしました

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デトロイト美術館展【大阪市立美術館】

2016-08-23 21:28:40 | アート

幸せオーラいっぱいのルノワールがお出迎え。

 

暑い日が続くと、街歩きはどうしてもにぶりがち^^;

というわけで、またしても美術館ネタで失礼します。

本日行ってきたのは『デトロイト美術館展』。

kazuさんのブログで曜日(及び今月末まで)限定で、館内写真撮影OKと知り、カメラ片手に行ってきました

全体で、テーマ毎に4つの部屋に分かれています。

まずは印象派から。

↑『白い服の道化師』は1901-2年頃の作品で、ルノワールはすでにリュウマチを患っていたそうですが、自身の不調など微塵も感じさせない輝くばかりの色彩が美しいです。

カワイイ

写真撮影OKとはいうものの、暗い照明に会期後半で人も多く、カメラを構えるのは難しい・・・。ピサロやモネなどの細かい筆遣いにはピントが合いません・・・^^;

ちなみにモネの『グラジオラス』は花壇の奥にひっそりと佇む妻・カミーユの姿が印象的な一枚でした。

つづいてポスト印象派はセザンヌがメイン。好きな画家なので観る機会も多く、個人的には目ぼしいものは見当たらず。この部屋で印象に残ったのはルドンです。

オディロン・ルドン『心に浮かぶ蝶』

 

ルドンの色彩はもともと好きなのですが、これも赤が素敵ですね 山種美術館にある速水御舟の『炎舞』を想起させる一枚でした。イメージの源泉は近いところにあるのではと思いますが、西洋と東洋の違いが見えて面白かったです。

この後、ドイツ絵画、フランス絵画と続きます。

ピカソが良かったのですが、残念ながらこちらは掲載NG。この2つの部屋では、他に気に入った絵も掲載NGばかりで、残念ながらお見せできません

ちなみに今回のお気に入りベスト3はいずれも後半2つの部屋にあったピカソ『肘掛け椅子の女性』とオスカー・ココシュカ『エルサレムの眺め』、それからジョルジュ・ルオー『道化師』です。

ピカソのことは先日別の記事で書いたので割愛します。

ドイツ絵画はあまり観たことがなかったのですが、ココシュカはクリムトに見いだされたそうで、若い頃にグスタフ・マーラーの未亡人アルマと恋愛関係になり、従軍して負傷した後、アルマと破局して精神のバランスを崩し、アルマの人形を作って行動を共にしていた、というなかなかの経歴の方。『エルサレム・・・』は牧歌的な風景とビビッドな色彩が印象的な一枚なのですが、これを描いた頃、アルマ人形は傍にいらしたようで、それを想像すると、なかなかコワい一枚でもあります^^;

そうした事情はさておき、とても良い絵でした。

そしてもう一枚がルオー。

今回、ルオーは1枚しか出ておらず、しかも小さな道化師の肖像画だけなのですが、これが良かった!

暖色をベースにした華やかな色彩と、簡潔で野太い線に、ちょっとトウがたった道化師の表情が秀逸です。彼のエネルギーと悲哀と生きざまが見えてきます。

ルオーもほとんど観たことがないので家に帰って調べてみましたが、今回の作品に似たタッチの作品は出てきませんでした。ひたすら芸術の道を極めるべく邁進したらしく、晩年には画商と裁判まで起こして自身の未完成の作品を取り返し焼却してしまったとか(以上、wikipedia情報です)。

そんな話を聞くと、『道化師』は貴重な1枚ですね。しかも、一番最後に展示されていたので、案外ご自慢の逸品かもしれません。

大阪の展覧会は9月まで続き、その後、東京に巡回するそうです。

ヨーロッパの名画を見渡せる、ツボを押さえた佳品ぞろいの展覧会でした

 

 

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美(み)かえるを見返る

2016-08-21 22:17:36 | アート

はじめまして。美(み)かえるです

 

去年の今頃、兵庫県立美術館からの帰り道、走り去るバスの中から発見し、遠ざかるその雄姿を車窓から激写した後、すっかり忘れていた蛙くん。

今回、ミュージアムロード側から訪れたら、いきなり真正面での再会。美術館のシンボル美(み)かえるくんです。

巨大アヒルのラバーダックで有名なオランダのアーティスト、フロレンティン・ホフマンさんのデザインで、やはり巨大なその姿とカラフルなボディー、細目ののほほんスマイルがキュート。

屋根の上にちょこん。

シンボルとはいえ常駐しているわけではなく、もしかしたら夏限定なのかも?

全開で微笑み中。

 

キャラクターとして蛙が選ばれたのは、震災からの文化復興を目指す美術館として「かえる」という言葉がふさわしいから、という理由だそう。

美術館からの帰り道、見返る美(み)かえるくんの笑顔は元気いっぱいです

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藤田嗣治展【兵庫県立美術館】

2016-08-20 22:25:16 | アート

 

アート関連続きますが、兵庫県立美術館で開催中の藤田嗣治展に行ってきました。

戦争画だけは東京の美術館で観たことがありますが、それ以外は、原画を観るのは初めてです。

今回はかなり大規模な展覧会で日本初公開のデッサンなど興味深い展示がたくさんありました。

個人的には、例えばゴーギャンの南の島の絵のような土の匂いの感じる素朴な画風が好みなので、正直、フジタの都会的で洗練された画風にハマることはありません^^;

それでもフジタの代名詞ともいえる乳白色の肌と流麗な線はため息が出るくらい綺麗でした。チラシにある絵を見てもわかる通り、輪郭線は墨汁と筆で描かれているようです。線の終わりがすっと細くフェードアウトしているのをみてもわかります。ただ、それがなければ極細で迷いのないラインが筆で描かれているとは到底信じられません。そもそも油絵であの淡く滑らかな色が出せるというのが奇跡みたいなものですよね。

日本画を思わせるファブリックの模様はオリエンタルな匂いもするし、ビスクドールのように無機質な顔にエロティックな肉体、ときたら、アムールな街パリでは、それはもうウケただろうなと思います。

フジタは自分で洋服を縫ってしまうくらいファッションにこだわりがあったそうですが、モデルの女性が着ている洋服を見ていても、その優れた美的センスがうかがえます。

その中で、ちょくちょく顔を出している猫の表情が妙に愛嬌があって、とても存在感がありました。展覧会ではフジタのスナップ写真も公開されているのですが、その中に愛猫の首根っこを抑えて(笑)スケッチをしているフジタの姿があって、チラシの猫が若干オラオラな空気を出している理由がわかった気がしました

愛する女性と愛嬌のある猫、そして芸術の都パリでの幸福な景色に酔っているところ、ガツンと一発現れるのが「アッツ島玉砕」。

後に戦犯とみなされる原因となった戦争画です。この絵を単体で見ても思うところは多々あるのですが、輝くばかりの美しい色彩から一転してのこの景色は・・・。

これは苦しすぎる人生ですね。

戦後、パリに戻ってから明るい作風の作品が現れたのが救いでした。

晩年に洗礼を受けてから、フジタは再び宗教画に取り組むようになります。

それは礼拝堂建設へと繋がっていくのですが、その過程で、それまで美しいけれども少し冷たい感じのしていたフジタの絵に、愛がにじみ出るような、柔らかいタッチが加わり、数多くの模索を経て、フジタの絵はようやくふさわしい場所にたどりついたように見えました。

臨終の地は異国でしたが、最後の伴侶が日本人女性だったというのは象徴的な気がしています。

観終わった後は、フジタという人間をもっと深く知りたくなる、そんな展覧会でした。

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