久しぶりに美術館に行ってきました^^
国際美術館で開催したばかりの『クラーナハ展』。大阪では先月下旬にはじまったばかりですが、結構お客さんが入っていました。
これだけ大規模な展覧会が開催されるのは日本では初めてらしいです。私も、名前は聞いたことがありますが(魅力的な裸婦を描く人、くらいの知識です。)観るのは初めてです。
同名の父と子がいて、工房で大量生産したりしたそうですが、詳しいことはよくわかりません。初期は宗教画や肖像画が主で、当時の風俗を知るには貴重な資料です。天使や子供が今で言うところの「キモカワ」テイスト。その理由は、妙に大人びた表情にあるようです。無知なるが故の無垢とか愛らしさには、当時の人たちはあまり興味がなかったのでしょうか。絵には寓意が込められていることが多いので、その影響かもしれません。
思いがけず版画が気に入りました。同時代人のデューラーの版画もいくつか出ていましたが、こちらも細密な描写が素晴らしかったです。
興味深くはあるものの、それほど夢中になれなかったのが、裸婦像の登場から俄然印象が変わってきます。
肌の輝きや身体の線の美しさは素晴らしく官能的で、多数の画家が魅せられたのも納得です。クラーナハをモチーフにしたピカソの絵も展示されていましたが、やはりこの人は巨人ですね。クラーナハの魅力を自家薬籠中の物として、できあがりはどう見てもピカソ。その迫力はさすがでした。
ポスターにもなっている『ユディト』が良かった! ユディトに限らず、他の女性像も、実際に見たことがないと、こんなリアルな表情は描けないのではないかと思うので、実生活で恋愛に溺れたに違いないと睨んでいます(笑)。しかも妻ではない気がするなあ。ものすごい年下の小悪魔的美少女とか、出自の良くない娼婦とか・・・。身も心も捧げて、ついでにお金も貢いで最終的にひどい目に遭っている(注:あくまで個人の感想です)。
裸体であることは、昔なら真実とか純粋さの表現だったでしょうが、今は必ずしもそうではない気がします。現代って複雑な時代だなと改めて認識した展覧会でした。
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