ぶらっとJAPAN

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京都・嵯峨野嵐山散策その3 野宮神社~常寂光寺

2015-05-22 21:35:49 | 京都

 大河内山荘のすぐ目の前に、素晴らしい竹林があります。京都を紹介するポスターや番組などでしばしば登場するので、ご存じの方も多いと思うのですが、本物は写真以上に美しく、みずみずしかったです。

 ただあまりに立派過ぎて画角に収まり切らない・・・(^^; ワイドコンバーターレンズ的なものがないと無理なのかしら。皆様どう撮ってらっしゃるんでしょう?

 ところで、竹の根元にある垣根、これを「小柴垣」(こしばがき)というんだそうです。高校の古典の授業で出てきて、注釈とか読んでもさっぱりわからなかった形がここへ来てようやく納得。垣根というにはあまりに素朴で防犯上の効果はほぼないように見えます。

 さて、この竹林をたどっていきますと、まさに古典「源氏物語」の舞台、野宮神社にたどり着きます。大河内山荘とは打って変わって、こじんまりとした神社です。当時このあたりは聖域だったので、ふつうの生活の場とは違いますが、それにしてもこの少し歩けば端から端まで行けてしまうこじんまりさが、平安の人の身の丈にあった空間なのかなと思ったりします。だとすると、現代の時間的、空間的広がり方は驚異的です。

 斎宮と共に伊勢に下る決心をし、ここで一年間の潔斎に入っていた年上の恋人、六条御息所への断ちがたい思いにかられて光源氏が訪れる「賢木」の巻の舞台となったところです。

 先ほどの小柴垣と黒鳥居が当時の風情を残しているとのことですが、なぜか私の手元に黒鳥居の写真がない(-''-;)

 観たような気がするので、あまり興味が湧かなかったのか、観るところがたくさんあって浮き足立ってたのか。

 ちなみに黒鳥居とは木の皮をはがずに造った鳥居で、今ではとても珍しいものだそう。

 源氏物語の設定は800~900年くらい。まだまだ人も物も単純で、いろんなものの境界があいまいな感じがします。ここに立っていても、家の内と外とを隔てるものがあの小柴垣レベルですから、自然との繋がりも濃密な感じです。鬱蒼とした木々のおかげで昼間も薄暗く、そのことがこの場所の神秘性を増している気がします。

 歴史の長い京都では、同じ場所にさまざまな時代の遺跡、建物が残っているのが面白いところ。大河内山荘の昭和から源氏物語の平安までわずか10分ほどの距離です。

 このあと、さらに歩いて常寂光寺(じょうじゃっこうじ)に行きました。

 紅葉で有名なところですが、緑も綺麗です。

 

 こちらには藤原定家が『小倉百人一首』を選定したと言われる「時雨亭」跡があります。

 時雨亭の場所には諸説あって、ここ常寂光寺はその3つほどある候補地のうちの一つだそうですが、静かでこれだけ緑に囲まれたところで美しい和歌を選ぶのはさぞ、楽しい作業だったでしょうね。定家の生没年は1162-1241年。源氏の頃よりさらに時代が下ってきます。「源氏物語」の注釈などもしたそうですので、きっと野宮神社も訪れたと思いますが、どんな風に見えたんでしょう。歴史的遺産? それとも、同時代の大事なお社だったのでしょうか。

 この後もいろいろ巡ったのですが、それはまたの機会に譲るとして、実は、これだけアップしといてなんですが、この時の旅のメインは嵯峨野でも嵐山でもなかったんですね~

 というわけで、明日はそのメインスポットのご紹介です!

 

 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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緑いっぱい (chika)
2015-05-23 01:25:38
新緑の嵯峨野路いいですね~。
最初の写真、上の部分が画角に収まらなくても竹の直線的な流れが強調されていいと思います^^
鬱蒼とした竹林の雰囲気でてます(^o^)
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ありがとうございます! (bratt-japan)
2015-05-23 14:57:32
chikaさんにそう言っていただけると心強いです。
ピントもどこに合わせていいやらわからなくて
素材がいいので、なんとなく形にはなるのですけども。
嵯峨野路は良かったですよ。
次は違う季節に行きたいです。
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