ぶらっとJAPAN

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足の向くまま、気の向くまま。プチ放浪の日々。

満開! 三宝院のしだれ桜 ~ 京都 醍醐寺 ~

2015-04-03 15:43:56 | 

実はわたくしには花見の三大野望があります。生きてるうちにこれだけは見たい、と願っている桜たちが。

昨日はそのうちのひとつ、醍醐の桜を見に行ってきました。

そう、昨日のクイズの答えは京都・醍醐寺でした。

醍醐の桜といえば、なんといっても奥村土牛画伯のこの一枚。

東京・広尾の山種美術館蔵です。

淡い色を100回以上も塗り重ねて出るこの色の深み。画像では伝わりにくいかもしれませんが、本物はもっともっと奥行きのある色です。

そして、樹齢百五十年の巨木の一部だけを大胆に切り取ったこの構図。

ね? 本物、見たくなりませんか?

というわけで、昨日念願のゴー!です。

ちなみに、醍醐寺はとても広く、至る所に桜が咲いています。しかも昨日は絶好のお花見日和。

わたくしの今回のお目当ては三宝院の桜なので、何はともあれ、まずそちらからご訪問。

第一印象は、

すごく優しい感じのする桜。 

そして、大きいので、何をどうしても全体が写真の画角に収まりきらない(^^;)

土牛画伯の大胆な構図の理由が、ちょっとわかった気がしました。という訳で、私の写真は細部にこだわったものに。まずは意表をついてこちらから。

  複雑な曲線が長い年月を感じさせます。

     さらにぐいぐいっとふところに入ってみます。

大きいので、花に光と影があるのがおわかりでしょうか。

さらに近寄ってみると……。

満開です!!

どうでしょう、このしだれっぷり。

枝はほとんど地面の下まで。

風に揺れてます。 

そして、桜吹雪。まるで祝福してくれているようです。

散った後もキレイ……。

奥村画伯は師である小林古径の七回忌の帰りにこのお寺に寄って、しだれ桜に魅入られました。けれども、実際に筆を執って完成させたのは、それから10年後だとか。大画伯の気持ちが分かるなんて言うのはおこがましいですが、でもこの桜には人の寂しさや苦しさを受け入れる度量がある気がします。なんかね、お話ししたくなるんですよ。少し離れたところに座って、桜の木を見上げながら、こんにちは、今日もいいお天気ですね、とか、今までどんな人が訪ねてきたんですか、とか。別に悩みを聞いてもらうとかじゃなくて、他愛のない話をしながら、ずっとそばにいたい感じ。

樹齢150年を超えるこのしだれ桜は、枝が横へ横へと伸びてすでに自分の力では支えきれなくなっています。ですから、至る所に支柱が添えられています。苔むした老皮に旺盛な生命力はなく、緩やかに老いていく時間だけがあります。それでも、毎年きれいな花を咲かせるのはきっと「櫻守」や僧侶の方たちが丁寧にお世話をしているからからじゃないのかなと思ったりするわけです。風雪に耐えて、あちこち傷だらけの木も魅力的ですけど、今日の体調はどうだい? 寒さは堪えなかったかい? とか、毎日木に話しかけながら、何世代にもわたって、丁寧に丁寧にみてきた人たちがいて、そういうやりとりの中、育まれたあったかさってあると思うんです。木の一枝一枝に、花のひと房ひと房にそんな人たちの思いがある。もちろん、愛でるためだけに訪れた人たちの思いだってありますよね。私も、昨日こめてきたし(笑)。

醍醐寺の境内には、ほかにもたくさん桜があります。しだれ桜もいっぱい。でも、一番人気はこの三宝院のしだれ桜です。他の桜もみんなキレイです。でも、まだ若いせいか、冷たさとか残酷さを感じる部分があって、ちょっと近寄りがたかったりする。人間て正直だから、やはり、あたたかさを感じるところにやってきます。でね、そうした人たちを受け入れる優しさは桜の恩返しかなと思ったりするわけです。お世話してくれてありがとう。来てくれてありがとう。

だからこそ、生命の散華であるはずの桜吹雪が、全然、哀しいとか、切ないとか思わなくて、あたたかく、幸福なものに感じるんじゃないのかなあ。

なんてね。

桜に魅入られて珍しく、いろいろ考えたひと時でした。

さて、今日はこれでおしまい。

って、え? 全体像は無しですか? と突っ込まれそうですが。

うーん、最初に書いた通り、なんせ画角に収まらないんで(笑)、全体っていうのはないんですよ、ホントに。

それに、全体像はぜひ、本物見ていただきたいと思うし。

とはいえ、そんな生殺しもあれなんで、限りなく全体に近い写真をお見せします。ほんと、ちょっとだけよ。 

最後まで読んでくださいましてありがとうございました。またのお越しをお待ちしております。

明日は、醍醐寺パート2『私版 醍醐の花見』で三宝院以外の醍醐寺をお届けします(^_^)v

 写真とりまくり~。

晴れててよかった!


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4 コメント

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Unknown (chika)
2015-04-03 23:18:13
読者登録ありがとうございます。
醍醐寺の桜、見事ですね~!

実は私も昔から気になって仕方ない場所なんですが、現時点でまだ行けずにいます。
来年以降挑戦したいです。

ちなみに緑ヶ丘公園は私も今年初めて、最後の梅を見ました。
あんな素敵な場所が今年で終わりというのはホント残念です。

行動範囲が近いので、これからもブログで色々いい場所教えて下さいね(^^)
返信する
ありがとうございます! (bratt-japan)
2015-04-04 09:16:22
初コメントありがとうございます(^0^)

そうなんですよ。chikaさんのブログ拝見してて、いいなぁと思うところは全部行けちゃうのが私も嬉しいです。

醍醐寺、お好きだと思いますよ。ぜひ挑戦してくださいね。

意外に知らないちょっといい場所を探して、これからもup
していきますね
返信する
見事な桜 (ナン)
2015-04-05 18:57:46
初めてお邪魔します。ナンと申します。
読ませていただいて、心が休まるといいますか、見方が変わりました。
いつも写真でしか見たことがなくて、どうしても人ごみは苦手で、でも一度は見なければと思いました。
有岡城はいつも通り過ぎてしまいます。歴史も勉強しなくてわ。
阿倍野ハルカスは実家の近くですが近々行くつもりです。
お写真が上手なので行ってみたくなります。
とりとめがなくてすみません。
返信する
ようこそ。 (bratt-japan)
2015-04-06 09:12:00
ナンさんはじめまして。
思いの溢れる素敵なコメントありがとうございます。
私のブログで何かを感じていただけたら、こんなうれしいことはありません

人ごみに出るのってパワーいりますよね。
でも、同じ時間と空間をたくさんの人と共有する楽しさもありますよ。

有岡城は官兵衛がいなければ、私だって素通りでした(笑)。

よかったら、またお越しください。お待ちしております
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