ぶらっとJAPAN

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後祭 山鉾巡行 その2 ~京都 祇園祭~

2015-07-26 16:01:21 | 京都

 祇園祭、昨日の続きです。

 最初の辻廻しポイントを諦め、寺町通を河原町駅方面へ引き返します。表通りほどではなくてもこちらも人の流れがあってなかなか急げません。しかも途中で花鉾巡行に遭遇。子供神輿に逆行しながら四条通へ抜け、花鉾巡行を横目に四条と河原町の交差点に向かいます。

 人ごみに翻弄されつつ、なんとか辻廻しポイント左手側に到着。ちょうど烏丸御池から巡行してきた山鉾の1基目が姿を見せたところでした。見えないことはない。見えないことはないが一番前ではないので写真は撮れないし、人に揉まれて右手の辻廻しポイントは視界から消えたり入ったり。あーん、誰かどかないかな(←ヒドい(笑))とじりじりしていたところ、山鉾が近づくにつれ、最前列の方たちが傍に寄ろうと微妙に前進。ぽかりとスペースができたところを、チビの利点を生かしてすかさず侵入。ついに辻廻しポイントを視界にばっちり捉えました!

 そして2基めの北観音山鉾がやってきて、いよいよ待望の辻廻しの始まりです。まず鉾の下に収納されていた竹片を車輪のキワに敷き詰めます。それからざばざばと水をかけて、竹を湿らせていきます。水分を与えることで「しなり」が出て割れないのかなと推測したのですが、摩擦熱を防ぐためだという人もいました。いずれにしろ、ものすごい負荷がかかるのでしょう。

 囃子方や屋根方など、たくさんの人が鉾に乗っているので間違いは許されません。竹敷きと水かけが終わった後も、入念に車輪の位置をチェック。なかなか時間がかかります。鉾の向きを変えることは想像以上の難事業なのです。

 やがて、音頭取りが扇子を高々と差し上げ、号令一下、曳手たちが綱をひきます。じりじりと動く鉾。でも一回の角度は30度くらいでしょうか。そうしてまた竹を敷き直し、微調整が始まります。その間、囃子方は休むことなく、コンコンチキチと打ち続けます。

 本当に壮大な神事です。一体誰がこんなことを考えたのか、そしてよくもまあ、こんなことを何百年も続けてきたのかと思います。でも、鉾を廻し終え、高々と扇子を差し上げて号令をかける音頭取の掛け声には、得も言われぬ爽快感があります。

 鉾に比べて、山はそれほど大きな辻廻しは必要ありません。代わりにこれでもかと旋回してその心意気を表現します。派手さのかわりに回数で勝負! です。

 後祭の山鉾は合計で10基。前祭の18基に比べれば少ないですが、それでもこの暑さのなか結構な数です。やっている方たちは大変でしょうが、観ている側はあっという間でした。

 暑いとは思っていますが、興奮しているので案外平気なのです。そして、河原町の歩道は屋根がついているのも大きいです。

 しんがりに悠然と登場したのは、お待ちかねの大船鉾。再建されたばかりなのでまだ新しく、さすがの迫力です。今年最後の辻廻しが始まります。やはり入念なチェック作業の後、雄々しく旋回。名残を惜しむようにゆっくりと、四条通を去っていきました。

 気が付けば正午前。トータルで3時間余りもウロウロしていたことになります。アツイ夏は大興奮のうちに終わりを告げました。

 まちの厄を祓った山鉾たちは今頃解体されて疲れをいやしているころでしょう。来年の再会を楽しみに待ちたいと思います。

 山鉾巡行は最高に楽しいですが、やはり山鉾立てから始まって曳き初め、屏風祭、宵山、還幸祭と1か月をじっくり味わってこその山鉾巡行であり、祇園祭だと思いました。来年は、できる限り通ってみたいと思います。

コメント (2)
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