黒田硫黄のTwitterで紹介されていた、ジャパンカルチャー紹介サイトにおけるRicky氏による黒田硫黄のレビュー。
おもしろい。
年に一度か数年に一度か、脳裏をよぎる曲がある。
曲の全貌は分からず、サビの一端がわかるのみ。
♪な〜んとか か〜んとか こ〜の〜船は〜進む〜
♪レ〜モンの〜 な〜んとか か〜んとかさ〜
そのくだりは、清涼感4割、優しさ3割、疾走感2割、郷愁1割というギターポップ系ネオアコの黄金比のメロディ。
その一節が急に思い返されることがあり、その度に誰の何の曲か答えに行きつかないままに、再び記憶の彼方へ消えていく。もう20数年来、それを何度も繰り返していた。まさに幻の名曲。
それが、今夜20数年ぶりに明らかになった!!
SpotifyとYouTubeの素晴らしさよ!!
当時ソロデビューしたばかりのカジヒデキを知ってはいても、CDを買ったこともなかった。ラジオでかかっていたのか、ショップでかかっていたのか、どうもCMに使われていたらしいからそれで記憶に残っていたのか。今となっては青春の思い出。当時どのようにしてこの曲と出会ったか、具体的なことは何も思い出せない。
数年ごとに脳裏に現れては、幻の名曲としての存在感だけをただただ増幅していったのだった。
不思議なものだが、遂に幻が晴れたことでそのありがたみは薄らぎ、曲への思い入れも少々減退してしまったような気もしている。
一節しか分からないからこそ、その前後は無音のままに私の理想の曲を成していたのだろう。言わば、ミロのヴィーナス現象、今でいうマスク美人理論か。「青春の思い出」とは、こうして形作られるものなのか。
それにしても20余年目に驚かされたのは、「こ〜の〜船は〜進む〜」のメロディの2番の歌詞である。是非聴いていただきたい。