再掲。
例えば、英語でダーティーと言えば、「汚ない」という意味だけど、
それは〈dirt〉つまり土を形容詞化した言葉です。
土が忌避されるのはなぜかと辿っていくと、
微生物の存在に行き着く。
それは食物連鎖の頂点にあって、全世界が人間に仕えるためにあると言った
文明の幻想を脅かすのが微生物だからです。
弱肉強食という言葉の通り、人間だけがすべてを食えるが、
何物にも食われないという強者の奢りを、
進化のピラミッドの一番下にあったはずの小さきものが脅かす。
文明はそうして抗菌とか滅菌とかいう思想に行き着く。
生物多様性というけど、その大部分は微生物だから、
結局、文明は多様性と相容れないような発想の上に成り立っているんですね。
(高橋源一郎×辻信一『弱さの思想』より)
例えば、英語でダーティーと言えば、「汚ない」という意味だけど、
それは〈dirt〉つまり土を形容詞化した言葉です。
土が忌避されるのはなぜかと辿っていくと、
微生物の存在に行き着く。
それは食物連鎖の頂点にあって、全世界が人間に仕えるためにあると言った
文明の幻想を脅かすのが微生物だからです。
弱肉強食という言葉の通り、人間だけがすべてを食えるが、
何物にも食われないという強者の奢りを、
進化のピラミッドの一番下にあったはずの小さきものが脅かす。
文明はそうして抗菌とか滅菌とかいう思想に行き着く。
生物多様性というけど、その大部分は微生物だから、
結局、文明は多様性と相容れないような発想の上に成り立っているんですね。
(高橋源一郎×辻信一『弱さの思想』より)