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沖縄から東京へ!流転の写真日記

【Oct_08】「偶然とは根源的社会性」つまり「現実の生産点」である

2020-10-08 | BOOKS&MOVIES
『急に具合が悪くなる』読了。
死に至る偶然性を通して、生きていることの偶然性を照射し、
「偶然とは根源的社会性」つまり「現実の生産点」であることを、
2人の著者の往復書簡で共時的に繙かれた書。

「私が『いつ死んでも悔いが残らないように』という言葉に欺瞞を感じるのは、
死という行き先が確実だからといって、その未来だけから今を照らすようなやり方は、
そのつどに変化する可能性を見落とし、
未来をまるっと見ることの大切さを忘れてしまうためではないか、と思うからです。」
(宮野真生子)

分岐する未来を考え、リスクを計算し、複数の可能性を考慮し、
出来るだけ安全に生きていけるようにする。そうやって自分を守ることの、
何が薄っぺらいのか、と反論したくなる人もいるでしょう。
ええ、たしかに、そこでは未来という広がりが射程に収められてはいます。
しかし、それはあくまでも「自分」にとっての未来であり、
自分一人が流れる時間のなかを生きていると思っていませんかと私は問いたい。
(宮野真生子)

西田幾多郎⇒九鬼周造⇒三木清⇒木村敏⇒宮野真生子の京都学派の系譜に流れる【あいだ】の思想。
出会った他者を通じて自己を生み出す間主体性が「時」を生じさせているのだ…というビジョンの美しさ。
コロナ禍によって、リスク回避を最善とし、
身内の死よりも自身の生を選んでしまうエゲツない社会の存様の中で、
【偶然性】こそが己の生を引き受ける根源的な営みなのだと、
その開かれた「生きよう」を身を以て体現された哲学者の尊さに、涙。
「人間が利己的であるか否かは、その受取勘定をどれほど遠い未来に伸ばし得るか(三木清)なのだ。

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