
そして、こちらは「終戦の詔勅」いわゆる「玉音放送」。
玉音…とは、天皇の声の意。
15日の前日、夜中の1時までかかってSP盤に録音され、
降伏を受け入れる旨を15日の正午、NHKの電波を通じて再生された。
原盤は今もNHKにある。
これを読むと、やはり大東亜圏という発想は建前であり、
四方八方海に囲まれた「守れない島国」ニッポンの本土を
どうにか堅持したい…という本心が透けて見える。
そのためには大東亜圏と謳った朝鮮半島、台湾、満州、パプアなどの
侵略した国々をバッサリ切り落としても悔いはない…という。
だから、沖縄本島での地上戦も見て見ぬ振りだったのだ。
沖縄を牛耳っていた牛島中将の自決により、日本軍壊滅まで至ったことがそれを物語っている。
どれだけの島民が手榴弾でもって、投身でもって自決させられたか…10万人である。
これで戦争責任がない…というのだから、日本は敗戦と向き合っていない…としか言いようがない。
【終戦の詔勅】
私は深く世界の大勢と日本の現状について考え、非常の手段によってこの事態を収拾しようと思い、忠義で善良なあなた方臣民に告げる。
私は帝国政府に米国、英国、中国、ソ連に対してポツダム宣言を受け入れることを通告せしめた。
そもそも日本国民の安全を確保し世界の国々と共に栄えその喜びを共にすることは、
私の祖先から行ってきたことであって私もそのように努めてきた。
先に、米国・英国二国に宣戦を布告したのも、我が帝国の自立と東亜の安定を願ってのものであって、
他国の主権を侵害したり、領土を侵犯したりするようなことは、もちろん私の意志ではない。
しかしながら、戦闘状態はすでに四年を越え、私の陸海将兵の勇敢な戦闘や、私の官僚・公務員たちの勤勉なはたらき、
私の一億国民の努力、それぞれ最善を尽くしたにもかかわらず、戦争における状況はよくならず、世界の情勢も我々には不利に働いている。
それだけではない。敵は、新たに残虐な爆弾を使用して、何の罪もない多くの非戦闘員を殺傷し、その被害はまったく図り知れない。
それでもなお戦争を継続すれば、最終的には日本民族の滅亡を招き、そして人類文明おも破壊することになってしまうだろう。
そのような事態になったとしたら、私はどうしてわが子とも言える多くの国民を保ち、先祖の霊に謝罪することができようか。
これこそが政府にポツダム宣言に応じるようにさせた理由である。
私は日本とともに終始東亜の植民地解放に協力した友好国に対して、遺憾の意を表さざるを得ない。
帝国臣民にして戦場で没し、職場で殉職し、悲惨な最期を遂げた者、またその遺族のことを考えると体中が引き裂かれる思いがする。
さらに戦場で負傷し、戦禍にあい、家や職場を失った者の厚生については、私が深く心配するところである。
思うに、これから日本の受けるであろう苦難は、大変なものになる。国民たちの負けたくないという気持ちも私はよく知っている。
しかし、私はこれから耐え難いことを耐え、忍び難いことを忍んで将来のために平和を実現しようと思う。
私は、ここにこうして国体を守り、忠義で善良なあなた方臣民の真心を信頼し、そして、いつもあなた方臣民とともにある。
もし、感情的になって争い事をしたり、同胞同士がいがみあって、国家を混乱におちいらせて世界から信用を失うようなことを私は強く懸念している。
国を挙げて一つの家族のように団結し、子孫ともども固く神国日本の不滅を信じ、道は遠く責任は重大であることを自覚し、
総力を将来の建設のために傾け、道義心と志操を固く持ち、日本の栄光を再び輝かせるよう、世界の動きに遅れないように努めなさい。
あなた方臣民は私の気持ちを理解しそのようにしてほしい。
天皇の署名と印璽
昭和二十年八月十四日
玉音…とは、天皇の声の意。
15日の前日、夜中の1時までかかってSP盤に録音され、
降伏を受け入れる旨を15日の正午、NHKの電波を通じて再生された。
原盤は今もNHKにある。
これを読むと、やはり大東亜圏という発想は建前であり、
四方八方海に囲まれた「守れない島国」ニッポンの本土を
どうにか堅持したい…という本心が透けて見える。
そのためには大東亜圏と謳った朝鮮半島、台湾、満州、パプアなどの
侵略した国々をバッサリ切り落としても悔いはない…という。
だから、沖縄本島での地上戦も見て見ぬ振りだったのだ。
沖縄を牛耳っていた牛島中将の自決により、日本軍壊滅まで至ったことがそれを物語っている。
どれだけの島民が手榴弾でもって、投身でもって自決させられたか…10万人である。
これで戦争責任がない…というのだから、日本は敗戦と向き合っていない…としか言いようがない。
【終戦の詔勅】
私は深く世界の大勢と日本の現状について考え、非常の手段によってこの事態を収拾しようと思い、忠義で善良なあなた方臣民に告げる。
私は帝国政府に米国、英国、中国、ソ連に対してポツダム宣言を受け入れることを通告せしめた。
そもそも日本国民の安全を確保し世界の国々と共に栄えその喜びを共にすることは、
私の祖先から行ってきたことであって私もそのように努めてきた。
先に、米国・英国二国に宣戦を布告したのも、我が帝国の自立と東亜の安定を願ってのものであって、
他国の主権を侵害したり、領土を侵犯したりするようなことは、もちろん私の意志ではない。
しかしながら、戦闘状態はすでに四年を越え、私の陸海将兵の勇敢な戦闘や、私の官僚・公務員たちの勤勉なはたらき、
私の一億国民の努力、それぞれ最善を尽くしたにもかかわらず、戦争における状況はよくならず、世界の情勢も我々には不利に働いている。
それだけではない。敵は、新たに残虐な爆弾を使用して、何の罪もない多くの非戦闘員を殺傷し、その被害はまったく図り知れない。
それでもなお戦争を継続すれば、最終的には日本民族の滅亡を招き、そして人類文明おも破壊することになってしまうだろう。
そのような事態になったとしたら、私はどうしてわが子とも言える多くの国民を保ち、先祖の霊に謝罪することができようか。
これこそが政府にポツダム宣言に応じるようにさせた理由である。
私は日本とともに終始東亜の植民地解放に協力した友好国に対して、遺憾の意を表さざるを得ない。
帝国臣民にして戦場で没し、職場で殉職し、悲惨な最期を遂げた者、またその遺族のことを考えると体中が引き裂かれる思いがする。
さらに戦場で負傷し、戦禍にあい、家や職場を失った者の厚生については、私が深く心配するところである。
思うに、これから日本の受けるであろう苦難は、大変なものになる。国民たちの負けたくないという気持ちも私はよく知っている。
しかし、私はこれから耐え難いことを耐え、忍び難いことを忍んで将来のために平和を実現しようと思う。
私は、ここにこうして国体を守り、忠義で善良なあなた方臣民の真心を信頼し、そして、いつもあなた方臣民とともにある。
もし、感情的になって争い事をしたり、同胞同士がいがみあって、国家を混乱におちいらせて世界から信用を失うようなことを私は強く懸念している。
国を挙げて一つの家族のように団結し、子孫ともども固く神国日本の不滅を信じ、道は遠く責任は重大であることを自覚し、
総力を将来の建設のために傾け、道義心と志操を固く持ち、日本の栄光を再び輝かせるよう、世界の動きに遅れないように努めなさい。
あなた方臣民は私の気持ちを理解しそのようにしてほしい。
天皇の署名と印璽
昭和二十年八月十四日