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超長文用。500字のマストドン@boxingfan@mstdn.jp でも書けないようなやつはこちら

わざわざ鼻持ちならない家系自慢をしてみる

2021年05月07日 | 日記
今回もマストドンからの半ば転載。500字に無理やり押し込んで投稿した面もあるので内容を足したいと思ったことと、かなり僕の内側にかかわる問題なので、こちらにも書きたいと思ったこととで、久しぶりに書いてみる

家系自慢などというものの常として、はっきり言ってかなり差別的な内容ではあるが、僕という人間に流れるものとして実際のところなので、言葉を選ばず書いてしまおう



フジイユウジ @fujii_yuji@mstdn.fujii-yuji.net
ほとんどの国民は農民出身なのに「サムライの末裔」みたいに言ってるのウケるなーと思ってたけど、北欧の友人も「俺達はバイキングの末裔」って言ってたし、こういうのにロマンを感じるのは世界共通にゃんね

https://mstdn.jp/web/statuses/106191171433340839



僕の父親の方の家系は、僕の曾祖父のあたりの代まで庄屋階級だった。多分苗字帯刀が許されていた。経済力や格式では、たとえばいわゆるサンピン侍なんかより上だが、しかし階層としては「農民」で、自慢するには微妙なところだ。なので、父親から聞かされた以外では、リアルで人に言ったことはほぼない

相手がそれなりの教養人でない限りクドクド説明しなきゃいけないし、説明したところで「元は田舎者だった」ということの証明をしているだけの面もあるし、しかも、戦後の農地改革を迎える前に投機(≠投資)に失敗して全財産をすっている。曽祖父が他人の借金の保証人になって踏み倒されて財産を半分失い、それを取り戻そうと先物取引に手を出したのだそうだ。呆れるほど典型的な愚かさだ。相当のボンボンだったようで、簡単に人に騙されたわけだね。父祖伝来の土地を祖父が逃げ出して以来、今となっては何も残っていない。そんな出来事を詳しく話しても、笑い話や貧乏自慢の類にしかならない

正確には、その地域に今も残っている、元は蔵だった建物(不動産)について、16分の1だかの相続分が残っていることが最近分かったそうだ。自分のルーツのよすがとして、父には多少の関心があったようだが、僕には何の興味もないし、場所も知らない。父が結局放棄したのかどうかも覚えてないなあ



それに対して、母親の方の曽祖父までは某徳川譜代大名家の家老職にあったそうだ。こちらはれっきとした武家だ。自慢するならこっちだけにしておく手もある

ただし、天皇の承継問題を見ても、夫婦同氏原則も手伝って存在する「家系を残せるのは男の子だけ」という社会通念からしても、「女系」に対してはこの国はとことん冷たいので、母親の方の家系はそもそも自慢できる類のものではないのかもしれない。少なくとも、家系なんぞを重視する人間の多くは、同時にそういう種類の差別者かもしれない

ちなみに、いろんな場所で言っている僕一人説の繰り返しだが、僕が夫婦別姓(選択的夫婦別氏導入)に反対しているのは、導入賛成派のかなりの割合を、「女の子に生まれても家系を残すことができてもいいはずだ、そのために結婚を躊躇しているカップルがある」などという、封建的なタワゴトを理由にする人間が占めていることに理由の一つがある。少なくとも、与党自民党内では、こんなことが最も重点的に議論されている。「法律婚をして非嫡出子となることを回避する」という目的などもそうだが、別姓導入の根底に既存の差別の温存・強化の意思が見え隠れする。差別反対のような顔をしながら、自身が差別者に回ることを希望する振る舞いが別姓導入賛成という行動だというのが、僕の見方だ

それに加え、立派な武士には、基本的に清貧思想がある。そこそこの侍でも、ほとんどの場合で金持ちではない。『風雲児たち』で知った話だが、身分の高い武士は石高は高くないという法則もあったようだ。腐敗を防止するための制度ということらしい。正確な我が曽祖父の俸禄は知らないが、譜代大名のほとんどは石高は低く、その家老の末席にいたくらいでは、大した数字ではあるまい

この世界では重商主義が席巻している。四民平等となり富国強兵に突き進んで、階層問わず軍役に就くと同時に、商業と工業が最も重要となった明治以降はもちろんのこと、江戸時代はもちろん、実際には楽市楽座の織田信長のあたりから、この日本では、裕福なのは商売に成功した人間だけだ。秀吉のような天下人をはじめとする大大名などは例外として、多くの武士は今でいえば公務員でしかなく、廃藩置県以降はただの一般人である

僕の母方の曽祖父は、廃藩置県で任を解かれ、北海道開拓使になった。祖父は北海道出身だ。とくに北海道で成功したわけではなく、今は北海道と何の縁もない。ものの見事に平民である。元士族として、父方とは違ってとくに没落するに至った事件は起きていないが、経済的にずっと庶民だ



この二つの家系がミックスされて生まれたのが僕だ

僕は武家の末裔だろうか

田舎の百姓の出だろうか

どちらも調べればかなり古い時代まで家系図が残っているそうだけどね



格と富を兼ね備え、それを現代まで維持し続け、同じ出自の家同士で半ば近親交配を続けたような人間以外、家系なんぞ自慢しても何の意味もないということなのだろう。自慢が成立することが素晴らしいかどうか以前に、多くの場合で、そもそも自慢する対象が何も残ってなどいない

それでも遺伝子の継続とするなら多少の意味もあるかもしれないが、養子という制度がある以上、それも関係ない



みなもと太郎
「家系図が古いことを自慢する人間など軽蔑する。人類は皆、万世一系のホモサピエンスではないか」