スカッ晴れ♪

大阪からノーコン乱投 発信

「麻雀放浪記」と色川さん

2018年09月19日 | 映像関連
色川武大さんが、阿佐田哲也名義の
原作を和田誠が映画化した名画。

麻雀放浪記👈


真田広之がボーヤと呼ばれる若い賭博師を演じ
まして、脇を鹿賀丈史、高品格、名古屋章に
加賀まりこ、若き大竹しのぶ、達が絡みます。
おっと、加藤健一を忘れちゃいけません。



戦後間もない頃の東京です。
木造バラック、壊れたビル、焼け落ちた町の風景の
中で賭博でしか生きられないタイプが蠢きます。

チンチロリンから、やがて麻雀賭博、歴戦の兵達を
見続けて来た阿佐田哲也の世界を白黒映画にして
ノスタルジックにあるいはリアル感が増した映像で
描き出しています。


加賀まりこ、同じ白黒の「月曜日のユカ」のデビュ
ー当時の魅力とは違った女の匂いを感じます。
名古屋章の飄々とした雰囲気も懐かしいですね。
高品格は、あの一本調子の演技で長く男優を続け
られたのも、変わらない良さが魅力でしたね、
鹿賀丈史も何をやらせても一緒ですが・・・

加藤健一、自身の劇団経済を支えるために懸命に
カネになる仕事をしていた頃でしょう。

静かなうねりを感じる映画でもあり、オトナが居た
時代に、何かと学ぶ機会を得た青年の成長物語でも
あります。
戦争でいつ死ぬかも分からない時代、人に触れ騙され
とか、様々な経験を積んだ大人達からは学べる事が
多かったでしょう、

今の時代のように、嘘か実か分からない情報の構成で
作られたテレビ番組で文句を垂れてるような大人達が
青年に何を伝えることが出来るでしょう?



身を守る術、こういうことを
私たちは青年達に伝えることができるでしょうか?


登場人物は所詮、やくざなタイプです。
褒めたような者は出て来ませんが、楽しく生きようぜ
との思いに溢れている様子が、この映画を名作にして
いるのではないでしょうか・・・

原作の阿佐田哲也、晩年は岩手一関に転居して日本一
のジャズ喫茶と呼ばれている菅原さんの「ベイシー」
近くで一生を終えられました。
賭博より、JAZZに寄り添った辺りが魅力です。

事実は、もう雑踏から抜け出して、ゆっくりと生きたい
岩手の一関ならベイシーもあるから楽しいじゃ無いかと
思われたそうですが・・・



本名が色川さん、彼の描く世界は「人を断罪しない」
間違っている!と思えることにも二面性があって総てが
悪ってことではない、どういう事情があるのか・・・
そこまで考えなきゃ真実は見えてこない・・・

彼の、このような考えが深さを示します。

直ぐに白黒つけて断罪する尻の青いオトナが多過ぎて
息が詰まる・・・

私たちも学ばなければいけないことが多過ぎる思いで
います。



男に惚れられる魅力ある男、やはり心意気と経験から
語る現実の体験を感じさせる言葉の重みでしょうか。

いったい自分はなにしてきたんだ?と落ち込みますね。


一曲いかがですか?

映画とは関係ありませんが、色川さんが好きだった歌手
キャロル・スローン

Carol Sloane の「 I've Got You Under My Skin」👈


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