【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

めくるめく知のフロンティア・学究達 =117= / 堀信 行(04/11)

2020-10-31 06:12:37 | 浪漫紀行・漫遊之譜

『ナショナル ジオグラフィック』は直訳すれば「米国地理学雑誌」か

それなのに、ちっとも地理学誌らしくない記事を掲載 でも、そもそも地理学ってなんだろう

そんな疑問をたずさえて、世界で活躍する地理学研究者であると同時に

“ナショジオ”全巻の蔵書を誇り “ナショジオ”にまつわる展示会まで開催した堀信行

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=的野弘路、堀信行 & イラスト・史料編纂=涯 如水)

堀 信行 : 第二回 ライバルはチャールズ・ダーウィン!! =2/3= ◆◇

 堀さんの地理学者としてのスタートは、サンゴ礁の研究だった。

 サンゴ礁はもちろん、地球の表面にあるものであり、動物が形作るものであり、地形でもある。また、海の生き物にとって重要な環境であり、隆起して人が住む島になったりもする。

「沖縄に南大東島というサンゴ礁の隆起環礁の島がありまして、わたしがまだ学生の頃に、若くして故人となられた武永健一郎先輩についていったんです。サンゴ礁を見たことない人間がはじめて見ると、ため息が出るほど美しいんですね。美しいサンゴ礁を前にして調査をしながら、わたしは先輩に色々、質問するわけですよ。サンゴ礁ってどうやってできるんだとか、ほかの場所でも同じだろうか、とか。私の質問があまりに頻繁なもので、うるさい、しばらく黙れと言われまして──」

 ここで堀さんは、自分の思考の特質を理解するようになったという。何かを見たらできるだけ普遍的な仮説を立てて、それが合っているかどうか追いたい。自然と話は大きくなりがちだ。堀さんは、沖縄の他の島のサンゴ礁をめぐるようになる。

 東京都立大学の助手に招かれて着任した際、アフリカのケニアでの調査に参加することになった。アフリカの山岳地帯ケニア山の氷河からインド洋岸のサンゴ礁までの気候変化を見る、というのが大きな目的で、堀さんはこれまでの沖縄でのサンゴ礁調査の経験を買われ、サンゴ礁担当になった。

 沖縄で研究してきたことを、アフリカでの研究にどう役立てるか。サンゴ礁の分布域の「北の端っこ」あたりに位置する日本のサンゴ礁と赤道付近のケニアのサンゴ礁はどう違うか。その違いの背後には一般的な法則があるのか。堀さんは世界中のサンゴ礁があるエリアの海図をすべて買いそろえた。

そして、サンゴ礁の縁の部分の幅や深さがどれだけあるかを計測した。赤道近くでは深いところからサンゴ礁が立ち上がり、積み上がった石灰岩(礁石灰岩)の厚さも水深に対応して厚い。それが北緯と南緯で20度を超えたところから浅く・薄くなりはじめ、30度近くの現在のサンゴ礁の北限・南限にいたるまでその傾向が続く。

・・・・・・明日に続く・・・・

■□ 参考資料: 大重監督との記憶 (2/3) □■

the Earth of Free Green : 「神の島」に寄せた熱い心

―大重潤一郎監督との記憶を辿る

大重監督との偶然の出会いがあったその後、カルスト地形を活かした土地利用に、畑周辺の草木の風通しを良くするアブシバライという作業の様子(写真左)などを撮影した。「久高オデッセイ」の第一部と第二部を観たことがある矢野氏によれば、その時の映像の一部が出てくるとのことであるが、私はそれ以来ずっとその場面を見てみたいと思っている。不思議なもので、お会いしてすぐに監督のカメラの中に撮りこまれたためか、自分が大重監督の世界の一郭を構成しているような錯覚に陥ることがある。

この出会いの後、那覇の事務所に三回程伺い、旧交を温めた。また2013(平成25)年11月2日には、目黒区の生涯学習機構である「めぐろシティカレッジ」の講座「生きる知恵:古今東西」の講師としてお招きし、「生きる知恵:私の場合」という表題の講義をしていただいた。車椅子から声を絞り出すように語られる監督の姿を脇から眺めながら、講義を気持ちよく引き受けていただいた監督に感謝しつつ、私は感無量であった。この時も発病後の監督は、何回目かの手術を兼ねて上京されていたと思う。

以下当日の大重監督の言葉の断片を幾つか挙げてみよう。

 「病気で倒れた時、ありありとある風景を見た。自分の祖先が出てきて「何とお前は自分勝手なことをしているのか。お前には俺たちもいるんだぞ。」と言った。」

「ある日、比嘉康雄から電話があった。「俺はもう死ぬ」と。…そして「血と肉を剥ぎ、骨だけにしてくれ」と比嘉は言った。…それを泣きながら編集した。」

「彼は言った。「男はウミンチュ、女はカミンチュ」「男は効率を求め、女は命を残し、命を繋ぐ」「争い中心の男、命中心の女」と。」

「沖縄を去ろうとしたら何かおかしい。本土と繋ぐ人が要る。私は去れないと思った。妻にも相談せずに沖縄へ行ってしまった。」

「私は脳の(?)がやられている。右半身激痛が走る。脳が勝手につくっている痛み。脳がいかに大切かとしみじみ思う。」

「(倒れて)最初の4・5年は話しても通じなかった。諦めないで努力して今に至っている。」

「美味いもの食べて、…つまり刺激を与えて蘇った。薬で治ったわけではない。」

「医者で半分。あとは自分で治さないといけない。…刺激が大切。実際の生活が一番のリハビリである。」

「自力本願だ。特に感覚は自分で治すしかない。」

「命の全うが重要。命の巡り、先祖からの流れが大切。」

「人頼みにするな。自分でやれ。無関心はいけない。」

「病気をすると、心の病気がついてまわる。」

 「感動というものがある。『禁じられた遊び』を観て感動し、映画に走った。そして感動の背後に自然がある。小さい頃桜島を見てそう思った。」

 「今の異常気象も罰が当たっているのではないかと思った方がよい。」

 「大地は天からの授かりもの。」

以上、当日の大重監督語録の一部である。

 ・・・・・・明日に続く

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◆ 「沖縄 久高島のイザイホー-第2部-」東京シネマ 

・・・  https://youtu.be/QTjg_L1ZP7o  ・・・

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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めくるめく知のフロンティア・学究達 =116= / 堀信 行(03/11)

2020-10-29 06:07:09 | 浪漫紀行・漫遊之譜

『ナショナル ジオグラフィック』は直訳すれば「米国地理学雑誌」か

それなのに、ちっとも地理学誌らしくない記事を掲載 でも、そもそも地理学ってなんだろう

そんな疑問をたずさえて、世界で活躍する地理学研究者であると同時に

“ナショジオ”全巻の蔵書を誇り “ナショジオ”にまつわる展示会まで開催した堀信行

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=的野弘路、堀信行 & イラスト・史料編纂=涯 如水)

堀 信行 : 第二回 ライバルはチャールズ・ダーウィン!! =1/3= ◆◇

 企画展「ナショジオの世界 120年の軌跡」が開催されている図書館の一室から、堀信行教授の研究室に移動。企画展を離れた「地理学」についての話を伺うことになった。

 実は、地理学についてインターネットで予習したところ、Wikipediaの記述では(誰が書いたか知らないが)、自然地理学、人文地理学、地誌学、地図学といった大分類を提示した上で、さらに細々とした諸分野が挙げられていた。

 堀さんは、こういった細分化された諸分野ではなく、ただ「地理学」と名付けられた学科の教授だ。まさに、ザ・地理学者。

 では、地理学、ジオグラフィとはなんだろう。

「ジオっていうのは、地面のこと、大地のこと、地球のこと。グラフィっていうのは記述するという意味。教科書的にはそこで終わっちゃうんですけど、もうちょっと食い込む必要があると思っています。ジオ(GEO)のOというのは、ギリシャ語で2つの単語をつなぐためのものなんで、GEに意味があるんですね。で、GE(ゲー)っていうのは、ガイアのことです。

つまり地面、地母神です。その地母神が生み出した世界を記載する。地面には生命体、植物や動物や人間、および社会や文化も皆含まれる。さらに地面との関係において発生する気候のような諸現象というのが全部、記載の対象になります」

非常に大きな説明である。植物や動物や人間、さらにその社会や文化も皆含まれた上での「地面」を記載するといえば、要するに森羅万象にも近くなる。地理学はそんなに「手広く」て大丈夫なのかと心配になるくらいだ。

 それは、多くの人が感じる疑問であるらしい。

「人間の生活はもちろんのこと、「自然」と我々が言っているもの自体、ガイアの世界です。全部1つの学問でやれるのかと思われることが多いようです。しかし、ねらいとしては、そういうものを全て、とにかく分け隔てなく、丸ごと取り扱おうとすること。科学は、一般に、要素に分解することで発展してきた面がありますけれども、複雑なひとまとまりのまま、いわば複合体のままの状態で把握するというのが地理の理想ですね」

 地球をまるごと理解する。

 できるかどうかは別として、そのような欲望を持った学問なのだとぼくは理解した。

 しかし、まるごと、と言われても、やはり具体的なイメージは湧かない。堀さん自身の研究史をもって、具体例とさせてもらおう。  

・・・・・・明日に続く・・・・

■□ 参考資料: 大重監督との記憶 (1/3) □■

the Earth of Free Green : 「神の島」に寄せた熱い心

―大重潤一郎監督との記憶を辿る

私(堀信行)は、2018(平成30)年7月22日、大峯本宮天河大辨財天社の奉納上映会で、長年の夢であった大重潤一郎監督の作品「久高オデッセイ第三部 風章」と「水の心」を鑑賞した。鎌田東二先生を中心に企画されたこの上映会は、3年前に大重監督が69歳で亡くなった命日でもあり、監督に再会できた日でもあった。

これまで大重監督の映画を観る機会を失ったままだった私にとって、今回は「長年」の夢が叶えられた日でもあった。「長年」とは、大重監督が「久高オデッセイ」三部作の製作を開始したとされる2002(平成14)年以来の年月のことである。というのは、私が大重監督と初めて出会ったのは、16年前の2002(平成14)年11月16日のことであった。思えば、監督が「沖縄映像文化研究所」をこの年の10月14日に設立されて、ほぼ一か月後のことである。

出会いのきっかけは、現在「大地の再生」家として全国的に活躍されている矢野智徳氏との縁であった。矢野氏とは都立大の地理学科の縁もあって、各地の環境改善に私も微力ながら関わっていた。矢野氏が大重監督を知り合ったのは、矢野氏が久高島を歩いている時に偶然出会い、そこで矢野氏が、環境への取り組みを説明したという。それを聴いた監督は、いたく感動したことに始まる。その後間もなく私は矢野氏から大重監督のことを聴き、久高島でお会いすることになったのである。初めてお会いした日の光景が今も忘れられない。

大重監督が写真に見るように、とてもお似合いの青いシャツに白いズボン姿で、カメラを片手に、我々の方に向かって歩いて来られる光景は、一コマの映像を見るようであった。初めての出会いであったが、お互いに、会いたい人に会えたような興奮がそこにはあった。瞬く間に大重監督ならではの人間的な空気に包まれていった。

私は、サンゴ礁地形を中心に自然地理学の研究をしていることを手短に自己紹介した後、すぐイシキ浜の南端の海岸に出た。すると、すぐに監督から、この島の自然地理学的特性を説明して欲しいといわれ、語り始めると、監督はすぐさま至近距離で手持ちのカメラを廻し始めた。私は、普段カメラを頻繁に使うことには慣れていたが、撮られることには不慣れなため、一瞬戸惑い、私の声も潮騒の音にかき消される感じがした。  ・・・・・・明日に続く

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◆ 「沖縄 久高島のイザイホー-第1部-」東京シネマ 

・・・  https://youtu.be/af0PEedYKNY  ・・・

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めくるめく知のフロンティア・学究達 =115= / 堀信 行(02/11)

2020-10-27 06:11:03 | 浪漫紀行・漫遊之譜

『ナショナル ジオグラフィック』は直訳すれば「米国地理学雑誌」か

それなのに、ちっとも地理学誌らしくない記事を掲載 でも、そもそも地理学ってなんだろう

そんな疑問をたずさえて、世界で活躍する地理学研究者であると同時に

“ナショジオ”全巻の蔵書を誇り “ナショジオ”にまつわる展示会まで開催した堀信行

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=的野弘路、堀信行 & イラスト・史料編纂=涯 如水)

堀 信行 : 第一回 ナショジオ=「米国地理学雑誌」? =2/2= ◆◇

 前述の通り、疑問は大きくわけて2つ。ナショジオは、なぜナショナル ジオグラフィック、つまり米国地理学雑誌、なのか。そして、そもそも地理学とは何なのか。

まずは前者については、非常に明解な回答があった。

「1888年、米国地理学協会、つまり、ナショナル ジオグラフィック協会というのができて、それで創刊された雑誌ですよね。初期のナショジオっていうのは、ほんとにその名のとおり地理学の論文がガンガン出ていたんですよ」

 堀さんが示してくれたのは、ナショジオ本誌の最初の2年分が合本にされたものだ。

 たしかに、今、ナショジオと聞いて想像する「グラフィック」な、つまり高品質な写真はなく(当時はまだ写真が手軽に掲載できる時代ではなかった)、文字がびっしりと連なっていた。後のナショジオとつながる「紀行文」的な文章もあるようだが、挿絵から想像するにまだしっかり調べられていない土地への探検・探査的な要素が強く、地理学的と思える。

「我々、地理学者の間では有名なウィリアム・モーリス・デービスというハーバード大学教授が、初期のナショジオを主な論文の発表場所にしていました。それと、当時、まだよく分かっていなかったアメリカの自然地理のアトラス(地図帳)をつくる計画があったんですね。遅々として進んでなかったのを、ナショジオができたのだから、そこで準備をしようと──」

 なるほど、地理学雑誌は、やはり地理学雑誌として始まったのだ。

 では、いつから現在のナショジオのように「なんでもあり」になったのだろう。

 わりと初期、というのが正解のようだ。

「編集長が替わったのもあると思うんですが、要するに、売れなかったわけですよ。そこで、販売戦略を考え始めたと思います」

 いずれの世も同じ、ということか。売れずに方針転換する雑誌は世にあまたある。ナショジオもその例にもれず、しかし、方針転換後の成功は超弩級だったわけだ。

「もともと、ナショナル ジオグラフィック協会、つまり、同好会ですよね。200名あまりのメンバーだけのためにつくっていたわけですね。メンバーの会費をもとに出してるわけで、売れる・売れないとかいう問題ではなかったわけです。でも、編集長も替わって、これじゃ先行きいかんと、方向性を模索しはじめる。1890年代から1900年代にかけて表紙の色が変わるでしょう。赤からだんだん黄に近づいて、いったん赤にもどって、また黄色になってと、今の色に近づいていく。このあたり結構ふらつきつつも戦略がはっきりしてくる時期だと捉えています」

 ちなみに、1890年代中に、コダック社製の持ち運びしやすい簡易カメラが普及するとともに、コダック社との提携で誌面に写真を入れる動きも出てきたという。現在のナショジオのトーンはこのあたりですでに確立しつつあったのかもしれない。

 というわけで、なぜナショジオは今のようなナショジオなのか、という問題には、ある意味、あっけなくけりがついてしまった。

 では、もうひとつの疑問、「地理学とは?」が残る。そして、それについて考える中で、ぐるりと一周回って、またナショジオの「意味」を再考することになるのだった。

つづく / 次回は“ライバルはチャールズ・ダーウィン!!”に続く・・・・

◆ 天空の森 - ナショジオフィルムズ 

・・・  https://youtu.be/ODQfdIvDUzQ  ・・・

■□参考資料: ナショナル ジオグラフィック (2/2) □■

ナショナル ジオグラフィック第1巻は、協会設立8ヶ月後、1888年9月22日に出版された。最初の雑誌名は The National Geographic Magazine で後に、National Geographic と短くなった。1896年1月から月刊誌となり、その時に、黄色に縁取りされた特徴的な装丁となった。ナショナル ジオグラフィックは世界で最も良く知られている雑誌の一つに数えられる。またアメリカ雑誌初の全編カラーとなった雑誌でもある。

日本語版は1995年に、外国語版としては世界で初めて創刊。日本語版の出版元は日経ナショナル ジオグラフィック社である。2005年現在は日本語版の他に、イタリア語、ギリシャ語、スペイン語、ヘブライ語、ギリシア語、フランス語、ドイツ語、ポーランド語、タイ語、インドネシア語、韓国語、ポルトガル語、中国語、チェコ語、ルーマニア語、ロシア語、ノルウェー語、トルコ語、オランダ語版などが出版されている。世界で900万部以上販売されている。

2015年秋にフォックスに売却され、新会社ナショナルジオグラフィックパートナーズ(株式の73%をフォックス、残りの27%が同協会)の刊行となる。

ナショナル ジオグラフィック協会は、数多くの探検や調査プロジェクトに資金提供を行っている。支援した数は2005年時点で、7,500件を越えている。

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◆ イントゥ・ザ・ファイア - ナショジオフィルムズ 

・・・  https://youtu.be/tMxKwUgaJiw?list=PLIQsPnGA8HHQszLVw2W9wfXQ7x4C8DZMZ  ・・・

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めくるめく知のフロンティア・学究達 =114= / 堀信 行(01/11)

2020-10-25 06:11:03 | 浪漫紀行・漫遊之譜

 『ナショナル ジオグラフィック』は直訳すれば「米国地理学雑誌」か

それなのに、ちっとも地理学誌らしくない記事を掲載 でも、そもそも地理学ってなんだろう

そんな疑問をたずさえて、世界で活躍する地理学研究者であると同時に

  “ナショジオ”全巻の蔵書を誇り “ナショジオ”にまつわる展示会まで開催した堀信行  

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=的野弘路、堀信行 & イラスト・史料編纂=涯 如水)

堀 信行 : 第一回 ナショジオ=「米国地理学雑誌」? =1/2= ◆◇

 本連載中の資料「研究室に行ってみた。」は、ナショナル ジオグラフィック日本版の公式サイトに掲載されている。本家ともいえる『ナショナル ジオグラフィック』は、アメリカで発行されている世界的に名の知られた雑誌であり、直訳すれば「米国地理学雑誌」ということになろうか。

 しかしこの訳に違和感を抱く人は多いはず。例えば、最新号(2020年10月号)の特集は、アップデートされる恐竜/売られた少女たち/アマゾンのオウギワシ/米国の国立トレイル/光がつくる不思議な風景/新型コロナと動物たち であり、「地理学」とあまり関係しているように思えない。

 なぜナショジオは、ナショジオなのだろう。全然、地理学じゃないじゃない!

 しかし、地理学ではないと書きつつ、じゃあ、そもそも、地理学ってなんだろう、という素朴な疑問も思い浮かぶ。

 ぼくの頭の中では、地理学はそのまま中高で習った地理に直結しており、まずは「地図帳」のイメージだ。世界の地図がマクロにもミクロにも描かれていて、水陸の地形、気候帯や海流といったものが図示されている。また、世界の都市の基本情報や、川、山などの情報も表になっている、などなど。

 でも、そこから先、たとえば大学でどんな専門領域として研究されているのかイメージがわかない。実際、ウェブ検索しても、日本の大学で純粋に「地理学科」を擁しているところは、数少ない。最近は、地球科学、環境科学の一部門、あるいは、人文系の研究として扱われることも多いようだ。じゃあ、地理学の求心力はどこにある?

 そんな中、日本で数少なくなった地理学科を持つ奈良大学で、まさに地理学の教授が、『ナショナル ジオグラフィック』誌を創刊から全号を揃え、大学図書館で展示会を開いているという話を聞き、ぜひ話を伺いたくなった。

奈良大学文学部地理学科の堀信行教授は、大学図書館の館長を兼任している。1888年に創刊された『ナショナル ジオグラフィック』誌を、創刊号から最新号まで1号ももらさず取りそろえ、企画展「ナショジオの世界 米国で生まれた地理雑誌 120年の軌跡」を開催している。

 企画展が行われている図書館の一室には、時代別、特集のテーマ別などに分類されたナショジオが並べられていた。また、ナショジオが報じた「日本」「アフリカ」「宇宙」といった観点別の展示、「ナショジオの付録」を集めた楽しい展示ケースもあった。「付録」というのは、雑誌を購読したことがある人ならご存じの通り、本当に立派なもので、例えば「プレートテクトニクス」というテーマで描かれた大判の世界地図は、その当時の最新の知見を盛り込み、同時に絵画としても水準が高い。

 それはさておき、地理学者が「ナショジオ」の全巻を取りそろえ企画展、というのだから、背後にある意図に興味津々なのは当然である。

 前述の通り、疑問は大きくわけて2つ。

 ナショジオは、なぜナショナル ジオグラフィック、つまり米国地理学雑誌、なのか。

 そして、そもそも地理学とは何なのか。

・・・・・・明日に続く・・・・

■□参考資料: ナショナル ジオグラフィック (1/2) □■

ナショナル ジオグラフィック協会(National Geographic Society)は、地理学の普及を目指した33人のメンバーによって1888年1月13日に設立された団体。現在、本部はワシントンD.C.

月刊誌『ナショナル ジオグラフィック』の発行元として有名だったが、2015年にメディア部門をアメリカの21世紀フォックス(現・ウォルト・ディズニー・カンパニー)に売却したため、同誌やケーブルテレビチャンネルなどは新会社ナショナルジオグラフィックパートナーズに変更となった。

1888年1月13日、探検家、教師、軍人らの33人により地理学の普及と調査資金獲得のための非営利団体設立を決定。初代会長には、弁護士で篤志家のガーディナー・グリーン・ハバードが就任した。

第2代会長には、電話の発明者で、ガーディナー・グリーン・ハバードの義理の息子にあたるグラハム・ベルが1898年1月に就任している。また、山本五十六もハーバード大学で語学研修を受けているときに協会の会員となり、ナショナル ジオグラフィック誌の愛読者であったことが知られている。

1963年にNational Geographic Televisionを設立、自然、科学、地理、歴史など幅広いジャンルにわたり豊富な映像素材(特に野生動物系のドキュメンタリーが多い)を保有している。

1997年には、フォックス・エンターテイメント・グループ(ニューズ・コーポレーション傘下)、NBCと共同でドキュメンタリー専門チャンネル「ナショナルジオグラフィックチャンネル」を設立。世界160ヶ国で視聴可能、2006年度の視聴世帯数は3億人と発表されている。2015年秋にフォックスに売却。

タイタニックマチュピチュの発見で知られるほか、“月”にはナショナルジオグラフィック協会の旗がある。

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◆ 未完成交響曲 - ナショジオフィルムズ 

・・・  https://youtu.be/rvBCyQFH7_I  ・・・

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めくるめく知のフロンティア・学究達 =113= / 田村元秀(11/11)

2020-10-23 06:19:27 | 浪漫紀行・漫遊之譜

太陽系の外にある惑星はどんなところなのか そして、生命は存在するのだろうか

私たちは孤独なのか それとも、地球外に仲間はいるのだろうか

国立天文台のすばる望遠鏡を使って挑む

太陽系外惑星探査プロジェクト室 田村元秀

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(文=川端裕人/写真=藤谷清美(国立天文台) & イラスト・史料編纂=涯 如水)

田村元秀 : 第五回 これが新しい宇宙の常識だ =2/2= ◆◇

=最後に、太陽系外の生命の存在の可能性について=

 我々の太陽系外に我々と似た生命が存在する可能性は、どれくらいあるのだろう。これは系外惑星の専門家である田村さんにしてみても、最終的には推論するしかないわけだけれど、ぼくとしては、聞かずにはいられない。

 いや、ぼくだけでなくそういう人は多いらしく、田村さんも実になれた様子で回答してくれた。

「知的生命という意味ではかなり低いと思いますが、原始的な生命も含めてであれば、確率はかなり高いと思っています。今分かっている知識では、系外惑星100個のうち、2~3個ぐらいは、ハビタブルゾーンにある地球型惑星だ、と。そこは要するに水が液体で存在している可能性があるわけですね。あとは、そういう水を持った惑星でどれだけの確率で、生命が生まれるかという話になるんですよね。ほんとにそこはわからないです」

 分からないなりに、きっとどこかで生命は生まれているだろう、というのが田村さんの見立て。

 

   とはいえ……やはり知的生命というのはハードルが高いのか。宇宙人から発せられているかもしれない信号を探すSETI(地球外知的生命体探査)のような「賭け」の要素が強い研究に期待するしかないのだろうか。

「そうかもしれませんが、地球型惑星がハビタブルゾーンにある確率がパーセントのオーダーであるとわかってきたということは、賭けに期待する部分は少なくなってきたということなんですよ。ある程度のことをちゃんとやっていけば、必ず知識は深まっていくんですから」

 田村さんは、非常に前向きに、力強く述べた。

 1995年に始まったともいえる「若い天文学」、太陽系外惑星探査が明らかにしつつある新しい知識は、あきらかに「生命に満ちあふれた宇宙」を強く示唆している。その証拠が年々、積み上がっている。

 そのことと、我々がいつか太陽系外の生命と直接相まみえることとの間には、大きなギャップがあるけれど、科学的根拠も伴いつつ、「世の中」の常識として、「我々はきっと孤独ではない」と言えるのは、ぼくにはとてもうれしいことだ。

次回は“堀信行・ナショジオ=「米国地理学雑誌」?”に続く・・・・

■□参考資料: いる…いない…やっぱりいる? (2/2) □■

やっぱりいるんだ!太陽系外惑星に生命が存在する可能性を示す新研究

研究チームは、生命が存在する可能性のある惑星の候補であるプロキシマ・ケンタウリb、トラピスト1e、ロス128b、LHS 1140bという4つの惑星の表面の紫外線環境をモデリングしました。

その結果、現在の地球に似た環境の惑星もあれば、大気が侵食され無酸素状態に陥っている惑星もあることが明らかになりました。後者はオゾン層を持たず、紫外線放射をブロックすることができません。大気の層が薄くなり、オゾン濃度が下がると、高エネルギーの紫外線が地上に到達しやすくなります。

さらに、4つの惑星の紫外線レベルはどれも、初期地球より低いことも判明。これは、もっとも激しい活動を示す赤色矮星を公転する惑星を含めての話です。大量の紫外線が地上に届いていた初期地球にさえ生命が存在したのですから、赤色矮星を公転する惑星に生命が存在したとしてもまったく不思議ではありません。

人類の常識を遥かに上回る『異次元の能力』を持つ星たち

・・・  https://youtu.be/sLSAXtD7zKA  ・・・

地球を知ることは宇宙を知ること

特に、プロキシマ・ケンタウリの年齢が太陽をおよそ2億年上回る4兆8,530億年であることを考えれば、プロキシマ・ケンタウリbの生命居住可能はさらに興味深いものになります。

地球上に最初の生物形態が出現したのは、地球誕生の約10億年後(およそ35億年前)だと考えれています。プロキシマ・ケンタウリの誕生直後に、原始惑星同士の衝突が生んだ破片円盤によってプロキシマ・ケンタウリbが形成されたと仮定すると、生命が生まれ地上に根付くまでに十分な時間があったとことになります。

生命とはいっても、単細胞の原核生物に過ぎなかったかもしれません。でも、太陽系の外にも生命が存在する可能性を示すだけでなく、どのような生命の痕跡を調べるべきかについてのヒントを与えてくれるという意味で、その意義は計り知れません。

宇宙における生命の探求は、常に地球の研究から始まります。なぜなら、生命が居住できる惑星として私たちが現時点で把握しているのは地球だけだからです。このため、地球の生命の歴史の中で、生命がどのようにして(どのような条件下で)、生存し、栄え、環境の変化に反応してきたかを知ることはとても重要なんですね。

「存在する・しない」の論議はまだまだ続きそうですが、私たちのホームである地球の変遷を探ることで、はるか彼方の異世界の様相が少しずつ明らかになりつつあります。

◆ 「第二の木星を写し、第二の地球を捉えよ! ~系外惑星天文学の最前線~」 

・・・  https://youtu.be/wYmOrb_zW0Q  ・・・

・・・・・・・・・・☆・・・・・・・・・・・

=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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めくるめく知のフロンティア・学究達 =112= / 田村元秀(10/11)

2020-10-21 06:12:36 | 浪漫紀行・漫遊之譜

太陽系の外にある惑星はどんなところなのか そして、生命は存在するのだろうか

私たちは孤独なのか それとも、地球外に仲間はいるのだろうか

国立天文台のすばる望遠鏡を使って挑む

太陽系外惑星探査プロジェクト室 田村元秀

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=藤谷清美(国立天文台) & イラスト・史料編纂=涯 如水)

田村元秀 : 第五回 これが新しい宇宙の常識だ =1/2= ◆◇

 話は、1995年、スイスのジュネーブ天文台のグループがペガスス座51番星に「最初」の系外惑星を発見した時にさかのぼる。

 田村さんによれば、これは研究者にとって、世界がひっくりかえるような衝撃だったという。

「いきなり木星クラスの系外惑星が見つかって、しかも、それが周期がたった4日しかなかったんですね。これは、天文学、惑星科学、あるいは地球科学をやっている人にとって大問題だったんです。それまでの惑星太陽系の中にしかサンプルがなかったから、すべて太陽系を基準に考えていた。それがひっくり返されました。それこそ、天動説から地動説、っていうのと同じ感じで。"世の中"には、たくさん星があって、その周りには太陽系とは違ったタイプの惑星があるんだと、世界観が変わったわけですよね」

 公転周期が4日の木星型惑星というのは、本当に想定外だったそうで、惑星形成理論の標準的な説では説明が付かなかったという。すぐさま移動モデルというものが理論家によって提唱されて、説明可能になったそうだが。

 それよりも、ぼくにとって印象的だったのは、田村さんが「世の中」という言葉を使ったことだった。これまで太陽系の惑星しか知らず「井の中の蛙」だったのが、系外惑星を知ることで一気に宇宙的「世の中」の常識を知ることになる。95年の発見以降、主星に近い木星型惑星、いわゆるホットジュピターは多く発見されたから、まさにこれが「世の中の常識」で、我々の太陽系はありうるバリエーションの一つと強烈に意識づけられた。

 前にも言及したけれど、田村さんたちが、すばる望遠鏡で発見した、100万年の若さの星にすでに惑星が出来ているという発見(既存の理論では1000万年以上かかるとされているそうだ)も、理論に修正を迫るものだった。

 また、今年になってからの、ケプラー衛星による大量発見では、「惑星の砂漠」と予測されていた領域で、多くの惑星が見つかった。これは惑星の質量と公転軌道の半径(正確には楕円の長半径)の組み合わせで、「ありえない」とされていた部分にも多数の惑星が見つかったとのこと。

 実際の観測に刺激され、「世の中」の常識が書き換えられる。それにともない、惑星がどうやってできるかという理論的な部分でも、今後、大きな展開が期待できそうだ。

・・・・・・明日に続く・・・・

■□参考資料: いる…いない…やっぱりいる? (1/2) □■

やっぱりいるんだ!太陽系外惑星に生命が存在する可能性を示す新研究

いる…いない…やっぱりいる?

2016年8月、ヨーロッパ南天天文台は、太陽に最も近い恒星として知られる赤色矮星プロキシマ・ケンタウリを公転する太陽系外惑星「プロキシマ・ケンタウリb」を発見しました。

それは太陽系の岩石惑星に似ているだけでなく、赤色矮星のハビタブルゾーン(生命居住可能領域)に位置していることから、多くの天文学者が「太陽系の外にも生命が存在するかもしれない!」と大興奮しました。

それ以降、プロキシマ・ケンタウリbの生命居住可能性を探る研究が重ねられてきましたが、残念ながらそれらの多くは、その可能性が低いことを示してきました。それは、プロキシマ・ケンタウリbが環境の変動が激しいプロキシマ・ケンタウリの影響を強く受けており、生命にとってかなり過酷な環境を持つからです。

そんな中、米コーネル大学Carl Sagan Instituteの研究チームが、これまでの暗い見通しに一筋の光をもたらす説を発表しました。赤色矮性を公転する複数の惑星と初期地球のの紫外線変動を比較することで、プロキシマ・ケンタウリbに生命が存在してもおかしくないことを示したのです。論文は「Monthly Notices of the Royal Astronomical Society」に掲載されています。

第二の地球に生命の兆候を探せ:天文学からアストロバイオロジーへ

・・・  https://youtu.be/_H-l9huPJ7s  ・・・

紫外線は初期地球より少ない ということは…!

質量が小さく、寿命が数兆年にも及ぶ赤色矮星は、宇宙でもっともありふれた恒星で、天の川系では85パーセントを占めています。また、その周囲には岩石惑星が公転していることが多いことも特徴の1つです。

その一方、赤色矮星は変動しやすく不安定な環境を持ちます。活発なフレア活動を起こすことで、生命にとって脅威となる可能性のあるレベルの放射線が、周囲の惑星に降り注ぎます。X線放射と荷電粒子の攻撃を浴びた惑星では、表面の大気が剥ぎ取られる危険が生じます。生命にとって不利な条件であることは確かですが、そこで鍵になるのが、惑星の大気の密度と構成、そして磁場を持つかどうかです。

研究チームは、およそ40億年前の地球の環境がどのようなものだったかを検討しました。その頃の地球は、生命にとっては不利な環境でした。火山活動や有毒な大気に加えて、地上には、赤色矮星を公転する現在の惑星と同じように、大量の紫外線が降り注いでいました。

また研究チームは、生命が存在する可能性のある惑星の候補であるプロキシマ・ケンタウリb、トラピスト1e、ロス128b、LHS 1140bという4つの惑星の表面の紫外線環境をモデリングしました。

・・・・・・明日に続く

Deep Field: The Impossible Magnitude of our Universe

・・・  https://youtu.be/yDiD8F9ItX0  ・・・

・・・・・・・・・・☆・・・・・・・・・・・

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めくるめく知のフロンティア・学究達 =111= / 田村元秀(09/11)

2020-10-19 06:21:53 | 浪漫紀行・漫遊之譜

太陽系の外にある惑星はどんなところなのか そして、生命は存在するのだろうか

私たちは孤独なのか それとも、地球外に仲間はいるのだろうか

国立天文台のすばる望遠鏡を使って挑む

太陽系外惑星探査プロジェクト室 田村元秀

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=藤谷清美(国立天文台) & イラスト・史料編纂=涯 如水)

田村元秀 : 第四回 系外惑星探査の大革命が進行中! =3/3= ◆◇

すばる望遠鏡のような、地上設置の8メートル望遠鏡で近い将来にできることとして、あえて「間接法」のひとつドップラー法に戻って、我々の太陽と同じG型星よりも軽いM型星(赤色矮星ともいう)を調べる計画もあるという。

 そのための新機軸は、これまで試されていない赤外線でのドップラー法だそうだ。

「M型星のような軽い星に惑星があると、主星が軽い分、大きく振れてドップラー法で観測しやすくなるんです。ただ問題は何かというと、太陽に比べると波長がどんどん赤いほうに行ってしまって、エネルギーのピークが赤外線になんですね。可視光でよく見えるのはG型星なんですが、M型星のような暗い天体は赤外線で見ると明るいというのがポイントで、じゃあドップラー法を赤外線でやりましょうというのが、今狙ってることです」

 この観測計画のメリットは、単にM型星が、赤外線でのドップラー法で狙いやすいというだけではない。

「M型の軽い星というのは、我々の近くにたくさんあるんです。太陽と似たG型星を30光年以内に探すと、20個ほどしか見つからないですけど、M型星は270個ほどあると。30光年に限る必要はないので、すばる望遠鏡で赤外ドップラーが実現すると、1000個単位で観測できるんですね。そうすると、地球型惑星のある確率は、おそらく10%とか、それぐらいの単位であると思ってます。100個やって10個、1000個やったら100個ぐらい見つかるはずだと。そうすると、もう統計的にも十分いろんなことが分かるはずなんです」

 この赤外ドップラーのための装置は、まさに今、国立天文台三鷹キャンパスの中で、R&D(研究開発)の真っ最中だ。

 前にも書いたように、天文台の望遠鏡は出来上がった後も進化する。ただの事務棟に見えた「すばる棟」の隣の建物に、R&D専用の作業空間があるのを見せてもらい、ぼくはそのことを実感として納得した次第。

 また、ケプラー衛星など、一見、圧倒的な成果を挙げる別の研究グループは、強烈なライバルであることは間違いなのだが、宇宙の真実に近づく知識を得るために互いに補完する研究仲間でもある。健全な科学者共同体の健やかに伸びるベクトルを感じられるのは、まことに清々しいことだ。

次回は“これが新しい宇宙の常識だ”に続く・・・・

■□参考資料: さよならケプラー宇宙望遠鏡、大量の惑星を発見 (3/3) □■

宇宙に対する私たちの理解に革命をもたらした

生命のいる惑星探しは続く

 太陽系が数十億のうちの1つだとわかった今、はるか遠くの惑星を具体的に知る時だと科学者たちは言う。単なる統計的な意味ではなく、何でできていて、どんな歴史があるのか突き止めるということだ。

「地球サイズの惑星がほとんどどこにでもあることを、ケプラーは教えてくれました」と米カリフォルニア大学バークレー校のコートニー・ドレッシング氏は話している。「地球から最も近い隣人を見つけるため、近くの恒星のハビタブルゾーンを探索する段階になりました」

 NASAは現在、宇宙望遠鏡「トランジット系外惑星探索衛星(TESS)」によるミッションで、太陽系から近い20万個以上の恒星を調査しており、特性を評価するのに最適な惑星を探している。将来は、近く打ち上げられるジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡や、現在開発中の巨大地上望遠鏡といった機器を使って特性評価が行われるかもしれない。後者には欧州超大型望遠鏡、巨大マゼラン望遠鏡、あるいは建設反対の声が起きている30メートル望遠鏡がある。(参考記事:「【解説】NASAの新衛星TESS、宇宙で何を?」

地球と似た、2つの地球型外惑星「ケプラー186fとケプラー62f」

・・・  https://youtu.be/7I0Okk23AJY  ・・・

 やがては地球上から系外惑星を直接見つけたり、そこに生命の兆候を探したりできるようになるだろう、とクリスチャンセン氏は言う。一方、現時点で得られている結果も興味深く、天文学者を忙殺するのに十分だ。

「私たちは現在、ハッブル宇宙望遠鏡とスピッツァー宇宙望遠鏡を使って系外惑星の大気を調べていますが、面白い結果を毎回のように新しく見つけています」とクリスチャンセン氏。

 米エール大学のデブラ・フィッシャー氏は、「系外惑星の大気に目をこらす動機は、その惑星の雲に刻まれているかもしれない生命の痕跡など、地球の外にある生命の兆候を探し出すことです」と話す。(参考記事:「40光年先に地球似の惑星を発見、生命探しに最適」

 こうした手がかりを簡単に探り出せる手段は、今のところない。しかし、NASAが計画中のいくつかのミッションでヒントが見つかるかもしれない。はるかかなたの惑星からの光を分解し、惑星の化学組成を読み取る、分光法というプロセスを使うものだ。(参考記事:「惑星8個もつ恒星、AIが発見、太陽以外で初」

「系外惑星の分光測定は、何としてもやりとげます!」と、フィッシャー氏は宣言した。

銀河系 2000億個の大集団 4/4

・・・  https://youtu.be/ciAg_wpa-nU  ・・・

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めくるめく知のフロンティア・学究達 =110= / 田村元秀(08/11)

2020-10-17 09:05:38 | 浪漫紀行・漫遊之譜

太陽系の外にある惑星はどんなところなのか そして、生命は存在するのだろうか

私たちは孤独なのか それとも、地球外に仲間はいるのだろうか

国立天文台のすばる望遠鏡を使って挑む

太陽系外惑星探査プロジェクト室 田村元秀

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=藤谷清美(国立天文台) & イラスト・史料編纂=涯 如水)

田村元秀 : 第四回 系外惑星探査の大革命が進行中! =2/3= ◆◇

圧倒的なケプラー衛星の成果の前にくらくらするほどなのだが、では、すばる望遠鏡での直接観測は、どのようにこれから活きるのか。

 田村さんによれば、ケプラー衛星はすばる望遠鏡と直接競合するというわけでもないようだ。

「ケプラー衛星が見つけた、ハビタブルゾーンの惑星候補を直接法で調べたいと思っても、できないんですね。つまり、主星が暗すぎるんです。それは、探し方から仕方なくて、ケプラー衛星が使っているトランジット法は、惑星が恒星の周りを回っているのを、真横から見ないといけない。そういう状況で見える星はなかなか少ないので、発見の確率を上げるためにたくさんの星、この場合は15万個を一度に見ている。とすると、ある程度遠くの、星が多い領域を選ばないといけないので、どうしても見つかった星はかなり遠くになってしまうんです」

 というわけで、現行のすばる望遠鏡でできることは、ケプラー衛星の成果を踏まえて、勇気づけられつつも、もっと近くの恒星を探査すること、ということになる。

「やっぱり、わたしたちは最終的に太陽と似たような星の周りで何が起こっているかを知りたいんです。今の技術での直接観測は巨大惑星に限られるので、巨大惑星が多いと考えられるG型星やA型星に集中して観測をしようとしています」と田村さんは言った。

 とりわけG型星は、前に書いた通り我々の太陽と同じ系統の星だから、その意味でも興味はつきない。

 さらに直接観測の将来は──

「わたしたちの系外惑星研究のロードマップでは、宇宙望遠鏡による観測を計画しています。それが実現すれば、G型星のまわりのハビタブルゾーンにある岩石惑星(地球型)の直接観測が可能になります。今のすばる望遠鏡での観測が、そこに至る布石となるんです」

 もっとも、宇宙望遠鏡の実現は、きょうあしたには無理だ。

 そこで、すばる望遠鏡のような、地上設置の8メートル望遠鏡で近い将来にできることとして、あえて「間接法」のひとつドップラー法に戻って、我々の太陽と同じG型星よりも軽いM型星(赤色矮星ともいう)を調べる計画もあるという。

・・・・・・明日に続く・・・・

■□参考資料: さよならケプラー宇宙望遠鏡、大量の惑星を発見 (2/3) □■

宇宙に対する私たちの理解に革命をもたらした

絶えず観測を続けた9年間

 2009年に打ち上げられたケプラーは、4年にわたって北の空の同じ範囲を観測し続け、別の星が前を横切るときに明るさが短期間減少する現象を追った。ケプラーはその視野から2300もの系外惑星を確認し、こうした天体が一般的であり、孤独な星はめったにないこと、そして、宇宙に散らばる惑星が途方もなく多様であることを明らかにした。

 ところが、ケプラーは2013年、観測領域を絶え間なく見つめ続けるのに必要な装置の故障に見舞われる。しかし停止はせずに新たなミッション「K2ミッション」を立ち上げ、姿勢を変えながら観測を続けた。

 しかし、ここ2、3年は、ケプラーはいつ駄目になってもおかしくなかった。探査機の燃料が近いうちに尽きることを、ミッションの責任者たちはわかっていた。燃料タンクを補充する方法はなく、2週間前にケプラーは観測活動を停止。科学者チームは最後のデータを回収しようと駆け付けた。(参考記事:「修復不能のケプラー、成果はこれから」「NASAのケプラー衛星、複数の地球型惑星を発見」

きわめて珍しい衛星ランキングTOP5

・・・  https://youtu.be/-w8JCnsmcoM  ・・・

「私たちは可能な限りあらゆる科学データを収集し、すべて安全に休止させました」と、NASAエイムズ研究センターのチャーリー・ソーベック氏は話している。「最終的には、これ以上何かできるための燃料はいっさい残っていない状態でした」

膨大なデータから何を読み解く?

 ケプラーはもう新しいデータを地球に送ることはできないが、その情報の宝庫はこれから発掘を待っている状態だ。ケプラーの最初の観測領域と、その後のK2ミッションで得られたデータは9年分余り。初めて行われた大規模な惑星の統計調査を受けて、これから科学者たちがデータの分析に着手し、解明を試みる。(参考記事:「ケプラー、新たに219個の惑星を発見」

 その科学者の1人が、米ハワイ大学のローレン・ワイス氏だ。ワイス氏は、ケプラーが観測した100個の恒星に関し、周回する惑星を調べるプロジェクトに着手している。それらの質量と軌道、惑星系全体の構造、そして惑星がどうやって今の場所に至ったのかを測定するというものだ。

「これは、私たちの太陽系が全体としてありふれているのか、珍しいのかを解明する唯一の方法です」とワイス氏。

・・・・・・明日に続く

銀河系 2000億個の大集団 3/4

・・・  https://youtu.be/35s0YH9XoB0  ・・・

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めくるめく知のフロンティア・学究達 =109= / 田村元秀(07/11)

2020-10-15 06:20:47 | 浪漫紀行・漫遊之譜

太陽系の外にある惑星はどんなところなのか そして、生命は存在するのだろうか

私たちは孤独なのか それとも、地球外に仲間はいるのだろうか

国立天文台のすばる望遠鏡を使って挑む

太陽系外惑星探査プロジェクト室 田村元秀

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

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田村元秀 : 第四回 系外惑星探査の大革命が進行中! =1/3= ◆◇

ここまであえて書いてこなかったのだが、今年2011年は、太陽系外惑星探査の「第二の革命」の年かもしれない。田村さんは、そう感じている。

 第一の革命は、もちろん1995年、最初の系外惑星が発見されたこと。

 そして、第二の革命は、2010年までに見つかった系外惑星候補が500あまりだったのに対して、2011年だけで1200を超える新候補が見つかったこと。

 残念ながら、すばる望遠鏡での発見ではない。アメリカが打ち上げた系外惑星探査専用の宇宙望遠鏡、「ケプラー衛星」が、2009年の初観測から最初の4カ月間分のデータをまとめて発表したことによる。2010年までの系外惑星候補数と並べて描いてみると、その突出ぶりがよく分かる。

「ケプラー衛星は、ハッブル望遠鏡と同じく可視光で宇宙を見ていて、方向ははくちょう座のごく一部だけに固定しているんですね。10度×10度ぐらい、つまり月の20倍×20倍ぐらいの領域です。そこに太陽と似たような星が15万個もあって、その中から1235個惑星候補がみつかった、と。惑星が主星の前を通る時に少し暗くなるのを見るトランジット法(間接観測の一種)ですから、観測期間が長くなると公転周期の長目の惑星候補もみつかってくるでしょうし、地球型でハビタブル(居住可能)ゾーンにあるもものも増えていくでしょう。生命の発生のことを考えると、非常にインパクト大きいと思いますね」

 ケプラー衛星が発見した系外惑星の特徴を示してもらった。これだけの数があると統計性が出てきて、非常に興味深い。

 1235個の惑星候補のうち、地球サイズが68個、地球の10倍くらいまでの「スーパーアース」サイズが288個、海王星サイズが662個、木星サイズが165個、超木星サイズが19個となるそうだ(ただし、地球サイズ、スーパーアースサイズは、まだ観測期間が短いため不確定要素がある)。

 また、恒星100個につき、惑星は34個はみつかっており、いわば「惑星存在割合」は34%。

 さらに、宇宙における生命の誕生に必須と考えられている「ハビタブルゾーン」にある惑星候補は、なんと54個も見いだされた。

 ちなみに、ハビタブルゾーンとは──

「惑星の表面で、水が凍らず、蒸発もせず、液体で存在する可能性がある、ということです。恒星に遠すぎると寒すぎるし、近すぎると熱すぎる。ケプラー衛星の、最初4カ月の観測でも、ハビタブルゾーンにある惑星はありふれているとわかってきたわけです」とのこと。

 圧倒的なケプラー衛星の成果の前にくらくらするほどなのだが、では、すばる望遠鏡での直接観測は、どのようにこれから活きるのか。

・・・・・・明日に続く・・・・

■□参考資料: さよならケプラー宇宙望遠鏡、大量の惑星を発見 (1/3) □■

宇宙に対する私たちの理解に革命をもたらした

 太陽系外の惑星探査で屈指の実績を上げてきたNASAのケプラー探査機が役目を終えた。NASAは10月30日、星空を10年近く観測してきたケプラーの燃料が尽きたと発表。今後、ケプラーは地球を追う軌道に留まり、太陽の周囲を回る。故郷の星に161万キロより近づくことは二度とない。

「NASAオリジナルの惑星探査機、ケプラー宇宙望遠鏡は燃料を使い果たしました」。NASAの天体物理学部門ディレクター、ポール・ハーツ氏は記者会見でこう述べた。「予期しなかったことではありません。これにより、ケプラーの探査機としての運用とデータ収集は終わりを告げます」

 ケプラーは、宇宙に対する私たちの理解に革命をもたらしたと言っても過言ではない。太陽系の外にある恒星にはたいていその周囲を回る惑星(系外惑星)があること、そのうちおよそ5分の1が地球に似た大きさや軌道をもつことが判明した。言い換えれば、惑星は恒星が形成されるときのよくある産物であり、けっして珍しいものではないことを、ケプラーは私たちに教えてくれた。

生命体がいるかもしれない地球に似た惑星5選

・・・https://youtu.be/kys9cF_erzo・・

 米ワシントン大学のビクトリア・メドーズ氏は、「ケプラーのおかげで、他の恒星のハビタブルゾーン(生命が存在しうるエリア)を周回する惑星が豊富にあることがわかっています」と話す。「系外惑星科学の未来は大きく開かれています」(参考記事:「【解説】宇宙生命探査、次はこうなる」

 このあと天文学者たちは忙しくなる。ケプラーが収集した山のようなデータをふるいにかけ、理解し、新たなミッションを構想し、新しい装置を設計する必要があるからだ。そして次世代の系外惑星探査機を使い、科学者たちは空に隠された惑星の特徴を明らかにする仕事に力を注ぐことになる。

 何しろ、天文学の採石場とも呼べるこの分野で、「生命の兆候を持つ惑星が地球以外にあるのか」という最大の謎はまだ残されたままだ。

「こうした系外惑星が何でできているのか、これから描き出していきます。惑星内部から大気まで、これまでにないレベルで詳しく示せるでしょう」と話すのは、米カリフォルニア工科大学のジェシー・クリスチャンセン氏だ。「ケプラーは、惑星と惑星系の多様性を覆っていたベールを外してくれました。今から本当の探究が始まります」

・・・・・・明日に続く

銀河系 2000億個の大集団 2/4

・・・https://youtu.be/b448CFl0LyQ・・・

・・・・・・・・・・☆・・・・・・・・・・・

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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めくるめく知のフロンティア・学究達 =108= / 田村元秀(06/11)

2020-10-13 06:59:38 | 浪漫紀行・漫遊之譜

太陽系の外にある惑星はどんなところなのか そして、生命は存在するのだろうか

私たちは孤独なのか それとも、地球外に仲間はいるのだろうか

国立天文台のすばる望遠鏡を使って挑む

太陽系外惑星探査プロジェクト室 田村元秀

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=藤谷清美(国立天文台) & イラスト・史料編纂=涯 如水)

田村元秀 : 第三回 かつて太陽は連星だった!? =2/2= ◆◇

100万年の若さの星にすでに惑星が出来ているとしたら、これまで1000万年以上はかかるとされていた惑星形成モデルに新たな課題が出されたことになる。

さらにぼくが驚かされたのは、いわゆる連星、双子の恒星がつくる原始惑星系円盤だ。

 実は、宇宙にある恒星は、誕生の時点では半分以上、成熟した時点でも4分の1くらいが連星系をなしているという。とすると、連星系での惑星のできかた、というのも非常に重要なテーマになってくる。

「太陽は今は単独の星なんですけれども、昔はひょっとしたら連星だったかもしれない。それほど、宇宙には連星の方が多いので、そういう中でどういうふうに惑星が生まれるか調べないといけない。ようやく、若い連星系の円盤について調べられるようになってきたわけです」

 田村さんが示してくれた写真は、520光年先のへびつかい座SR24星のものだった。実際に撮影されたものと、コンピュータシミュレーションによる描画があって、それらが非常に似通っている。

「これは、サイエンスという雑誌で紹介してもらったんですが、連星があって、その間で物質のやりとりをしてるっていうのが初めて見えたんです。円盤から円盤に物質が流れている様子なんていうのは、今まで見えなかったんですけれども、画像として観測することで初めて捉えられたんですね」

 ぼくは、連星系での原始惑星系円盤の出来方に魅了された。なんと3つもの円盤ができることが、実際の観察でも、シミュレーションでも示されているのだ。それぞれの星の周囲にできる円盤がひとつずつ、そして、連星系のまわりを取り巻く大きな円盤がひとつ。
 それぞれ、どんなふうに惑星ができるのだろうか。

次回は“系外惑星探査の大革命が進行中!”に続く・・・・

■□参考資料: 系外惑星とは何か?(2/2) □■

生命の母体と言える惑星を太陽系外に求めるプラネットハンティングは1970年代以降、観測技術が飛躍的に向上し、成功への機は熟しつつありました。太陽から地球までは光の速さで約8分ですが、最も近い恒星までは約4年もかかるので、太陽系内の8つの惑星と比べるとはるか彼方にある天体です。

そのような遠方にある系外惑星の検出は、従来の天文観測手法と比べるとはるかに高い性能を要求します。とりわけ、惑星による恒星のふらつきをとらえる分光観測は、間接的な方法ながら最初に惑星検出が可能なレベルまで到達しました。そしてついに、1995年の確実な系外惑星の発見により、宇宙における生命の研究につながるパンドラの箱が開かれました。

これ以降、現在(2013年1月)に至るまで、有力候補も含めると3500個以上の系外惑星が発見され、地球外生命の問題に科学的にアプローチすることが可能になっています。とりわけ、2009年に打ち上げられたケプラー衛星の成果は目覚ましく、間接法ながら惑星の影として捉えられた惑星候補は2700個を超え、地球サイズの惑星も発見されています。

現在では、系外惑星を間接的に検出するだけでなく、画像として直接に捉えることができるようになりました。ただし、間接法と比べると直接法は技術的にも難しく、その例はまだ非常に限られています。このように、「第二の木星を直接に写し、精査すること」が当プロジェクト室の現在のミッションのひとつです。

ハワイ・マウナケアから見た宇宙 3/3  

・・・https://youtu.be/LSMUc5HPa9M・・・

プロジェクト室について

太陽系外惑星探査プロジェクト室は、ハワイにあるすばる望遠鏡にオリジナルな観測装置(HiCIAO)を開発し、明るい中心星のすぐそばにある、極めて暗い系外惑星や中心星の周りにある円盤(星周円盤)の直接観測を行っています。この観測(高コントラスト観測)によって、巨大惑星や惑星の誕生現場である星周円盤を探ります。

そして、赤外線を用いた超精密分光器(IRD)を開発し、われわれの近くにある「第二の地球」の検出を目指します。これは、ケプラー衛星では発見できない、太陽近くの地球型惑星を軽い恒星の周りに発見することができます。

さらに、将来の巨大望遠鏡(TMT)あるいは将来の宇宙望遠鏡計画(SPICA、TPF)のための系外惑星探査装置を開発し、「第二の地球に生命を求める」というステップに到達する研究を推進します。

このような研究・開発を通して、私たちは、宇宙で私たち人類は特別な存在なのか、それとも、生命が育まれているような第2の地球は存在するか、という問いに答えたいと考えています。

銀河系 2000億個の大集団 1/4

・・・https://youtu.be/dzfC-ZWbIMg・・・

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めくるめく知のフロンティア・学究達 =107= / 田村元秀(05/11)

2020-10-11 06:08:16 | 浪漫紀行・漫遊之譜

太陽系の外にある惑星はどんなところなのか そして、生命は存在するのだろうか

私たちは孤独なのか それとも、地球外に仲間はいるのだろうか

国立天文台のすばる望遠鏡を使って挑む

太陽系外惑星探査プロジェクト室 田村元秀

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=藤谷清美(国立天文台) & イラスト・史料編纂=涯 如水)

田村元秀 : 第三回 かつて太陽は連星だった!? =1/2= ◆◇

 すばる望遠鏡では、コロナグラフと補償光学装置を使って、太陽系外の惑星を直接観測できるようになった。このことの凄みは、初回に説明した。なにしろ、きちんとした像として、惑星を捉えるわけだから、引き出せる情報量が増すし、あらゆる意味で説得力が違う。

 それに加えて、もうひとつ直接観測のメリットがある。主星を見るだけの間接的な観測法では絶対に分からないこと。つまり、惑星のあるなしに関わらず、主星の周囲の状態を観察できるということだ。

 と書くとなんだかややこしいが、要するに、これまで観察されたことがなかった「恒星のまわり」には、興味深いものがたくさんある、のである

 とりわけ、まだ惑星ができる前の状態、つまり、いわゆる“原始惑星系円盤” の観測は、田村さんの研究チームの主なテーマのひとつになっている。これも、すばる望遠鏡が、世界に先んじて、成果をあげている分野だ。

「ほかの望遠鏡ではこんな画像は撮れないというのが撮れるようになってきています。以前のCIAOやこれまでのコロナグラフでは、主星のまわりに“原始惑星系円盤”があって、その外側に模様があるという程度は見えていたんです。HiCIAOでは、いろいろな恒星のまわりの円盤で、隙間があったりとか、濃いところ、薄いところがあるとわかってきています」

 “原始惑星系円盤”とは、若い恒星の周囲を取り巻く濃いガスが回転してできるもので、そこから惑星が生まれてくると考えられている。

 ぎょしゃ座AB星と呼ばれる年齢100万年程度の若い恒星のまわりの画像を見せてもらった。

 2004年に前代のCIAOで撮影したものと、現在のHiCIAOで撮影されたものでは、まったくディテールが違う。内リングと外リングと二重のリングがあり、その間にギャップがあるのも見て取れる。ギャップの位置に巨大な惑星ができているかもしれない、というのが田村さんのチームの見立てだ。100万年の若さの星にすでに惑星が出来ているとしたら、これまで1000万年以上はかかるとされていた惑星形成モデルに新たな課題が出されたことになる。

・・・・・・明日に続く・・・・

■□参考資料: 系外惑星とは何か?(1/2) □■

系外惑星とは何か?

太陽系の外にある恒星を周回する惑星を、太陽系外惑星(系外惑星)と呼びます。


確実な系外惑星は1995年にペガスス座51番星の周りで初めて発見されました。中心星をわずか4日程度で一周する、木星の半分ほどの重さの系外惑星でした。中心星との距離が近いため表面温度は1000度を超える灼熱の惑星で「ホットジュピター」と呼ばれます。


ホットジュピターの他にも、楕円を描きながら恒星を周回する「エキセントリックプラネット」や、地球の数倍程度の大きさの「スーパーアース」など、太陽系のどの惑星とも似ても似つかないものも数多くあり、発見された個性的な系外惑星たちは、私たちに多様な姿を見せてくれています。


当プロジェクト室で進めている直接観測(後述)もまた、太陽系の惑星とは異なった姿をもつ惑星を発見しています。これらは、木星の数倍〜十数倍もある巨大惑星が海王星よりも遠くにある惑星系です。

系外惑星探査の意義

この広い宇宙の中で、で私たち人類は特別な存在なのでしょうか? それとも、生命が育まれているような第2の地球は存在するのでしょうか?

ハワイ・マウナケアから見た宇宙 2/3  

・・・https://youtu.be/WTgvmev3am4・・・

これは、天文学者の興味だけでなく、多くの方々が広く抱かれる疑問だと思います。事実、地球以外の惑星・生命の探査は古くはギリシャ時代の哲学論争から始まる人類の夢でした。そして、1930年代以降から系外惑星探査の試みがなされましたが、そのことごとくが失敗に終わっていました。

SF小説や映画の世界では様々な宇宙人が想像たくましく描かれましたが、科学の世界では逆に、地球外生命に対して悲観的な見方が支配的になっていたと言えるでしょう。

しかし、生命の母体と言える惑星を太陽系外に求めるプラネットハンティングは1970年代以降、観測技術が飛躍的に向上し、成功への機は熟しつつありました。太陽から地球までは光の速さで約8分ですが、最も近い恒星までは約4年もかかるので、太陽系内の8つの惑星と比べるとはるか彼方にある天体です。

そのような遠方にある系外惑星の検出は、従来の天文観測手法と比べるとはるかに高い性能を要求します。とりわけ、惑星による恒星のふらつきをとらえる分光観測は、間接的な方法ながら最初に惑星検出が可能なレベルまで到達しました。そしてついに、1995年の確実な系外惑星の発見により、宇宙における生命の研究につながるパンドラの箱が開かれました。

原始惑星の巨大衝突

・・・https://youtu.be/Y9aN59dsUUc・・・

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めくるめく知のフロンティア・学究達 =106= / 田村元秀(04/11)

2020-10-09 06:22:41 | 浪漫紀行・漫遊之譜

太陽系の外にある惑星はどんなところなのか そして、生命は存在するのだろうか

私たちは孤独なのか それとも、地球外に仲間はいるのだろうか

国立天文台のすばる望遠鏡を使って挑む

太陽系外惑星探査プロジェクト室 田村元秀

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=藤谷清美(国立天文台) & イラスト・史料編纂=涯 如水)

田村元秀 : 第二回 世界最高の性能を誇るすばる望遠鏡 =2/2= ◆◇

 補償光学装置といっても色々あって、日常生活に一番近いのは、カメラの手ぶれ補正だろう。人が持っているカメラの動きを検知して画像のブレを予測し、レンズや撮像素子を動かすことでブレを打ち消す(補償する)。

 一方、大気の揺らぎは「手ぶれ」とは性質が違うので、別の仕組みが必要になる。

「原理はすごく簡単で、大気が揺らいで星の光が乱されるんだったら、その乱れている様子を測ってやって、乱れた分を計算して補正するんです。最近は、わざと人工的にでこぼこさせられる可変形鏡っていうものが発明されていまして、それをリアルタイムで変形させることで、ゆらぎを打ち消すわけです」

 ちなみに、可変形鏡はもとはといえば軍事技術だったとか。スパイ衛星から地上をみる時にも当然、大気の揺らぎが問題になる。できるだけ細かく解像するために開発されたものが民間にも解禁された。すると天文学者は、それまでの用途とは逆に地上から宇宙を見上げるのに使うようになった、というわけだ。

 ちなみに、この可変形鏡について、すばる望遠鏡では、苦い思い出がある。動作の試験をしている時に、「鏡を燃やしてしまった」というのだ。

「鏡の形を制御するときに電流を流すんですけど、事故で過剰な電流が流れてしまって。電極が鏡の裏に付いてるんですが、そのかなりの部分に大電流が流れて、文字どおり焦げちゃったんですね。これはもう直せないということで、急遽、途中まで作ってあったバックアップを利用して、9カ月ぐらいで復旧したんですが──」

 既製品があるわけではなく、高度な観測を実現するためのR&D(研究開発活動)を行い、研究に投入する最先端の観測所ならではのエピソードだ。

 コロナグラフと補償光学装置、これらを組み合わせることで、主星を隠して周囲の惑星をさがすことができるようになる。

 ちなみに、現行のコロナグラフHiCIAOは、大きな主鏡を持つ望遠鏡に取り付けるものとしては、小さな印象の「箱」だ。前代のコロナグラフCIAOは、もっと大きかったそうで、性能の向上も小型化も(実は低価格化も)同時に実現したすぐれものである。

 ぼくにとって非常に印象深かったのは、こういった観測装置の更新によって、既存の大型望遠鏡もどんどん進化するという点だ。すばる望遠鏡自体の運用が開始したのが1999年。すでに12年目で干支が一回りしているわけだが、観測性能は随時アップしている。これは、アメリカのパロマー天文台の5メートル級望遠鏡が、初観測から60年以上たった今も現役であることを考えると全く不思議ではない。すばる望遠鏡は、まだまだ進化する。

次回は“かつて太陽は連星だった!?”に続く・・・・

■□参考資料: 人類の宇宙観を劇的に変えた3人(2/2) □■

【ノーベル物理学賞】人類の宇宙観を劇的に変えた3人。宇宙誕生初期の解明と太陽系外の惑星の発見 ≪2/2≫

 惑星の常識を覆した「ホットジュピター」

またマヨール博士らが発見した惑星が、太陽系には存在しないタイプの惑星だったことも多くの科学者たちを驚かせた。

太陽系には、太陽の近くに地球のような岩石でできた小さな惑星があり、太陽から離れた場所に土星や木星といったガスでできた巨大な惑星が存在している。しかし、マヨール博士らの観測で発見された惑星は、木星のようなガスでできた巨大な惑星でありながら、恒星のすぐ近くにあり、さらに恒星の周囲をたった4日程度で一周(公転)してしまうものだった。

人類はそれまで、太陽系の中の様子を基本として、惑星の形成過程やこの宇宙のあり方を考えてきた。しかし、太陽系の内部に存在する惑星とまったく異なる惑星が発見されたことで、人類がそれまでに思い描いていた惑星像が大きく変わってしまったのだ。

ハワイ・マウナケアから見た宇宙 1/3  

・・・https://youtu.be/A2v8OQ4Io0E・・・

系外惑星の発見ラッシュ。時代は生命の探索へ

マヨール博士らによる系外惑星の発見の後、今日までに、4000個を超える系外惑星が確認された。

今では、地上や宇宙に存在する数々の望遠鏡を用いて、系外惑星の中から生命の痕跡を探し出す試みも、いよいよ始まろうとしている。

一方で、現代の宇宙論をもってしても、宇宙についてまだ分かっていないことは多い。これはつまり、系外惑星の発見によってそれまでの宇宙の常識が突然覆されたように、今の世界の常識が、ある日突然覆される瞬間に立ち会える可能性がまだ残っているということでもある。

2019年度のノーベル物理学賞は、まさに人類の宇宙観を大転換させ、宇宙論や天文学を新たなステップへと進めた功績に与えられた。そして同時に、未だ終わりの見えない宇宙物理学の奥深さを、世の中に伝えてくれたのではないだろうか。

地球と似た、2つの地球型外惑星「ケプラー186fとケプラー62f」

・・・https://youtu.be/7I0Okk23AJY・・・

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めくるめく知のフロンティア・学究達 =105= / 田村元秀(03/11)

2020-10-07 06:14:34 | 浪漫紀行・漫遊之譜

太陽系の外にある惑星はどんなところなのか そして、生命は存在するのだろうか

私たちは孤独なのか それとも、地球外に仲間はいるのだろうか

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太陽系外惑星探査プロジェクト室 田村元秀

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田村元秀 : 第二回 世界最高の性能を誇るすばる望遠鏡 =1/2= ◆◇

「コロナグラフ」と「補償光学装置」によって、太陽系外惑星の直接観測が可能になると前回書いた。

 この点において、日本のすばる望遠鏡は、世界最高の性能を誇っている。

 では、「コロナグロフ」「補償光学装置」とはなにか。

 まずは、コロナグラフ。もともとは、皆既日食の時にしか観測できない太陽のコロナ(太陽から噴き出す電子などが出す光)を望遠鏡で観測するために考えられた。太陽を皆既日食のように覆う円盤を望遠鏡に取り付けて強すぎる光を遮り、まわりのコロナが見えるようにするものだ。それと同じ原理で、遠い恒星の光を遮蔽して、近辺にあるかもしれない惑星候補をさがす。田村さんはこんなふうに表現した。

「明るい灯台があるとします。あえてその横にホタルを置きましょう。実はわたしたちは、そのホタルのほうに興味がある。灯台の光がこっちを向いてるときはどうしようもないので、灯台の光が横を向いて暗くなったときに観測すればいい。これは日食の時の観測と似ているわけです。実はすばる望遠鏡で普通の星を観測したら、非常に明るくなってしまって、この場合の灯台や太陽を見ているようなものなんですよ。だから、明るい恒星を隠してしまおうということなんです」

 すばる望遠鏡のコロナグラフは、HiCIAO(ハイチャオ)という愛称で呼ばれている。前代のCIAO(チャオ)の後継機だ。つまり、系外惑星の直接観測も、すでに第二世代に入っているということでもある(本当に油断も隙もあったものではない)。

「透明な基盤の上に蒸着した金属の膜で遮蔽します。見た目はごく小さな黒い膜ですね。基盤の上の大きさでは10ミクロン精度が必要ですし、角度でいうと0.3秒角とか0.2秒角くらいなんです。日本の非常にいい条件のところで夜空を見たときに、星が多少瞬いて見える。あのサイズが1秒角。それよりも小さい部分だけを隠すことができるんです」

 ここで、え? と思った読者は鋭敏だ。

 星々の瞬き、つまり、大気の揺らぎの影響が1秒角分あるなら、0.3秒角や0.2秒角といった小さな所を隠しても、意味がないのではないか。星像がぶれた分、光が漏れてしまうのでは?

 これをなんとかするのが、補償光学装置だ。

・・・・・・明日に続く・・・・

■□参考資料: 人類の宇宙観を劇的に変えた3人(1/2) □■

【ノーベル物理学賞】人類の宇宙観を劇的に変えた3人。宇宙誕生初期の解明と太陽系外の惑星の発見 ≪1/2≫

我々人類は、はるか昔から空を見上げ、この宇宙の姿や地球というかけがえのない存在について思いをはせてきた——。

10月8日、ノーベル財団は2019年度のノーベル物理学賞を、プリンストン大学教授のジェームズ・ピーブルス博士、いずれもジュネーブ大学教授のミカエル・マヨール博士とディディエ・ケロー博士の3人に授与すると発表した。

宇宙誕生初期を予測した宇宙理論の専門家

ジェームズ・ピーブルス博士は、宇宙の構造や歴史について理論的な研究を行い、現代宇宙論の基礎の構築に貢献したことが受賞理由だ。

約138億年前に宇宙が誕生した直後、宇宙は超高温・高密度の火の玉のような状態だったと考えられている。火の玉状態の宇宙は膨張しながら少しずつ冷えていき、原子が誕生し始めた。そして宇宙が誕生してから約40万年後、「宇宙マイクロ波背景放射」と呼ばれる特徴的な光が宇宙全体に広がった。この光は、現在でも宇宙の四方八方から地球へと降り注いでいる。

これがいわゆる「ビッグバン理論」で予想される、宇宙の歴史だ。

東京大学教授で天文学を専門とする田村元秀博士は「ピーブルス博士は、こういった宇宙誕生初期の様子を理論的に予測するうえで、多大な功績を残した方です。宇宙理論の専門家の中で目立った功績を挙げた方はたくさんいますが、総合的な功績の大きさが今回の受賞につながったのではないでしょうか」と話す。

すばる望遠鏡誕生

・・・https://youtu.be/kRs8uYgrd4A・・・

50光年先の天体の動きを観測し、系外惑星を発見

一方、ミカエル・マヨール博士とディディエ・ケロー博士は、人類史上初めて「系外惑星」を発見したことで知られている。系外惑星とは、太陽系の“外側”に存在する恒星(みずから光り輝く星)の周囲にある惑星だ。

マヨール博士とケロー博士は1995年10月、フランスのプロバンス天文台で、地球から約50光年離れた場所にある「ペガスス座51番星」という太陽によく似た恒星を観測。恒星のわずかな動き捉える「ドップラー法」という手法を用いて、その周囲に系外惑星が存在することを確認した。

前出の田村博士はこう話す。

「例えば、ハンマー投げをしている人がいたとします。ハンマーをぐるぐる回しているとき、中心でハンマーを回している人は多少ふらつくはずです。実は、恒星の周囲に惑星があると、ハンマー投げをしている人と同じように恒星もわずかにふらつくのです。マヨール博士らは、約50光年離れた場所にある恒星が、秒速十数メートル程度で揺らいでいる様子を確認することで、その周囲に惑星が存在することを立証しました」

・・・・・・明日に続く

宇宙創生から現在まで

・・・https://youtu.be/K4RwCObSllE・・・

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めくるめく知のフロンティア・学究達 =104= / 田村元秀(02/11)

2020-10-05 06:17:43 | 浪漫紀行・漫遊之譜

太陽系の外にある惑星はどんなところなのか そして、生命は存在するのだろうか

私たちは孤独なのか それとも、地球外に仲間はいるのだろうか

国立天文台のすばる望遠鏡を使って挑む

太陽系外惑星探査プロジェクト室 田村元秀

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田村元秀 : 第一回 系外惑星候補の撮影に成功! =2/2= ◆◇

 ビジュアル的には拍子抜け?

 とんでもない。田村さんが語ってくれた、系外惑星をめぐるすばる望遠鏡の成果は、冒頭に書いたように、視覚的なイメージ喚起力を伴ったものだった。

 なにしろ、すばる望遠鏡による系外惑星探査のウリは「直接観測」なのだ。後述するある工夫によって、太陽系から遠くはなれた別の恒星のまわりの惑星を「直接」見ることができる。

 ちょっと回り道になるが、田村さんに「間接」から「直接」への流れを語ってもらおう。それをしておかないと、すばる望遠鏡の発見の意味も凄みも分かりにくい。

「1995年、スイスのジュネーブ天文台のグループが、ペガスス座51番星に木星クラスの質量を持った惑星があるのを見つけました。それがマイルストーンだったんです。惑星自身を直接見るのは難しいので、ドップラー法での間接的な観測です」

 主星のまわりを木星クラスの天体が回っていると、主星もそれに引っ張られて振動する。その振動のせいで、地球からみて主星の光の波長が微妙に変化する(つまり、色が変わる)。周期や振動の大きさを示すことで惑星の存在や質量、公転周期などが推定できる。

 この発見によって、天文学者の共通認識が変わった。

「系外惑星探査が科学として成り立つとわかって、すごい勢いで研究が進み始めたんです。それからまだ15~16年なので、科学としては本当に新しい。天文学自体は非常に古い、それこそ医学と同じぐらい古い学問だといわれているんですが、その中では、飛び抜けて若い分野です」

若いなりに、いや、若いがゆえに、観測の方法の洗練もどんどん進み、成果もあがっている。2010年までにみつかった系外惑星は500を超えた。そして、21世紀になってからの新展開として、間接的にではなく、直接的に系外惑星を「見る」方法が工夫されるようになった。田村さんが、当たり前のように「これが惑星です」と画像を指させるようになった背景には、「若い科学」の急速な発展がある。

「わたしたちの直接観測の成果で、太陽から海王星と天王星くらい離れた距離に、木星質量の10倍ほどの惑星候補が見つかりました。これまで比較的多く見つかってきた主星に近く熱いホットジュピターと呼ばれるタイプの巨大惑星ではなく、表面温度は摂氏330度と相対的に低いです。G型の主星のまわりでこれだけはっきりと惑星候補が写し出されたのは初めてでした。温度が低いというのは、ハビタブル(居住可能)な惑星に近いというのも重要な点です」

 我々の太陽と似たG型恒星のまわりに、はっきりと惑星候補を捉えたという点で、そして、「生命が居住可能」な環境に近いという点で、学術的にも、一般にも、インパクトのある研究になったという。米TIME誌が選定する「2009年の重大な科学発見トップ10」にも選ばれた。

 では、このような「直接観測」のためには、どのような工夫が必要だったのか。

 答えは、「コロナグラフ」と「補償光学装置」だ。これらについては、次回。

次回は“第2回 世界最高の性能を誇るすばる望遠鏡”に続く・・・・

■□参考資料: 大型光学赤外線望遠鏡 (2/2) □■

大型光学赤外線望遠鏡の直径8.2mに対して厚さが20cmしかない反射鏡の精度を維持するために、動的支持装置 (Active Support) を搭載している。この支持装置は、鏡面精度を常に 100 nmの桁に保つための装置である。コンピュータで制御された261本のアクチュエータにより主鏡を裏面から支持することで、望遠鏡の姿勢変化による主鏡の変形を0.1秒に1回の頻度で自動的に微調整している。

地球大気の乱流などもっと速い変動に起因する星像の揺れを実時間で直す装置(補償光学: Adaptive Optics)は2000年12月よりカセグレン焦点に設置されている。これにより近赤外線では回折限界 (Diffraction limit) に迫る星像が得られている。さらに赤外ナスミス焦点に人工星(レーザーガイド星)を使った更に高精度な補償光学系を開発し、2006年10月にファーストライト(初観測)に成功した。

これらの技術によって天体の解像度の高い画像を得るとともに、遠方にある微かな光を放つ銀河や星雲などの観測性能を大幅に向上させる。

隣の星に生命を探せ! 系外惑星とブレイクスルー・イニシアチブ

・・・https://youtu.be/hn5wVUpQj98・・・

性能

◎方式:光学式リッチー・クレチアン式望遠鏡/ナスミス式望遠鏡

◎望遠鏡設置場所 / 緯度 北緯 19度49分43秒 経度 西経155度28分50秒 海抜 4,139m

◎架台 / 架台形式 経緯台

◎望遠鏡本体 / 高さ:22.2m 最大幅:27.2m 重量:555t

◎主反射鏡 / 有効直径:8.2m 厚さ:20cm 重量:22.8t 素材:ULE(超低膨張ガラス) 平均表面研磨誤差:14nm 焦点距離:15m

◎焦点 / 主焦点F値:2.0(収差補正光学系を含む)=焦点距離16,400mm カセグレン焦点F値:12.2=焦点距離100,000mm ナスミス焦点F値:12.6(望遠鏡本体の左右に2つ)=焦点距離103,320mm

◎ドーム / 望遠鏡連動円筒型エンクロージャ  高さ:43m 基本直径:40m 重量:2,000t 全体はアルミニウムパネルで覆われている。

研究室の扉「第二の地球探しのための新観測装置が稼働」田村元秀教授

・・・https://youtu.be/g1cj2MYw5v8・・・

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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めくるめく知のフロンティア・学究達 =103= / 田村元秀(01/11)

2020-10-03 06:09:12 | 浪漫紀行・漫遊之譜

太陽系の外にある惑星はどんなところなのか そして、生命は存在するのだろうか

私たちは孤独なのか それとも、地球外に仲間はいるのだろうか

国立天文台のすばる望遠鏡を使って挑む

太陽系外惑星探査プロジェクト室 田村元秀

【この企画はWebナショジオ_“日本のエキスプローラ”/研究室にいって来た”を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=藤谷清美(国立天文台) & イラスト・史料編纂=涯 如水)

田村元秀 : 第一回 系外惑星候補の撮影に成功! =1/2= ◆◇

 これ(上図左図参照)は、2009年8月の観測データです。地球に似た星のまわりを近赤外線で撮影したもので、こことここ、2カ所に惑星候補があります」

 国立天文台准教授で太陽系外惑星探査プロジェクト室長の田村元秀さんが、ぼくに示しているのは、こと座の方向50光年のところあるGJ758という星の周囲を撮影したという画像だ。指先にはたしかにはっきりと、粒だった小さな星、惑星らしきものが2つ写っていた。

 ぼくはめまいを感じた。50光年という、わりと近い距離とはいえ、別の星の惑星が「見える」時代になったのだなあ、と。

 この大宇宙のとある局所銀河群に、我々の銀河系があり、その一つの腕(オリオン腕)に我々の太陽系がある。太陽系の内側から3番目の惑星軌道を周回する「地球」は居住可能(ハビタブル)な条件を備えており、我ら人類をはじめ、おびただしい種類の生命を宿している。

 では、太陽以外の恒星ではどうか。太陽系以外にも惑星があって(太陽系外惑星、あるいは、単に系外惑星ともいう)、そのうちのいくらかは、「居住可能」であり、生命を宿し、時には知的生命体すら生みだしているかもしれない。

 と述べると、狭義の「科学」をはみ出して、SFの世界であると感じる人がいるかもしれないし、「科学者たちの真面目な異星人さがし」ともいわれるSETI(地球外知的生命体探査)を思い出す人もいるかもしれない。ぼく自身、SETIを扱った小説を2002年に書いており(出版は2003年)、その際には系外惑星探査についても調べ、魅了された。

 その時の知識では、太陽系外の惑星を直接「見る」のは難しいので、まずは主星(恒星)をよく観察し、その前を惑星が通ったときにほんの少し暗くなるのを捉えたり(トランジット法)、大きな惑星の公転に主星が引きずられ振動するのをわずかな波長の変化として捉えたり(ドップラー法)、惑星が引き起こす間接的な現象を見つけるのが、普通だった。これらの方法は直接惑星を見ないので、「間接法」と呼ばれる。

 それが今や、「間接」ではなく、文字通り「目に見える」直接的な方法で、系外惑星が探査されているというのである。本当にこの分野は日進月歩で、油断も隙も(?)あったものではない。

 日本のすばる望遠鏡(口径8.2メートルの光学望遠鏡で、ハワイのマウナケア山に設置)は、この系外惑星の直接観測について、第一線の大きな成果を出し続けている。その中心人物が、国立天文台の太陽系外惑星探査プロジェクト室長、田村さんなのである。

 国立天文台は東京都三鷹市にある。天文台というからには、どーんと大きな天体望遠鏡があって観測を行っていると想像されるかもしれない。実際に、太陽の表面の爆発現象(フレア)を観測する太陽フレア望遠鏡や、一般市民のための定例観望会に使われる口径50センチ望遠鏡などがあるし、歴史的に研究利用されてきた様々な観測機器も保存されている。

 とはいえ、ぼくたちが、田村さんと会った「すばる棟」は、ごく普通の事務所が入る建物と変わらなかった。エントランスホールにすばる望遠鏡の模型が置かれていたり、廊下から見える小部屋では研究者や学生がデータを処理するためにパソコンの画面とにらめっこしていたりする程度。観測の現場はハワイ島なので、ここだけを見ると天文台とはかけ離れた印象だ。

・・・・・・明日に続く・・・・

■□参考資料: 参考資料: 大型光学赤外線望遠鏡 (1/2) □■

大型光学赤外線望遠鏡、愛称すばる望遠鏡( Subaru Telescope)は、アメリカ・ハワイ島のマウナ・ケア山山頂(標高4,205m)にある日本の国立天文台の大型光学赤外線望遠鏡である。

1991年1月ファーストライト(試験観測開始)。建設総額は400億円。システム設計・建設のほとんどは三菱電機が請け負った。国立天文台が建設準備を進めていた当初のプロジェクト名は「日本国設大型望遠鏡」(Japan National Large Telescope, JNLT)だった。建設が始まった1991年に望遠鏡の愛称の公募が行われ「すばる」が選ばれた。

主鏡に直径8.2m、有効直径(実際に使われる部分の直径)8.2mという当時世界最大の一枚鏡をもつ反射望遠鏡であった。主鏡はアメリカのコーニングコントラベスに於いて7年以上の歳月を費やして製造された。

サイエンティスト・トーク「地球外生命を探して -太陽系の"三大名所"をめぐる科学の旅」

・・・https://youtu.be/LxqQjZEAqGg・・・

2015年4月時点で世界最大の一枚鏡望遠鏡は、アメリカアリゾナ州にある大双眼望遠鏡で、8.4m鏡2枚の合成直径は11.8m。また分割鏡では、スペイン領ラ・パルマ島ロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台にあるカナリア大望遠鏡(有効直径10.4m)である。

すばる望遠鏡には高度な技術が多数使われている。例えば、コンピューターで制御された261本のアクチュエータにより主鏡を裏面から支持することにより、望遠鏡を傾けた時に生じる主鏡の歪みを補正し、常に理想的な形に保たれている(能動光学)。また、天文台の建物そのものの形状を工夫することで空気の乱れを防ぎ星像の悪化を防いでいる。採用された円筒形のドーム形状は、特に内部からの放熱による乱流を防ぐ観点で、通常の半球形のドームより適しているとの理由によって採用された。

天体の観測は、観測装置のセットアップ以外は、山頂の望遠鏡からのデータを約30キロ離れた、ハワイ島最大の町ヒロにあるセンターで観測者が受ける形で行われる。

・・・・・・明日に続く

田村元秀 天文学専攻 教授 『第2の地球を求めて 太陽系外惑星探査』

・・・https://youtu.be/LoqWZ7eCwG8・・・

 

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