【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

未知なる深海へ 高井 研 =018=

2018-04-15 06:17:48 | 浪漫紀行・漫遊之譜

〇◎ 私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇

= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =

 青春を深海に掛けて=高井研=  

  第一話 実録! 有人潜水艇による深海熱水調査の真実   

◇◆ その4 その瞬間 稲妻が走った =2/3= ◆◇ 

2009年10月のインド洋。高井研を乗せた「しんかい6500」は、いよいよ水深2600mの海底に到着した。熱水噴出孔に近づくにつれ、深海の生き物の密度が濃くなってくる。そして、目の前に現れたのは・・・・・・

観察窓から見える生物で賑やかな海底の風景の遠くに、何か白くて茶色い生物の集団がいる・・・・・・。ちょっと肉眼では見えない。

もう一度、カメラモニターに目を移し、カメラをその生物集団の方に向けて、ズームアップ。「白い貝のようだな。うーんなんだろうな。あんまり見たことがないな。んっ?巻き貝?!なんかウロコみたいなものが見えるぞ?」と心のなかでつぶやく(0.001秒)。

その瞬間、全身に稲妻が走った。キタァァァァァァー!!!!
「スケーリーフットや!!!!!!白いスケーリーフットや!!!!!」

無意識に叫んでいた。興奮してイイジマさんに唾を飛ばしながら、コックピットの床をドンドン脚で蹴飛ばし、自分の太ももを手でバシバシならしながら、叫びまくった。かなり狂ったかのように、わめき続けた(その恥態の一部はこちらをご覧下さい↓)。

(動画:JAMSTEC);   白いスケーリーフット!  /  https://youtu.be/EXn-JP5eb7M

勝った。勝利した。大勝利。ウィーウィン!

一体何に勝ったかって?
うん、それはいい質問だ。なぜかボクは、こういう発見をしたとき「勝った!!!!!」という気持ちが湧いてくる。おかしいかな。いやおかしくはない。

たぶん冒険や研究を進めるとき、いつもボクは、半分は「絶対ボクはまちがいない」という自信に溢れた自分と、もう半分は「もし何も見つからなかったらやばいよな、かっこわるいよな」という不安な自分が、絶対同居しているのだ。そして「自信に溢れた自分がちょっとだけ不安に怯える自分を抑えつけること」によって、なんとかかんとか研究を推進している毎日なんだ。

このえもいわれぬ「勝った!!!!」という感覚は、たぶん、「自分を信じる自分の信念や気持ちが、自分を疑う自分の不安や弱さに、勝ったんだ!」という感覚に根ざしているに違いない。「ざまーみろ、自分」「すげーよ、自分」「天才!!やはり天才」。そういう事だったんだな。

白いスケーリーフットを見つけたことの科学的な意義は、いろんな意味で大きい。

とにかく、広いインド洋の深海熱水には、人類が出会ったことのない未知生物がひっそりと生きているに違いなく、今この潜航調査で目の前に見える深海熱水は、ようやく4つめの熱水にすぎない。4つの深海熱水が見つかったことによって、インド洋独特の進化を遂げた化学合成生物がいくつも見つかっただけでなく、太平洋と大西洋に見つかっていた深海化学合成生物の進化の歴史に光を与えることができたのだ。

そんな熱い想いとは裏腹に、ヤナギタニさんのベタ付け駐車がマゴマゴしている。やばいぞやばいぞ「イラッ感」がわき起こってきた。ヤナギタニさん「なんかねー。うまく行かないんですよぉー。モゴモゴ」と弱音を吐く。

=補講・資料=

しんかい6500・その一(1/3)

 しんかい6500は、独立行政法人海洋研究開発機構が所有する大深度有人潜水調査船。2012年現在、世界で2番目に深く潜れる、運用中の潜水調査船である。「しんかい2000」の運用実績をもとに1989年に完成し、2002年11月には「しんかい2000」が運用休止となったため、日本で唯一の大深度有人潜水調査船となっている。

1989年1月19日、進水式が行われ、一般公募により「しんかい6500」と命名された。1990年」に母船を含むシステムが完成、翌年」より調査潜航を開始。日本近海だけでなく、太平洋や大西洋、インド洋などで、海底地形、深海生物などの調査を行っており、2007年には通算1000回目の潜航を達成した。

しんかい6500は、その名称が示す通り、6,500mまでの大深度の潜水調査を目的とし、その主な任務は、

  • 地震地殻を構成するプレートの沈み込み運動、マントル中のプルーム運動など地球内部の動きの調査
  • 深海生物の生態系、進化の解明
  • 深海生物資源の利用と保全に向けた調査
  • 海底に堆積した物質、海底熱水系の調査を通した地球の熱・物質循環の解明

と位置づけられている。

自然科学調査を主目的とするフランス、自然科学および軍事を目的とするアメリカなどが保有する大深度有人潜水調査船を上回る6,500mという目標性能が設定されたのは、日本が世界有数の地震国であり、上記任務のうちでも巨大地震予知に関連するプレート運動の観測が重視されたためである。 日本列島の太平洋側海溝で沈み込む海洋底プレートは、およそ水深6,200〜6,300m付近で地中へ沈降を始めており、地震予知の研究にはそれら地点の重点的観測が必要と考えられている。

しんかい6500の運用には、その支援母船として同時期に「よこすか」が建造され、しんかい6500はこれに積載されて調査海域まで運ばれる。「よこすか」はしんかい6500の整備施設のほか、収集したデータ・資料のための研究設備も備える。運用上しんかい6500の潜航時間は8時間と定められており、水深6,500mまで潜る場合は片道の潜航時間に約2.5時間必要であるため、水深6,500m地点での調査時間は約3時間となる。調査深度がこれより浅い場合は、調査時間を長く取ることができる。よこすか-しんかい6500間の通常の通信は音波によって行われるが映像は10秒に1コマしか送信できない。

イラスト:

・・・・つづく・・・

動画 : 「しんかい6500」海底調査の1日

https://youtu.be/nWzz3DzuFcw  

=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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