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ぐーたら専業主婦の引きこもりブログです(笑)

【宝塚】雪組『ドン・ジュアン』感想(ネタバレ含)

2016-11-15 13:13:23 | 宝塚歌劇
ブログの更新自体久々ですが…

宝塚ネタ

雪組2番手男役・望海風斗率いる『ドン・ジュアン』の感想です
もちろん生で観に行ける訳もなく、DVDを妹に借りました

では早速あらすじと感想。

スペイン貴族ドン・ルイの息子ドン・ジュアンは
高貴な家に産まれながら、女遊びに耽り
自分で勝手に結婚したエルヴィラも捨てて放蕩三昧
  
 

ある日、女遊びの一環として、騎士団長の娘に手を出した時から
運命が大きく変わる。娘を汚されて怒り狂った騎士団長は
ドン・ジュアンに決闘を申し込む。ドン・ジュアンが勝利するも
騎士団長殺しとしてますます悪名高くなるドン・ジュアン…


そしてドン・ジュアンに殺された騎士団長は亡霊となり
ドン・ジュアンにことあるごとに付きまとい
「お前は愛によって死ぬ」と呪いの言葉を突きつける。
 

騎士団長殺しのドン・ジュアンの罪を風化させないために、と
騎士団長の彫像を広場に立てようという話になり、
彫像作りには彫刻家マリアに白羽の矢を立てられる。
マリアには婚約者ラファエルがいて、ラファエルは徴兵され当分の間遠い戦地へ。
ラファエル演じる永久輝せあの超絶美形ぶりに、目が釘付け
  
彫刻の仕事が大好きだというマリアに対し、ラファエルは彫刻の仕事に反対しており
戦場から戻って来たら彫刻家は引退しろ、と半ば強引に決めてしまう。

ドン・ジュアンは来る日も来る日も酒と女に明け暮れていたが…
(↓アンダルシアの美女と踊るドン・ジュアン)
  
(↓エルヴィラを嘲笑うドン・ジュアン)
 
ある日騎士団長の亡霊に導かれるように、騎士団長の彫像の立つ広場へ…
そこで運命的な出会いを果たすドン・ジュアンとマリア。


マリアをひと目見て恋に堕ちるドン・ジュアン。
初めての恋心に戸惑いつつ歌う「エメ(Aimer)」が本当に素晴らしくて
聞き惚れてしまいます…

彫像が完成した除幕式に、非難轟々を覚悟で(←騎士団長殺しの張本人なので)
マリアが来るだろうと、マリアに会いたい一心で、彫像のある広場へ。
当然、騎士団長を殺された恨みを持つ騎士団の騎士達に
つまみ出されそうになり、「マリアに会いに来ただけだ、マリアーー!」と
叫んでたらマリア登場。

そしてマリアは「解ったわ。この彫像があるから、その人(ドン・ジュアン)は
この場にいられないと言うのね。ならばこんなもの要らないわ!!」と
まさかの、自分で彫った彫像をぶっ壊した!!


さすがのドン・ジュアンもこれにはドン引き
「お前は…一体何を考えてるんだ…」
マリア;「解らない。私、解らない…!どうしてこんなこと…!!」
とにかくドン・ジュアンを引き止めたくて衝動的に
自分の作品を壊したマリア。愛を確かめ合う2人。ここで1幕終了。
幸せそうに抱き合う2人の背後に、また亡霊が不吉な影を落としてます…
 

第2幕。
戦場からラファエル帰還。マリアが待っていてくれていると思ったら
そこにはマリアの姿は見当たらず…
ドン・ジュアンの妻エルヴィラから
「マリアは貴方を待ってない。貴方以外の男を愛してしまったから。」と告げる。
この時の永久輝せあのラファエルの表情が本当に絶妙なんです
  
大げさに眉毛を垂れ下げる訳でもなく、
男役のカッコ良さは残しつつ痛々しいほど嘆き、悲しみや怒りが伝わって来る…
当時研5で既にこんな表情が出来るなんて末恐ろしいです

一方。ドン・ジュアンとマリアは幸せの絶頂。
「シャンジェ(Changier)変わる」の言葉通り
1幕のハチャメチャなドン・ジュアンからの変わりようと言ったら…
「庭にオレンジの木を植えよう!鳥が来るんだ!」とか意外にロマンチスト。
  

またラファエルサイド。エルヴィラに「ひとりにしてくれ」と言った後
いきなりステップを踏み出したかと思ったら
「なぜだ!!!!」魂の慟哭のような叫びと酔っ払いヤケクソダンス。
これも、難なくこなしているように見えてすごく難しかっただろうに…
研5にして1つの場面で真ん中に立ち、名場面として成り立っている
  

…からの、ドン・ジュアンに酒場で殴り掛かる!!
 
ここで初めてマリアにはラファエルという婚約者が居たことを知るドン・ジュアン。
ショック過ぎてしばし呆然とした後、ラファエルに決闘を申し込む。
  

この時の「♪決闘だーー!!ラファエーーール!!♪」と歌う時の
巻き舌と気迫が凄くて圧倒されます
全身から嫉妬と憎しみが立ち昇ってる
だがしかし「♪決闘の申し出を俺は恐れはしない!!♪」と
受けて立つラファエルも気迫負けしてない
   

ラファエルとの決闘。剣の腕前は圧倒的にドン・ジュアンが上の筈ですが
亡霊の残した言葉通り、ドン・ジュアンが決闘に負けて死にます。
マリアの愛を永遠に手に入れるために、自らラファエルの剣先に向かって行ったのでした。
  

総じて、望海風斗さんの歌がどれも絶品
これ聴くだけでもこのDVDを観る価値有りです

話だけ読むと、「これマリアが悪いよなぁ…二股だし」とも思うし
ドン・ジュアンは妻がいて女遊びも激しいのに、マリアに元カレが現れただけで
めちゃめちゃ嫉妬するのは不公平ですよね

彩みちる演じるマリアは本当にイヤミがなくて可愛らしい。
でもやっぱり歌が少し弱いし音程が危うい部分あり…。
有沙瞳演じるエルヴィラは美しくて歌も上手で、
ダブルヒロインってことだけど
キャスト逆のほうが良かったんじゃ?とも思ってしまいました。
エルヴィラの扱いがあまりにもひどくて
ドン・ジュアンの妻役なのにストーカーにしか見えなかった…。

ドン・ジュアンって難役中の難役だなぁと思います。
特にエルヴィラとの絡み…望海さん自身もイマイチ咀嚼出来てないのかなぁと…
演出上、仕方ない部分もあると思いますが…。
一幕と二幕であまりにも人格が変わり過ぎて、
見ているこちらは気持ちがついて行かず…。
まぁ、「Changier」の歌の通り、ガラッとマインドが変わったのだから
この演技もわかり易いっちゃわかり易いのですが。

望海風斗さんはこれまでにも色々なクセのある悪役を演じてますが
テリー・ベネディクト、アルカポネ、ブロンソン、加納惣三郎…
そして今回のドン・ジュアン…どれも同じに見えてしまいました
全部器用にこなすけど、イマイチ殻を破り切れてないような、
望海さんならもっと出来るんだろうなぁ、伸びしろまだまだあるだろなぁという印象。
(※素人が勝手に言ってます
それでも歌唱力が本当に本当に素晴らしいので
歌が強いって最高のアドバンテージだとも思ったのでした
舞台評論家の薮下哲司氏がご自身のブログで
「多少のほころびは目を瞑ろうと思えるほど」と書いていたのも納得です。

そして終始不気味なオーラを放っていた亡霊役の香綾しずるさん。
この人あってこその「ドン・ジュアン」。
ドン・ジュアンの運命を大きく狂わせた騎士団長であり、
亡霊となってからはドン・ジュアンに靄のように付きまといながら
語り部のような役割も果たし、時にはドン・ジュアンの影のように動き、
時にはエルヴィラとラファエルに能動的に働きかけて決闘に持って行く、
エリザベートのトートみたいな時もあったりして。
  

そして
これまで贔屓は主に星組だったので、
雪組の組子さんは完全にノーマークだったのですが
永久輝せあさん、今後が楽しみ過ぎます

研5にしてこの存在感、スターオーラ、そして、
「男役の視線」が既に出来上がっている
久々に「見ていて酔える」男役さんに出会えた感じ
画像多めです、すみません
  
    
このブログで何度か書いて来たのですが、
「男役の視線」って本当に大事だし中途半端な人がやると
ただ眉間にシワを寄せただけのオバサンみたいになったりするし
睨めば良いってもんでもなく、客席にカメラ目線すれば良いもんでもなく
適度なサジ加減が必要なんです

ああ、もう…素敵…
姿月あさとさん以来の、私の中では大ヒット

「ドン・ジュアン」の公演中、
早霧せいなさん、彩凪翔さん、月城かなとさん達は「ローマの休日」に出演してたので
番手としては雪組の中で6〜7番手くらいだと思うのですが
この「ラファエル」は大抜擢人事と言えますね。
ソロで歌うシーンも、真ん中に立つシーンも多いし、ヒロインとの絡みもあり
何より主役と対抗する超重要で美味しいポジション。

主役のドン・ジュアンのシーンよりもラファエルの出るシーンばっかり
リピート再生しまくってます

かなり偏りのある感想になってしまいましたがこの辺で

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