偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏911茶臼岳(栃木)阿弥陀如来

2020年05月22日 | 登山

茶臼岳(ちゃうすだけ) 阿弥陀如来(あみだにょらい)

【データ】 1915メートル▼最寄駅 JR東北線・黒磯駅▼登山口 栃木県那須町の大丸温泉▼石仏 ロープウェイ駅と牛ヶ首の中間の弥陀ヶ原、地図の赤丸印▼地図は国土地理院ホームページより▼この案内は拙著『里山の石仏巡礼』(平成18年、山と渓谷社)から転載したものです▼下の写真は、志津の石仏群と姥ヶ原の姥神


【里山の石仏巡礼77】 昭和40年の初め、那須の峰の茶屋から茶臼岳の西側を巻く道には、軌道の残がいであるレールが転がっていた。これがかつて茶臼岳で採掘されていた硫黄を運ぶための軌道だったことを『那須』(中村敬著)で知った。昭和11年に出されたこの本には、いまでは想像もつかない魅力ある登山道がいくつか紹介されていて、それをたどったことがあった。
 一つは三斗小屋宿から茶臼岳に突き上げる御沢沿いの道。三斗小屋宿は三斗小屋温泉の下にある、江戸時代から続く会津裏街道の宿跡で、昭和40年代には廃墟ながらまだ家が数件残っていた。この宿から茶臼への道はかつての信仰の道で、御沢にそって志津・御宝前・姥ヶ原などの秘所があった。いずれも山形の出羽三山の地名を勧請したもので、熊笹に隠れていたこの道は踏み跡がかすかに残る程度、ほとんどが沢歩きだった。しかし志津には信仰の跡を偲ばせる石仏群が眠り、御宝前からは湯殿山のように温泉が湧き出、姥ヶ原には姥神(うばがみ)が鎮座していて、出羽三山そのものの光景が残っていた。
 一つは湯本温泉から直接茶臼岳を目指す道で、『那須』には、湯本温泉から茶臼岳の南にある牛首にある道を辿り、途中弁天や大丸温泉への分岐あたりにある與五右衛門という石段がその入口、とあった。そして道は不動沢の左岸の尾根を登り、沢の源頭にある不動岩を乗り越えて弥陀ヶ原に達する、と記されている。しかしこの石段はいくら探しても見つからなかった。湯本温泉から茶臼岳に一直線に登っているこの道は、上部から下ってみた。踏み跡すらない道にあったのが弥陀ヶ原の石仏群で、見事な阿弥陀如来が多くの石仏を支えるように鎮座していた。阿弥陀が結ぶ印は弥陀定印。那須地方に多い頭上に馬頭を二つも三つも載せる馬頭観音もあった。しかし、さらに下にあるはずの不動岩の不動明王や與五右衛門の石段は、見つけ出すことができなかった。


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