群馬県みなかみ町羽場・広福寺の閻魔王(えんまおう)
広福寺の入口に六地蔵が並び、境内の入口に閻魔王が座しています。どちらも古い石仏で風化が進んでいます。閻魔には「維旹元禄二(1688)」銘。

閻魔王は群馬の沼田やみなかみなどの奥利根地方でよく見かけます。冥界の入口にあって、亡者の生前の罪行を初七日から七日ごとに暴く十王のなかの王です。
仏教では古代神話の冥界の王から、十二天のなかの焰摩天として取り入れられ、人頭杖を持ち水牛に乗る姿に描かれます。江戸時代の仏画集『仏像圖彙』でも人頭杖を持つ姿になっています。これが中国に入ると、死者の集まる山である泰山の神で寿命を司る泰山府君と習合して、十王信仰が成立したといわれています。したがって閻魔王をはじめ十王の姿は道教の道服姿で、これが絵図や石造物にも引き継がれてきました。持物の笏のその一つです。ところで『仏像圖彙』の閻魔は、右手拳で左手は開いて(与願印)います。この姿はここから引用したかは不明ですが、絵図などのほとんどが笏持ちです。木彫の閻魔は笏を取ると拳と与願印になる像が多いです。
広福寺の閻魔は両手で笏を握りしめています。奥利根地方の閻魔のほとんどがこの姿です。
(地図は国土地理院ホームページより)








