笠山(かさやま) 町石(ちょうせき)、猫(ねこ)御札
笠山(かさやま) 町石(ちょうせき)、猫(ねこ)御札
【データ】笠山 837メートル▼最寄駅 東武東上線・小川町駅▼登山口 埼玉県東秩父村白石、地図の黒丸印▼石仏 小川町腰越から笠山への登山道、地図の赤丸印。青丸は大黒天、緑丸は金精様▼地図は国土地理院ホームページより
【案内】 山頂に笠山神社が建つ笠山の登山口は小川町腰越と東秩父村白石の二か所。それぞれ登り出してすぐ笠山神社下社がある。腰越の人の話によると、かつては下社のある所から先は女人禁制だったという。古くは白石にある寺が笠山神社別当だったらしいが、今は腰越の人たちが中心になってお祭りをしているという。
腰越の館集落からの道に町石が置かれている。その初めは館川にかかる橋の手前にある「左笠山 從是四拾貳□ 旹文政八乙酉歳(1825)」。ここから道は川を離れて栗山集落の山の中腹を歩くようになる。その途中の住吉神社前に「十丁目」がある。庚申や聖徳太子や大黒天の石造物もある。町石はいずれも自然石に丁目だけ彫られた簡単なもので、欠けたものが多い。いまはこの道を歩く人もなさそうである。栗山集落はずれの金精様が祀られた延命堂の先に「笠山参道」の石碑があり、下社はその上。簡素な社殿が建つ。「右ハ笠山道」の道標から笠山への登山道となり、途中に「三十丁目」「三十二丁目」「三十三丁目」があった他は見つけ出せなかった。
上写真は、道中にあった住吉神社の大黒天と延命堂の金精様。

【独り言】 猫御札 5月3日の笠山神社の祭礼に猫の御札を出すというので、出かけました。白石集落から歩き出したときは小雨模様でした。「祭礼は午前10時から山頂の社殿で行われ、天気次第で早々に終わってしまう」と、問い合わせていた小川町役場から連絡をいただいていたので、急いで登りだしました。白石集落の下社を見て、尾根にでたころ祭礼を知らせる花火が上がり、その空は幸運にも晴れ間がのぞいてきました。山頂の笠山神社に着くころ二度目の花火、これは祭礼開始の花火か……、どうにか間に合いました。狭い社殿で神主の祝詞、続いて氏子たちの玉ぐし奉奠。狭い境内で祭礼を見ていた猫の御札が目当ての私たちも一緒に玉ぐし奉奠し、お神酒と赤飯と参拝記念の笹をいただいて、猫の御札の頒布が始まりました。猫と神社札セットで千円でした。
確かな資料はないのですが、埼玉や群馬の寺社で猫の御札を出し始めた江戸時代末期から明治の初めのころかとみています。輸出品として重宝だった繭を作る蚕の飼育は難しい仕事でした。さらに繭をネズミから守るために猫にすがったのが、猫の御札の始まりのようです。この御札を蚕室に貼ればネズミが寄り付かない。そう思ったというか願ったのでしょう。笠山の御札の版木は二代目だそうで、それもだいぶ使い古したためでしょうか、猫の輪郭がぼけていて、左のひげが出ていない状態です。それでも猫の胸にある繭の形だけは鮮明に刷られて、この猫が繭を守ってくる御札であることを語っています。









