偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏番外 鷲子山(栃木)鳥官

2018年01月12日 | 登山

鷲子山(とりのこさん) 鳥官(ちょうかん)

【データ】 鷲子山 468メートル▼最寄駅 JR烏山線・烏山駅▼登山口 栃木県那珂川町矢又の栃本、地図の黒丸印▼石仏 鷲子山上神社社殿裏、地図の赤丸印▼地図は国土地理院ホームページより
【独り言】 久しぶりに訪ねた鷲子山はフクロウの置物であふれていました。なんでも鷲子山上神社の祭神が天日鷲命(あめのひわしのみこと)で鳥の神様と、神社では案内しています。それによりフクロウが神の使いとして、信仰の目玉に浮上したようです。前に奥多摩・秩父地方のお犬様信仰について紹介しましたが、庶民の信仰はいつも寺社とそこに属する僧・神官・行者が主導し、それに庶民が乗せられたというか、乗ったのは今の昔も変わらないようです。
『日本書紀』の「天の石窟」の項(注)には、「粟国(阿波国)の忌部の遠祖である天日鷲の作った木綿(ゆう=楮の木の皮をむして水に浸し、細く割いたもので白い)で作った幣」との記述があり、これが和紙に通じることから鷲子山も製紙業者の信仰があったようです。天日鷲命は福島の鎌倉岳でも案内しました。
 鷲子山上神社の境内に神社の名称にふさわしい石碑がありました。隷書体で「鳥宦」(鳥の灬の部分が火)と刻された石碑です。初めて見る銘で、どのような目的で造立されたかはわかりませんが、この山に似合う銘です。読みは〝ちょうかんと〟しておきました。「鳥に仕える者」という意味なのでしょうか。
 その脇にある上部に端雲付の日輪月輪、中央に「奉納御神前 請願成就所」の銘があり、下部に蓮華を台座にした二匹の猿が向かい合っている石塔(石碑?)も珍しいものです。側面には「元禄七甲戌(1694)」とあります。日輪月輪は日待・月待・庚申などの石塔に見られ、なかでも二猿が向き合うのは日光型庚申塔の特徴です。しかしこの石塔に「庚申」の銘はありませんし、中央の銘も日待などとは関係ないものです。庚申塔だったものの銘を削って新たに刻したような形跡があるようにも見えますし、そうでないようにも見えます。天台系だった寺社に猿の石造物があることはこのブログの茨城・真弓山でも案内したように、稀に出会います。この鷲子山も天台系だったことは前回の鷲子山で案内しましが、その関係でこのような石碑が造られたのでしょうか……。わからない石造物が並ぶ鷲子山でした。
(注)『日本書紀』昭和46年、中央公論社


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