偏平足

山の石仏と独り言。

石仏548伊豆・青野山(静岡)地蔵菩薩

2021年01月12日 | 登山

伊豆・青野山(あおのやま) 地蔵菩薩(じぞうぼさつ)

【データ】 青野山 544メートル(国土地理院地図に山名無し。下田市青野の北東544.8三角点)▼最寄駅 伊豆箱根鉄道・修善寺駅、伊豆急線・下田駅▼登山口 静岡県松崎町八木山、地図の黒丸印▼石仏 青野山東の峠、地図の赤丸印。青丸は岩樟園▼地図は国土地理院ホームページより

【案内】 南伊豆町青野の北に下田市加増野へ出る峠道があった。国土地理院地図三角点544.8の西肩を通るこの道を下田市のHP「下田街道」では青野道としている。またこのピークを青野山と明記する報告もあるのでそれに倣って青野山とした。
 青野山へは西側の松崎町八木山から蛇石峠道に入り、さらに石仏で知られた高野山への道から沢通しに東へ向かう林道から向かった。この道は下田市と南伊豆町の境界尾根近くまで続いていた。ここまで入れば青野山は近く、尾根までは送電線鉄塔の巡視道を利用した。
 峠の石仏は地蔵菩薩が3体。いずれも風化がひどい地蔵で、並んで北側の加増野方面を向く。首が欠け落ちていた地蔵の台座に「安政七(1860)/青野村/鈴木」銘が残っていた。
 地蔵菩薩は峠にある印象だが、そのような峠は意外に少ない。伊豆のように山や峠に地蔵菩薩が立っている地方は珍しい。その理由はわからないが、湯ヶ島の二本杉峠に立つ地蔵には「六趣能化尊」とあった。六趣は六道、能化尊は地蔵菩薩。あわせて六道に苦しむ衆生を救う地蔵菩薩となる。地蔵は峠をこえる人の安全を護るばかりでなく、地蔵信仰も勧めるため立てられたのだろう。地蔵の功徳談は平安時代から知られ、『今昔物語』巻第十七には32もの例が紹介されている。そこに登場する地蔵のほとんどが子供の姿であった。伊豆の峠の地蔵はどこも、子供が遊んでいるような穏やかな情景である。


【独り言】 青野山へは昨年の1月に、南側の青野集落から入りました。しかし登山口もわからず、山中をうろついているうちにこの山を所有している管理者に出くわしてお咎を受けたことがありました。所有者は東京大学で、青野山の南側一帯が東大の演習林になっていて、入山するには前もって許可を取る必要があるということでのお咎めでした。その場は、知らないで入ったということで特別に無罪釈放となりました。しかし学術調査ならまだしも登山では許可は出せないということなので、今回は裏側の松崎町八木山から入った次第です。

 そのときに見た演習林内の石造物・山の神の石燈籠を紹介しておきます。それは国土地理院地図の「岩樟園」と明記されたところにあったものでした。石燈籠には「山神宮/大正二年/奥山鑛山/鑛夫一同」がありました。樟脳が目的だった山から鉱物が出て、こちらの経営も順調で山の神を祀ったようです。
 ところで樟はクスノキです。岩樟園は、防虫剤やセルロイドの原料の樟脳(しょうのう)を採るクスノキの人工林植栽地の名称でした。一帯に残る石垣はクスノキから樟脳と樟脳油を採取するための施設跡で、山の神は岩樟園の守り神も兼ねたのでしょう。


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