偏平足

山の石仏を訪ねて放浪中。その折々に出会った石仏を案内。

石仏813田代岳(秋田)田代神社

2018年09月19日 | 登山

田代岳(たしろだけ) 田代神社(たしろじんじゃ)

【データ】 田代岳 1177メートル▼最寄駅 JR奥羽本線・早口▼登山口 秋田県大館市早口の薄市登山口(薄市山の家)▼石仏 田代岳山頂、地図の赤丸印。青丸は山の神、緑丸は大日・薬師の神▼地図は国土地理院ホームページより

【案内】 田代山は白神山地の東外れの山。山頂に田代神社がある。田代という名称は、九合目に広がる湿原に散らばる大小の池糖からの命名。この池塘を利用した「作占い」の神事は今も執り行われているという。登山口は大館市の薄市と荒沢などいくつかあり、薄市から登った。このコースは三合目の山の家まで林道が入っている。
 山頂の田代神社は建て替え中で、その前に「田代神社」銘の石祠があった。高さ50センチの小さな石祠で、側面に「明治四十三年 北秋田郡大館町奉納者齋藤竹之助」とある。
 田代神社の神について『田代町史』(注1)から抜粋する(町史では田代山としている)。作占いの神事があるように、田代山は古くから「雨乞いの場であり、作を占い、豊作を祈る場であった」。ここに「慈覚大師が田代山頂に観音の像を納めた」という伝説が語られるようになったのは江戸時代からであった。これは「田代山に白髭大神が出現するまで続く」。白髭大神の出現はよくわからない。作占いは湿原の池塘で行われる。水量見の神の田で水の具合や洪水の有無、稲の神の田で早稲・中稲・晩稲の占い、賽護打ちの神の田で稲の倒状の有無を占うものである。「田代神社」の石造りの小祠は、平成12年に半ば土中に埋もれていたものを発見、掘り出して祀ったものである。
 田代岳の白髭大神については、次回・番外田代山で案内する。
(注)『田代町史 別巻』平成14年、田代町史編集委員会


【独り言】 湿原の石塔 9合目の湿原は広大なもので、一周できるように木道などで整備されています。その二か所に「山の神」と「大日様の神 薬師様の神」の石塔があると、大舘市の案内にあったので探してみました。山の神はすぐ見つかりました。70センチほどの自然石で、倒れているため銘は読めませんが、「田」で始まっていますから「田代山」と想像しました。
 大日と薬師は湿原の先の崖の上の自然石に刻まれていました。「大日貴命 少彦名命」と読めます。これについて『田代町史』には「大日貴命は大日孁貴神(おおひるめむちのかみ)で、天照大神である。小彦名命は医薬の神である」とあります。大日貴命を〝大日様の神〟少彦名を仏教の医薬の仏・薬師と同体として〝薬師様の神〟と案内したことに間違いはありませんが、この神仏混淆の案内にてっきり大日如来と薬師如来の石仏に違いないと早とちりしてしまいました。
 この後、大館市の里山を訪ねました。そこには銘のない自然石を小屋掛けして祀り、薬師神社、大日神社などがあったり、ニンニョと呼ばれている人形の神さまに会ったり、犬神に出会ったりで、いろいろな神仏が祀られている大館市の里山情景を見ました。関東の山の石造物を中心に見てきた眼には、ちょっととまどった大館の里山の神仏を順次案内します。

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