千葉県南房総市千倉の千田・高皇産霊神社の木彫鯉

太平洋に面した千倉町の高塚山の山ぎわには、集落ごとに真言宗の寺が並んでいます。そのなかでひときわ高い山際に建つのが高皇産霊神社です。

一直線の長い参道もこの神社の特徴。二の鳥居の扁額の神社銘は風化していますが、縁を飾る波などの文様はまだはっきり残っていました。扁額ばかりでなく、石造物の台座、寺社の向拝や欄間や柱に凝った意匠を凝らしたのが南房総(安房)の職人たちで、江戸時代末期には波の伊八、石工の武田石翁、宮彫りの後藤義光が安房の三名工として称えられました。
三名工の一人後藤義光(1815~1902)は千倉の宮大工の家の生まれ。若いころは江戸の宮彫師の弟子となり、40代で安房に帰って仕事をしました。弟子の養成にも力を入れ、直弟子の後藤義信、後藤義久、後藤忠明、後藤兵三は後藤一門四天王と呼ばれています。
そのような土地柄ですから、高皇産霊神社の境内に建つ小社の柱には立派な滝登りの鯉が刻まれていました。髭をはやした鯉です。向かった右手の鯉は波から跳ね上がった元気な鯉。左手の鯉の髭は無くなっていてちょっと勢いがありません。
(地図は国土地理院ホームページより)








