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偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏873藻岩山(北海道)三十三体観音の龍頭観音、三面地蔵

2019年09月23日 | 登山

藻岩山(もいわやま) 龍頭観音(りゅうずかんのん)、三面地蔵(さんめんじぞう)


【データ】 藻岩山 530メートル最寄駅 札幌市電・ロープウェイ入口登山口 北海道札幌市中央区旭ケ丘の観音寺石仏 藻岩山山頂の観音寺奥之院、地図の赤丸印。青丸は観音寺地図は国土地理院ホームページより

【案内】 藻岩山の登山口は北山麓の浄土宗観音寺。寺は札幌にある新善光寺の住職が明治14年に開山したもの。寺から山頂までの道筋に立つ西国三十三所観音の石仏は、明治34年に二代住職林玄松上人が先代の意志を継いでの造立である。一番は寺入口に並ぶ石仏群でひときわ大きな如意輪観音。脇に、一番青岸渡寺のご詠歌「ふたらくやきしうつ奈みはみくまのの/なち乃おやまにひ々くたきつせ/昭和四年」の石碑が立つ。観音寺の左手奥から山道になり、観音の石仏が次々に現れる。二番は紀三井寺の十一面観音。台座に番号と奉納者銘があり、ご詠歌銘が入った石柱が並び立つ。脇には小さな石仏が寄り添う。一か所にこの三つの石造物を基本として、山頂の観音寺奥之院近くの三十二番まで続く。

 ここに案内する龍頭観音は三十三所観音とは別の三十三体観音の一尊。観音が現世利益の願いに応じるため姿を変える三十三身のなかの一尊で、龍の背に座す姿に描かれる。藻岩山では、山頂の奥の院に「水かけ観音」と案内されている左手に未敷蓮華(みふれんげ)を持ち龍の背に立つ小さな観音。寺の案内によると、この龍頭観音は昭和48年の奥之院再興時に祀られていた本尊で、平成6年の建て替えのとき、山麓の観音寺にあった龍頭観音と入れ替え、外に出されて水かけ観音として祀られたようである。
 蛇足ながら三十三体観音は、楊柳(ようりゅう)・龍頭・持経(じきょう)・円光(えんこう)・遊戯(ゆうげ)・白衣(びゃくえ)・蓮臥(れんが)・滝見(たきみ)・施薬(せやく)・魚籃(ぎょらん)・徳王(とくおう)・水月(すいがつ)・一葉(いちよう)・青頸(しょうきょう)・威徳(いとく)・延命(えんめい)・衆宝(しゅうほう)・岩戸(いわと)・能静(のうじょう)・阿耨(あのく)・阿麼提(あまだい)・葉衣(ようえ)・瑠璃(るり)・多羅尊(たらそん)・蛤蜊(はまぐり)・六時(ろくじ)・普悲(ふひ)・馬郎婦(めろうふ)・合掌(がっしょう)・一如(いちにょ)・不二(ふに)・持蓮(じれん)・灑水(さんすい)の各観音となる。

 それから、観音寺境内にも大きな龍頭観音があることも付け加えておく。


【独り言1】 藻岩山の道で、毎日32番の観音様まで登って帰えるというおばあさんに出会いました。おばあさんの話では、藻岩山の道には三十三所観音の32番までしかなく、最後の33番は観音寺の境内にあるというのです。帰りに寄ってみると、ありました。聖観音で、台座に「大正十四年/三十三番奥之院本尊」とあります。どうして33番がここにあるのか、おばあさんはわからないというし、奥之院で〝登山参拝記念〟のお札=上写真=を頂いた寺の関係者によると、はっきりしたことはわからないが、山に登れない人も1番から33番までお参りできるように、境内に置かれたのではということでした。



 写真は、このブログで西国三十三所観音を案内するときの定型、上から9番南円堂・不空羂索、11番上醍醐寺・准胝、29番松尾寺・馬頭です。


【独り言2】 三面地蔵 観音寺の境内に新しい三面の地蔵菩薩が立っていました。顔が三つある地蔵です。仏の世界では馬頭観音は三面ですし、十一面観音もあります。像容を決めた儀軌に三面と説かれている明王や天部は沢山ありますので珍しいことではありません。しかし地蔵で三面、それも前と左右後方に顔があるのは初めて出会いました。そうはいっても釈迦が入滅して6億七千万年後に弥勒菩薩が表れるまでの末法の時代に一人頑張る地蔵です。どのような願いにも対応するために働くのが地蔵の役目なのです。かつて『歴史読本』(注)で「日本のお地蔵さま100選」という特集がありました。そこには子育てから延命、火伏・厄除け・交通航海安全・イボ取から歯耳眼その他の病止め・所願成就・商売繁盛などさまざまな願いを担った地蔵100体が紹介されていました。ですから、これらにすべて応えるため360度見渡す三面の地蔵が誕生してもおかしくない昨今ではあります。
(注)『歴史読本』2009年2月号、新人物往来社


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