長柄町水上川流域の大庭・熊野神社の子安大明神
長柄町は千葉県の中央部の街。一宮川の支流水上川流域を訪ねました。
いま盗難防止のため山村の無住の寺社のほとんどは建物の扉を閉ざしてしまい、御本尊・御神体など拝めるところは皆無です。しかし境内に勧請された末社などは施錠されていないので、御本尊・御神体を拝めることがあり、ときには珍しい神仏に出会うこともあります。大庭・熊野神社でも珍しい出会いがありました。
熊野神社の境内にある木祠には、「子安大明神」銘の下に女神が線刻された石塔が祀られていました。

女神は日本神話に登場するような姿。不鮮明な線刻でハッキリしませんが、右手に木の枝を持ち、左手で赤子を抱いているように見えます。
子安の本尊といえば仏像には子安観音があり、地蔵にも子を抱く姿があります。一方神像となると、櫛稲田姫命や木花開耶姫命などです。櫛稲田姫命はスサノオノ命の奥方で、稲田の神ですが、子授け安産の信仰もあります。木花開耶姫命は富士山の神で、子授けの信仰もありました。熊野神社の女神は木花開耶姫命に子供を抱かせたように見えます。
かすみがうら市の東野寺には子安大明神を祀る子安神社(注)があります。祭神は木花開耶姫命で、お札を出しています。それは子供を抱いた木花開耶姫命の姿です。
熊野神社の境内には三峰神社も勧請されていました。

(注)『子安神社―安産・子育ての名社と女人信仰―』かすみがうら市郷土資料館、平成21年度企画展図録
(地図は国土地理院ホームページより)








