リンゴは何色か? そうそこにある赤いリンゴのことである(青リンゴではない)。ほとんどの人は赤だと答える。だがそれは本当だろうか?
・~・~・~・~・~・
私は佐藤優氏の著作が大変面白いのでよく読んではいるが、一連の著作を読むと「ん? これは何だ? 」というようなアラが見えてくる。
例えるなら、好きな映画を何度も見返しているうちに映像のつなぎや整合性におかしな部分が見えてきて「おや? 」と思うところと似ている。
具体的には、「あぶない一神教」P234で、竹中平蔵氏が「新自由主義を推し進めた」というのに対し、「竹中先生、これからの「世界経済」について本音を話していいですか? 」P2では「彼が巷間でいわれているような「アメリカの手先」でも「新自由主義者」でもなく、行動的な知識人であるということだった。」と真逆のことを評している。
敵を作らない、という官僚主義の著者のスタンスからは、上記のやり取りは正しいが、しかし一貫性にかけてしまっているように思えた。
・~・~・~・~・~・
さて、そのような中、別の記述も見られる。とある書籍では中国脅威論を唱えていたのだが、しかし別の書籍を読んで「おや? 」と思った。琉球独立論である。
琉球独立に関しては全く構わない。沖縄は沖縄の思っていること、不満に思っていることを言葉を大にして言うべきである。
ただ、琉球独立論は裏にどうも中国の気配があるというのが、日本右翼の大方の見解だ。
この独立論を言論や思想面から後押ししている人がいる。佐藤優さんその人である。
この方の琉球独立論自体は良いように思う。ただ、直接的な関与はないが、しかしどうにも裏の裏の裏の裏、四枚ほどふすまをかませた奥の院にどうも中国がいる臭いがする。
恐らく佐藤さんは中国側の工作には協力していないだろうし、その意図も無い。但し、中国側のインテリジェンスは非常にユニークだ。人としてのヒューミント、シギント、オシント、コミントから外交政策に影響を与えるのみならず、農業方面で責めてきたように通常の国では取りえない活動をする。
佐藤氏は新聞の論調の流れには逆らわない。興味深いのは、佐藤氏が沖縄の新聞に完全同調して琉球独立論を唱えている場面だ。
それをして中国が間接的にコントロールしているとするならば・・・
これはユニーク、非常にユニークだ。手法として相当優れている。
・~・~・~・~・~・
少年漫画「花の慶次」で、北条に対して「天下の見えぬ抱えすっぱと成り果てたか」と言う場面がある。すっぱ(素破)とは間者(スパイ)のことである。発音は似ているが、言語的な関連はない。
さて、上記の言葉は、天下の行く末を見定めて、主の意地に従うだけでなく、適切な講和工作をせよ、それが本来の素破の役目で、それができずに「天下の見えぬ抱えすっぱと成り果てた」のであれば破滅だ、という嘆息の言葉と私は解釈した。
佐藤氏はこの点で「天下の潮流を用心深く見定めている」すっぱである。中国からも日本からもロシアからもアメリカからもスウェーデンからもドイツからも韓国からも、イスラエルを除く全ての国において適切な距離を置いている。
ただ、それを加味しても、本人の意向とは別に、実態として安全保障上中国に近寄りすぎなのではないのかという危惧がある。
・~・~・~・~・~・
さて、冒頭の赤リンゴは何色か? というとやっぱり多くの人は赤であると一様に答えるだろう。しかしそれは私からしてみれば、一部の正解ではあるけれども、しかし大部分の正解ではない。どういうことだろうか?
リンゴの赤い部分は皮の部分だけで、多くの可食部は黄色がかった白、茎と種の外皮は黒、種の中身は白、という具合に、色の構成比で言えば白が圧倒的に多いのである。
それでなければ、リンゴジュースを絞った結果は赤にならなければおかしいはずだが、実際には白色か黄色のリンゴジュースができあがる。
つまりは、リンゴの実態としては9割以上が黄色がかった白なのであって、外から見えたその外見の赤は1割以下だ。多くの人はその1割以下をもってして、何色であるかを判断している。それでも実態としては黄色がかった白であるということは議論に上らない。
見た目は赤だが、その大部分の可食部は白である。
ものごとは先入観だけではなく、その皮を剥かねば分からないことがある。
・~・~・~・~・~・
私は佐藤優氏の著作が大変面白いのでよく読んではいるが、一連の著作を読むと「ん? これは何だ? 」というようなアラが見えてくる。
例えるなら、好きな映画を何度も見返しているうちに映像のつなぎや整合性におかしな部分が見えてきて「おや? 」と思うところと似ている。
具体的には、「あぶない一神教」P234で、竹中平蔵氏が「新自由主義を推し進めた」というのに対し、「竹中先生、これからの「世界経済」について本音を話していいですか? 」P2では「彼が巷間でいわれているような「アメリカの手先」でも「新自由主義者」でもなく、行動的な知識人であるということだった。」と真逆のことを評している。
敵を作らない、という官僚主義の著者のスタンスからは、上記のやり取りは正しいが、しかし一貫性にかけてしまっているように思えた。
・~・~・~・~・~・
さて、そのような中、別の記述も見られる。とある書籍では中国脅威論を唱えていたのだが、しかし別の書籍を読んで「おや? 」と思った。琉球独立論である。
琉球独立に関しては全く構わない。沖縄は沖縄の思っていること、不満に思っていることを言葉を大にして言うべきである。
ただ、琉球独立論は裏にどうも中国の気配があるというのが、日本右翼の大方の見解だ。
この独立論を言論や思想面から後押ししている人がいる。佐藤優さんその人である。
この方の琉球独立論自体は良いように思う。ただ、直接的な関与はないが、しかしどうにも裏の裏の裏の裏、四枚ほどふすまをかませた奥の院にどうも中国がいる臭いがする。
恐らく佐藤さんは中国側の工作には協力していないだろうし、その意図も無い。但し、中国側のインテリジェンスは非常にユニークだ。人としてのヒューミント、シギント、オシント、コミントから外交政策に影響を与えるのみならず、農業方面で責めてきたように通常の国では取りえない活動をする。
佐藤氏は新聞の論調の流れには逆らわない。興味深いのは、佐藤氏が沖縄の新聞に完全同調して琉球独立論を唱えている場面だ。
それをして中国が間接的にコントロールしているとするならば・・・
これはユニーク、非常にユニークだ。手法として相当優れている。
・~・~・~・~・~・
少年漫画「花の慶次」で、北条に対して「天下の見えぬ抱えすっぱと成り果てたか」と言う場面がある。すっぱ(素破)とは間者(スパイ)のことである。発音は似ているが、言語的な関連はない。
さて、上記の言葉は、天下の行く末を見定めて、主の意地に従うだけでなく、適切な講和工作をせよ、それが本来の素破の役目で、それができずに「天下の見えぬ抱えすっぱと成り果てた」のであれば破滅だ、という嘆息の言葉と私は解釈した。
佐藤氏はこの点で「天下の潮流を用心深く見定めている」すっぱである。中国からも日本からもロシアからもアメリカからもスウェーデンからもドイツからも韓国からも、イスラエルを除く全ての国において適切な距離を置いている。
ただ、それを加味しても、本人の意向とは別に、実態として安全保障上中国に近寄りすぎなのではないのかという危惧がある。
・~・~・~・~・~・
さて、冒頭の赤リンゴは何色か? というとやっぱり多くの人は赤であると一様に答えるだろう。しかしそれは私からしてみれば、一部の正解ではあるけれども、しかし大部分の正解ではない。どういうことだろうか?
リンゴの赤い部分は皮の部分だけで、多くの可食部は黄色がかった白、茎と種の外皮は黒、種の中身は白、という具合に、色の構成比で言えば白が圧倒的に多いのである。
それでなければ、リンゴジュースを絞った結果は赤にならなければおかしいはずだが、実際には白色か黄色のリンゴジュースができあがる。
つまりは、リンゴの実態としては9割以上が黄色がかった白なのであって、外から見えたその外見の赤は1割以下だ。多くの人はその1割以下をもってして、何色であるかを判断している。それでも実態としては黄色がかった白であるということは議論に上らない。
見た目は赤だが、その大部分の可食部は白である。
ものごとは先入観だけではなく、その皮を剥かねば分からないことがある。