アマチュア無線局 JO1KVS

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バランのお話し

2012年06月07日 21時44分10秒 | アマチュア無線

あまり詳しくないので、細かい突っ込みはご勘弁ください。

1:1バランの構造と1:4バランの構造を簡単に表現してみました。

まず比率を決めるのが同軸側とエレメント側のコイルの巻数比の二乗ということ。

1:1なら同数、1:4なら巻数は1:2ということです。

この部分はトランスと同じことです。

平衡不平衡変換はどうしているかというと、平衡とは0Vがど真ん中にある状態で不平衡は0Vが端っこにある状態です。どっちも同じ振幅幅なのですが・・・波の位置が0Vポイントから見ると違います。

同軸の0Vの位置を、アンテナの0Vの位置に合わせるのがこのバランのやっていることです。

 

では最初に1:1バランを見てみましょう。

青が平衡タイプのアンテナのエレメント(ダイポールだと思ってください)。こいつにコイルを付けます。

紫は給電線からのもの。こいつにもコイルを付けます。

同じ巻数のコイルが必要です。

同時に平衡不平衡を直したい。それには同軸の網線つまり0Vポイントを、エレメントのコイルのど真ん中につなぐのです。

ただし1:1だからコイルの量はそれぞれ同じ巻数に。

それを実現するには~~~、そう!!ずらしてつなげれば良いのです。

 

 

はい、1/3シフトしたつなぎ方をすればうまくいきますね。コイルの量はどちらも全体の2/3ずつ。だから1:1。

これを3本の撚線を使ってグリグリ巻いて、こことここをここにつないで~、みたいにやるとこの回路図の通りのバランが出来上がります。

外見はだいぶ違いますが・・・この辺りは工学というよりパズルです。

もちろん一本の芯にコイルをこのように巻いて接続しても動作するはずです。

 

次に1:4バランです。

これも基本は同じですが、エレメント側が比率で4にしたいので、巻数比は1:2ということになります。

エレメント側に2に相当するコイルをつなぎます。

給電側は1に相当するコイルをつなぐのですが、どのあたりにつなぐといいでしょうか。

そう、同軸の網線がエレメントのど真ん中に来るようにすればいい。コイルのど真ん中に同軸の網線がくればいいんです。

 

 

これを2本縒りの電線でこことここをこうつないで~とやると1:4バランの完成となるわけです。

こちらのほうがパズルは簡単ですね。2本縒りでジャストサイズに出来ちゃいます。

 

では4:9バランは?9:25バランは?どうしても同軸の網線をエレメント側のコイルのど真ん中につなぐと芯線の位置が半端な位置になってしまい複数の撚線を使ったバランのパズルは解けません。

一旦1:1や1:4バランで平衡不平衡を変換し、別途トランスで比率を変換するという2段構えでいくか、撚り線コイルの途中からタップを出して比率を合わせることになります。

1:1、1:4の自作例は山ほどありますが、その他の比率が無いのは簡単ではないからなんですね。

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6 コメント

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Unknown (JR2GUI)
2012-06-08 22:41:03
図にしていただくと非常に分かりやすいです。これをトロイダルコアに巻かれた状態で考えようとすると頭がこんがらがってきちゃいます(笑。

0Vの位置がアンテナ側の真ん中・・・なるほど!と目からうろこでした。平衡・不平衡の変換はこういう風にやられていたんですね。この図を見ると1:3など他の比のバランを作るのが難しいというのも納得です。

最近はロンビックアンテナに興味を持ってまして、1:9のバランを作りたいのですが、製作例を見ても上限の周波数が50MHzあたりまでのものしか見つかりません。430MHzなどの高い周波数に対応させるには巻き数の他にも考慮しなくてはいけない因子があるんでしょうか?
1:9バラン (JO1KVS)
2012-06-09 00:20:51
GUIさん
こんにちは!。
コイルの巻数比は1:3で合いますね。
位置を合わせて共巻きにしちゃえばとりあえず出来ますが、コイルの大きさ、巻数、芯材の材質等で周波数特性が変わるようで、その辺の話になるとわからないのですが、パッチンコアに巻いていくのもひとつの方法です。
ロンビックアンテナ、超指向性のアンテナですね。同調タイプではなく進行波タイプでしたっけ。
Unknown (7L1WRK)
2012-06-10 23:45:19
GUIさん、はじめまして。

>最近はロンビックアンテナに興味を持ってまして、1:9のバランを作りたいのですが、製作例を見ても上限の周波数が50MHzあたりまでのものしか見つかりません。

以前、TV受信用にUHFのロンビックを試作した方をWebで見つけました。(http://as76.net/ant/rhombic.php)

実は430用のロンビックは主要部品を用意してあるのですが、どうやって設置するかを検討する途中で2カ月ほど放置しています。
3本よって巻いた線を直列につないで、真ん中のコイルの両端に50オーム側をつなぎ、両端をアンテナ側にしてみようと思っています。これだけだとややアンバランスになるので、具合が悪ければ50オーム側に1対1の不平衡→平衡の変換(430なのでスリーブ型のコアを何個か・・・)をいれることも考えています。
上記のWebではコア2個でやってますね。


10エレ並なんですね (JO1KVS)
2012-06-11 00:27:13
ロンビックアンテナ、10エレ相当なんですね。
面白そうな実験です。
是非やってみてください!
ありがとうございます (JR2GUI)
2012-06-11 23:08:06
7L1WRKさん、はじめまして!コメントありがとうございます。

フェライトコアにも色々種類があるんですね。恥ずかしながらバランはキットを2つほど作ったことがあるだけで、原理については勉強を始めたばかりです(汗。インピーダンス変換にも色んなやり方(巻き方)があるんですね。WRKさんの作製方法も参考にさせていただきます。外観はイメージできたのですが、線の巻き方がすぐにイメージできないのでちょっと紙に書いてみます。

成功をお祈りしています。いつかロンビック同士で交信できるといいですね!


KVSさん、進行波アンテナってところがなんだかマニアックでそそられました(笑。非常にシャープな指向性が得られるようなので、作製できたら富士山ビームやってみたいと思います。
進行波型 (JO1KVS)
2012-06-13 00:05:32
 進行波型がどういう仕組でどんな感じなのか、よくわからないのですが、昔はよくあったみたいですね。
 いろいろ試した結果の報告、お待ちしております。

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