迎え火を焚いて
ご先祖様の霊をお迎えする。
お盆のこの時期にご先祖様が本当に
降りてくるのかどうか私にはわからない。
だけどお盆の風習を受け継ぐことで
祖父、祖母、叔母、父、母との
遠い記憶を手繰り寄せ、思い起こし、
思い馳せる貴重な機会にはなると思う。
迎え火の中に現れる記憶は年を追うごとに
減ってきているような気がする。
でもこういう風習がなければ
もっと減っていたかも知れない。
そういう意味でも貴重な機会なのだと思う。
ご先祖様に思いを馳せている時は
つながりみたいなものを感じ、
心安らかになるから不思議だ。
迎え火が燃え尽きてもまだ
埋もれている記憶を探している自分。
私にはご先祖様はずっと雲の上にいて
365日見守ってくれているように
感じることがたまにある。
そうしたことへのお礼として
カタチに表すのが盆供養なのだろうか。
ご先祖様は馬に乗ってやってきて
牛に乗って帰っていくらしい。
そこには早く会いたいという願いと
安全にゆっくり帰っていただきたいという
気遣いが込められているという。
今日生かされているのはご先祖様のおかげ。
ありがたいことだとつくづく思う。