わたしね、
NESCAFEなんて書いてある
コップでコーヒーを飲みたくないの。
新聞屋さんからもらった
MATSUIってプリントしてある
タオルなんかで身体を拭きたくない。
胸にプレミアムモルツって
でっかく書かれたTシャツなんて
ぜったいに着ないから。
AQUARIUSなんて英語で書かれていても
こんなポーチ、ぜんぜんかわいくない。
銀行の名前が入ったボールペンなんて
わたしが使いたいとでも思ってるの？
壁にかかった信用金庫のダサいカレンダー
こっそり捨てちゃおーっと。
わたし、もう景品とか粗品とかおまけとか、
そういうものってもうウンザリ！
わたし、これからは高級品とか一流品で
身の回りを固めようと思ってるの。
だってそういう物って
わたしを上品に見せるでしょ？
髪だって染めたいしネイルも楽しみたい。
ブランド物のワンピースだって
わたしならきっとお似合いよ。
午後のお茶は広尾辺りでゆっくりと。
映画だって観たいしライブも楽しみたい。
お休みの日は一流シェフの作った
美味しいお料理をお腹いっぱい食べるんだ。
そうね、天気がいい日は
海辺のテラスで詩を読んだり、
絵を描いて過ごしたっていいかも。
もらったものなんかに本当の価値はないわ。
わたしは自分が欲しいものを好きなだけ買うの。
わたしは自分の人生を好きなだけ楽しみたいの。
だからわたし、一生懸命に働くわ。
一生懸命に働いても欲しい物が
すぐに手に入らないことくらい
誰かに言われなくたって知ってる。
それでも一生懸命働くわ。
だって仕事に情熱を燃やす女性って
そういうのもすごく素敵でしょ？
わたしには夢があるわ。
将来、わたしはわたしがなりたい女になるの。
だからね、とにかくもう景品はイヤなの！
この決意を書いている紙は
チラシの裏紙なんだけど
それって、たまたまよ。
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それ、取っておく方がいいよ。
キミならきっと実現できそうな気がする。
