テニスと読書とデッサンと!

愛、空高く。

「ねぇアルタイルさん、あたしたち、

年に一度しか逢えないのに

どうして今日に限って地球人から

ジロジロ見られちゃうのかしら」

「そうだよね。確かにベガの言う通り、

ぼくたち注目されているみたいだけど、

ぼくたちチョー有名だし、てか、

生まれながらにスターだから

しかたないかも知れないよ?」

「あたしはイヤ!誰にも干渉されずに

あなたとこっそり逢瀬したいの。

せっかくロマンチックな夜なのに

なんだかとってもシラケちゃうわ」

「そんなこと言ってもさぁ」

「なんだなんだご両人、オイラがいること、

お忘れじゃありませんかって」

「あっ、カササギさん。

あなたにお願いしたらなんとかなるの?」

「まかせておくんなせぃ。

オイラがちょいと細工して差し上げましょう」

「細工ってカササギ君、もしかしたら

地球をドッカンでもするつもりか?」

「まさか、アルタイルさん。

なーに、簡単なことでございます。

今夜ちょいと地球に雲をかけてあげりゃ、

おふたりさん、思う存分逢瀬を楽しめる。

違いますか?」

「まぁ、なんて素敵なアイデアですこと。

さっそくお願いしたいわ」

「だけどさぁ、地球人だってまんざら

悪気があってぼくたちを眺めてるわけでも

ないんじゃないかって思うんだ。

ほら、仙台とか、平塚とか、あの祭りって

ぼくとベガのために作られた祭りでしょ?」

「あのぉ、もしもーし!オイラの名前が

抜けちゃってますよアルタイルさん!」

「あっ、そうだったそうだった。

君がぼくとベガの間を取り持って

くれてるんだったよね?」

「そうよ、アル!カササギさんに対して失礼よ」

「ベガさん、なんとありがたいお言葉。

おやさしいあなたらしい」

「じゃあ今から空一面を覆う雲をお願いよ!」

「わっかりやした〜!」

「あつ、ほら地球の子どもたちが

短冊になにか願い事を書いてるよ。見える?」

「わっ!ホントだわ。どんな願い事かしら」

「たぶんボクとベガがちゃんと会えますようにって

書いてるんじゃないかな」

「まぁ!地球人ってなんてかわいいのかしら。

カサカギさ〜ん、中止、中止!!

やっぱり、雲、いらないわ」

 

空の上でそういう話の流れになっていれば

今夜はふたりの逢瀬が眺められそうですよ。

18時現在の横浜はほぼ晴天です。


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