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2016-01-19 | 311


朝日新聞特別報道部
『プロメテウスの罠4
 徹底究明!福島原発事故の裏側』★★★★

読み耽る、、

第二十四章 「影」が動いた

こころが震えた。。

これはみんな知らなくちゃいけないって。
(「今さら?」って突っ込まないで)

あぁ雪降って電車の間引き運転に文句つけてる場合?
日常に追われて未だ収束しない原発問題に大きなため息



---



「放射能が毎日あいさつしてくるんだよ。朝はおはよう、昼はこんにちは、夜はこんばんはって」



3月12日午後、原発の町に
「死の灰」が降った



「ドン」という大きな音が響き渡った。
低いが、プロパンガスが爆発したような、腹にこたえる音。
午後3時36分、福島第一原発1号機の原子炉建屋で水素爆発が起きた瞬間だった。

それから2、3分後。空からぼたん雪のようなものがフワリフワリと音もなく落ちてきた。
大きさは五百円玉サイズから握りこぶしほどまで、さまざまだ。建屋の保温材の繊維の塊のようだった。
放射性まみれの塵――。
そのとき周りには、車いすの高齢者や社協職員、自衛隊員、警察官ら100人近くがいた。
その動きが止まった。
だれも言葉を発しない。静寂のなか、「ぼたん雪」は降りしきった。



安全神話は崩壊した



「ここに来るまで無我夢中だった。でも時間ができると、いろいろ考えるようになって・・・・・・」

「日本地図から双葉町が消えてしまうんじゃないか。そんなことも考えるんです」



「帰るところがあるから、旅なんです」



収束って何なのか。自分たちはふるさとに戻ることさえかなわないのに、もう原発事故に幕引きをするつもりか。

おまえの町はもう汚染されてしまった、だから中間貯蔵施設を引き受けてもいいのではないか、政府はそういおうとしているのだ。



帰りたくても、かなわないふるさと。



長い旅は続く



驚いた。
仮設のお年寄りがまず買い求めたのがカップ麺だったからだ。料理をまったく苦にしなかった人たちが、料理をたくさんつくって周りの家々に配っていたような人たちが、カップ麺に手を伸ばす。
衝撃的な光景だった。
「60代、70代の人たちがカップ麺をまとめ買いしていくんだよ。見ているうち、涙が出てきて・・・・・・」
避難後、食生活は大きく変化していた。
「みんな、火を使うことを極端に恐れているんです。火を出したらよその家まで焼いてしまう。迷惑をかけたら大変だ、と。カップ麺なら電気ポットでつくれますから」
仮設は長屋だし、台所は狭い。



「放射能に色でもあれば、あきらめがつくんだろうけれど・・・・・・」



ワシントンは、原発処理に挑む姿が見えない日本に見切りをつけようとしていた。



原発事故を当初「電力会社内部の事故」ととらえた日本と、「大惨事の恐れがある地球的規模の災害」と判断した米国。その温度差は大きかった。



自衛隊の中央即応連帯に極秘命令、
「東電社員を救出せよ」

自衛隊には表に出ない「影の部隊」がある。その一つが中央即応連隊だ。
国連の平和維持活動では真っ先に現地に入り、宿営や軽微の態勢を整える。万が一に備え、厳しい訓練を重ねてる。
原発事故直後、「影の部隊」が動いた。








原発があってこそ安い電気が使えるではないか、と主張する人がいる。日本国民のほとんどが電気なしでは暮らせない生活を送る現実もある。しかし半面、原発によって不幸になった人がいる。今も避難生活を強いられている人たちがいる。あとあとまで不安に悩む人がいる。子や孫の行く末を心配して涙を流す人がいる。
大事なのは、そのような人たちの存在を忘れないことだと思う。

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