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2023-11-01 | 作家別諸々(は行)

 

半島一利
『ノモンハンの夏』
 
 
--------(抜粋)
 
エリートが招いた悲劇!
参謀本部作戦課、そして関東軍作戦課の罪と罰は誰が背負ったのか?
このエリート集団が己を見失ったとき、満蒙国境での悲劇が始まった。司馬遼太郎氏が最後に取り組もうとして果せなかったテーマを、共に取材した著者が、モスクワのスターリン、ベルリンのヒトラーの野望、中国の動静を交えて雄壮に描き、混迷の時代に警鐘を鳴らした傑作
山本七平賞受賞作


解説・土門周平
公式の諸資料の他に、ノモンハン事件を中心にした研究、回想は二十種類を越えるが、広範囲の資料収集と深い分析・考察という点で本書は群を抜いている。それに緻密な文体については他の追従を許さない。ノモンハン事件の定本として長く残ることは確かである。──解説より

目次
第一章 参謀本部作戦課/〝戦略戦術の総本山〟参謀本部はすでに対ソ作戦方針を示達していた。「侵されても侵さない。不拡大を堅守せよ」

第二章 関東軍作戦課/関東軍の作戦参謀たちは反撥した。「侵さず侵されざる基調として、強い決意を固めて万事に対処する」

第三章 五月/モロトフ外相はスターリンに指示された抗議文書を東郷大使に手渡した。「これ以上の侵略行為は許さない」

第四章 六月/関東軍の作戦参謀辻政信少佐はいった。「傍若無人なソ蒙軍の行動に痛撃を与えるべし。不言実行は伝統である」

第五章 七月/参謀本部は、関東軍の国境侵犯の爆撃計画を採用しないと厳命した。

第六章 八月/歩兵連帯長須見新一郎大佐はいった。「部隊は現在の陣地で最後を遂げる考えで、軍旗の処置も決めています」

第七章 万骨枯る/死屍累々の旧戦場をまわりながら、生き残った兵たちはだれもが思った。「ああ、みんな死んでしまったなあ」

 
--------
 
やっと読むことが出来た半島一利のノモンハン
「夏」がキーワード
この暑い夏こそこの本を読もうと手に取った。
 
しかし、辛く暑い夏にこのお話も辛く・・私的には長かった。
 


元々のノモンハン事件を知るきっかけとなったのは、
村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』
そこから旅行記を読み、
最近だと伊藤桂一の『静かなノモンハン』『ノモンハン戦場日記』など、
陣中日記は読んでいて胸が痛くなって読み進めることが出来なかった。
想像力の範疇を越え過ぎている苛酷な戦火に、思考がついていけなかった。
それでも今後も引き続き、ノモンハン手記を読んでいこうと思う。

<参考文献>は巻末に記載有
 
戦争を知らない世代として、読み伝えることは出来る。
 
 
第六章、第七章になると感情が露わになる筆者
抑えようとも抑えきれないやるせない気持ち。

辻に対する憤りを抑えようとも抑えきれない箇所が多々あり、
冷静に綴っている中にも怒りの熱が伝わってきて、皮肉るのも分かる。
わたしも今まで読んでいた書籍からもそう感じていた。
過去の日本は恐ろしい思想を持った国だった。
 
 
 
現在・・
イスラエル軍がイスラム組織ハマスが支配するパレスチナ自治区ガザ地区への
陸海空からの攻撃を準備するなど緊迫が続いている。

戦争はなくならない。。

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