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吉本ばなな
『ひな菊の人生』★★★
気持ちが高ぶっていて集中して読書が出来ない気がして、、
その人の不在が結構堪える?わけじゃないけど、
あたまの片隅に確かに存在している。
新たな出逢いを思い、何となくばななを読もうと手に取った。
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音と心がひとつになるために楽器はあるのだと思った。
空はどんよりと曇っていて、雲はあらゆる灰色をあふれんばかりにたたえて遠くまでずっと続いていた。
朝の光を浴びると、体が清められるような気がする。
別れのときが来ると、いいことばっかりだったような気が、いつもする。思い出はいつも独特の暖かい光に包まれている。私があの世まで持っていけるのは、この肉体でもまして貯金でもなく、そういう暖かい固まりだけだと思う。そういうのを何百も抱えて、私だけの世界が消えてしまうというのだといい。いろいろなところで暮らした、いろいろな思い出の光を、ひとつにつないでいるのは私だけだ。
私は胸がどきどきしてきた。なにかいいことがある前は、いつも胸がどきどきする。まるで体のほうが数時間後のことをリハーサルしているように。
いちぢくの匂い
悲しみという生き物の濃厚な精子を涙という形で外に放出しないと、体中を乗っとられて狂ってしまいそうだった。
植物は無慈悲にそしてある意味ではなによりも優しく大らかにその生命で時間の経過を示してくれる。
梅雨はあと数日で明けようとしていた。空気がどんどん夏を発散しはじめていた。植物はみな梅雨の間に得た水分を糧に、空へ空へと強い力で伸びていた。
雨はしとしとと降り続き、この世の全てを静かに濡らしていた。
西日は金色になって、世界を満たしていく。濡れていた舗道はきらきらと光り、水をたっぷり飲んだ木々の緑は、なめまかしい色をどんどん濃く重ねて育ってゆく。
私という箱には、私が想像できる全部のものごとがつまっている。
誰に見せることもなく、誰に話さなくても、私が死んでも、その箱があったことだけは残るだろう。
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このお話は共感出来るところがあって、
そう いろいろな人と暮らしたあの頃のことをふつふつと思い出す。
真夜中にコーラが飲みたいって坂の下の自販機まで買いに行かされた時のぼぉっと光る自販機の灯りとか、
「部屋を密封状態にしないで」それを説明してくれた時に初めて見た窓からの夜景と外から漏れた首都高の音とか、
チャラ男の外見と話し方で危機感を覚えたけど中身は素直で礼儀正しく結構イイヤツだったこととか、
わんこのお散歩中拾い食いを阻止しようとし左手を噛まれ血を流した時に見せたニヤッと笑った顔とか、
そんな些細なことを。
最後の別れはどうだったんだろう?
今ハマっている『華麗なる遺産』の全録画をチェック☆
「ベタ過ぎて笑えるけどそれがおもしろいんだよね」
続いて『華政』
こちらはイマイチなんだけど、チューナー!の本心がみたいがため吹き替え&ながらで。

江國香織
『なつのひかり』★★★★★
再読
なつのちゃんとひかりちゃんでなつのひかり
ふと思っただけ(笑)
夜風がカーテンを揺らす。
ぽっかり空いた 有意義で自由な夜
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このごろ、私はすぐ途方にくれてしまう。
私は、日陰のない道を歩くのが好きだ。あかるすぎて、時間がとまっているように見える。白っぽい風景はめらめらと温度をあげ、街の音をどこかに閉じこめてしまう。
「暑い日は外がきれいね」
私は、夏の昼間、ブラインドをいつも閉めておく。部屋の中が水槽のようになるのが好きなのだ。
思いがけないときに思いがけない場所で、思いがけない人に会うのは嬉しい。
~私は眠っている人の顔をみているのが好きだ。眠っているとき、人は動物より植物に似ている。しずかな寝息、しずかなまつ毛、ねむたあい、ことちたり。ねむたあい、さかなたり。ねむたあい、もりのけものたち――。
寝起きの声は色っぽい。私は、ベランダに漂う青白い空気に耳を澄ます。やわらかでかなしげな、とろとろした夏の風。
「夫を二人持ってしまったのなら、結局のところ二人とも愛さなくてはいけないんだから」
こんなふうに密封された場所でうつむいていても、おもてが朝だとわかるのはどうしてだろう。朝は、階段の空気がとても清澄だ。
「うさぎちゃん」
さるすべりの並木道、歩道と車道を区切る緑色の柵。暑くて少しくらくらする。
「ビールを飲むときは、ひろびろとうした麦畑を想像しながら飲むの。そうすると、飲めば飲むほど健康になりそうな気がするでしょう?」
私はうなずく。わかるような気がした。麦畑というものを実際に見たことはないしにても、体の中に、いまたしかに金色の風景がひろがった。
「私があなたのどこを好きかっていうとね、こんな風に、人の話をあんまりきいていないところだわ」
「私には、いまのところ手持ちの札が一枚もありませんから」
私は、お湯の中で手足をゆらゆら動かすのが好きだ。手足の内側をお湯がすべる、開放的でなめらかなくすぐったさ。
いきおいよくほとばしるお湯は、私の肉体をほんとうに心から喜ばせる。お湯の音、お湯の感触、そうしてお湯の匂い。
晴れた真昼の日盛りよりも、こんな風に曇って湿度の高い遅い午後の方が、夏の息づかいというか体温というか、ある種邪悪な匂いが濃いと思った。
雨は、爽快なほどはげしい音をたてて降り始めた。夕立ち特有の、不穏でほこりっぽい匂いがたちまちあたりにたちこめる。
私たちは、それをただ待っていればいい。考えない、立ちどまらない。
人生は不可解で騒がしい。
諒解、
「人生なんてそもそも手違いだ」
あかるくて健康的。素敵なイメージだと思う。
朝は空気がつめたい露を含んでいて、畑の土もしっとりと匂いたっている。
誰も彼も何かを探しているのだ。誰も彼も何かを探していて、だからどこかしら出かけていく場所がある。私は窓をあけた。晴朗な空気と鳩の声が届き、部屋の中に朝の最初の光がさした。私には探し物はない。だからこれといっていく場所もない。あるのはただの日常と、そのしずかなくり返しだけだ。
子供の頃、夏の夕方が好きだった。自由と不自由のあいだみたいな、心もとなくて不安な感じが好きだった。
青かった空は随分白っぽくひろびろとなり、あたりには夏の夕方特有の、とろとろした哀しみがしのびよっていた。
ねむたあい、ことりたち。ねむたあい、ひつじたち。ねむたあいかんがるーたち。
濃いすみれ色の空に、宵の明星がぽつんと小さく、くっきりと光っている。
「深く愛してるわ」
夜は、しっとりと快い重みをもって私たちの上に降りていた。
肉体的苦痛の果ての快楽、突然の解放。
「来年の今月今夜、なにをしてるだろう」
いつだってそうだ。現実というのはうけいれる他につきあいようがない。
なんの作意もない言い方だった。その声があまりにもやさしかったので、私は少しかなしくなってしまう。これだからやさしさは嫌いだ。
カンガエチャイケナイ、ススムシカナイノダ。
私のなかで、なにかがそう言っていた。
もうだめだ、と思った。流れてしまった時間はもう絶対にもとに戻せない。
私だけがここに残るのだ。いつもそう。気がつけばおなじ場所にいる。
いかなくてはいけないいかなくてはいけないいかなくてはいけない。
私は腰をうしろにそらし、ふーっと一つためいきをつく。空がかなしいほど青い。
・・・・・・私を? 捨てる?
破壊して遁走する。
それが私たちのやり方だった。
ここがどこなのかは問題じゃない。たぶん、流れるところに流れつくのだ。
女王様のお酒の話をしよう。
梅酒に似た外国のお酒で、美しいピンク色をしている。バチャランという名前で、甘くてやわらかな味がする。
ときどき、花びらがこぼれてコップのなかにおちる。すると、ピンク色をしたその甘い飲み物は、心なしかよけいに匂いたつのだった。
私は立ちどまり、ためいきをつく。ひろびろとうすい水色の、空がきれいだった。強いか風がふきぬける。
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ナポレオンが愛しく・・・(笑)
誰にも何にもしばられない自由過ぎてぽっかり空く時間をうれしくも複雑な気分になる。
昨日午後に帰ってきて、お昼ごはんを食べながらかるく飲んで夕寝
起きたらショートメールにケータイメール、LINE、PCメール+
わたしという存在が忘れ去られてないというおかしさにも似た気持ち。
ただ今日は静かで孤独な夕方
ドタキャンしたのはわたしだけど。
肩のあたりの重さと筋肉痛→練習中止
「先輩おごってね」的いやらしさ→お茶中止
刻々と過ぎる時間
焦りがないとは言えないけどどうしようもない。












