孤鷹の天 (こようのてん) | |
澤田 瞳子 | |
徳間書店 |
著者澤田瞳子さんは、2010年の処女作の本書で第17回中山義秀文学賞を受賞した。
お母さんが時代小説家の澤田ふじ子さんだそうで、サラブレッドと言っていいのかな。
恵美押勝の乱や孝謙と道鏡の関係等を大学寮の少年たちの目を通して見るというユニークな目線で描き、633ページの大部を飽きさせなかった点は素晴らしい。
難を言えば話し言葉がどうにも現代風で、時代小説での話言葉とは作家にとって大きな悩みなのだろうけれど、違和感が強烈。
できれば江戸の時代小説などに墜ちることなく、この後の歴史も見てみたいのだが、いかが?
桓武の悪行などぜひ知りたい。