書店外商の無常日記

人生という名のフィールドワーク

2012/11/20 Tue.

2012年11月21日 | 日記
 12月1日にあるサイン販売会用の本を注文する。メインは以前に出た単行本を加筆訂正した先月の新刊の文庫本50冊。元の単行本も念のため少しとっておく。取次の支店の担当者に頼んだのだが、事前にネット上で確認した時からいやな予感がしていた通り、文庫のほうが出版社にも在庫が数冊しかないという。先月出たのならありそうなものだが、店頭で平積みするために発売時にはほとんど残さず配本してしまい、日を置かず品切れになることはよくあるようだ。現在返品待ちの状態で、サイン会用の注文だと念を押したのだがだめだったようだ。著者の所属事務所に連絡をすると、対応を検討して後で返事をするという。実はこの時点ではあまり心配をしてはいなかった。たいてい著者側から出版社に言うとなぜか何とかなってしまうのだ。

 午後、著者のマネージャーから連絡。出版社に頼んだら必要分は用意できるという。無事販売ができるのはいいが、書店も取次もこの件に関しては無力だったのが残念だ。それとともに、やはり著者の立場は大きいのだと実感する。ところで、どのようにして調達したのだろう。考えられるのは、実際には返品がすでに来ていたが、再出荷の改装待ちのため在庫にカウントされていなかった、あるいは著者側の依頼にノーと言えず、大型書店などにある市場在庫を集めたのか。機会があれば事情通に聞いてみたい。

 今日は比較的暖かいが、街は年末への準備が進んでいる。