アマゾンプライムビデオで
日活映画の「黒い潮」(井上靖原作)
を視聴
主人公の記者の
社内外の様々な軋轢と葛藤を
とうして
下山総裁の(映画では秋山総裁)死を
めぐる真相追及の姿勢の在り様を問うていくものになっていました。
自殺他殺説の攻防。
人間の死に対し世間の眼があまりにも冷酷で、新聞記事は無責任な興味本位な内容であることに、激しく怒り、憎むようになっていく社会部記者の速水。
慎重な速水を軽んじ始める周囲からの蔑み。憶測や主観的な観測をさけようとするなかでセンセーショナルな他紙の記事に抜かれていく見通しのない取材合戦。速水のかたくなな態度に当惑しつつも後ろ盾になる山名部長の激励。
真実を押し流そうとするような複雑な政治問題を含む社会情勢。
左右に揺れる当時の国鉄整理問題を抱えていた総裁の死であるだけに、議論沸騰するも謎は謎のまま
見ごたえはありました。
事故。自殺。他殺。それぞれにいまだ決め手は欠いている戦後の事件です。