goo blog サービス終了のお知らせ 

トトヤンの家庭菜園

小旅行、読書、テレビ番組、家庭菜園のブログです。

青い壺から

2025-02-20 06:35:26 | 人と歴史
昨年末に視聴したTV内容から思い起こすこと。その、内容というのはコレ


昭和の家族小説が書店を席巻、青磁が映す人間模様

<話題の本>『青い壺』有吉佐和子著


有吉佐和子スペシャル (4)人生の皮肉を斜めから見つめる

初回放送日:2024年12月23日だった。

結構、面白かったので、改めてブログで。別にそれをなぞることはないにしても。伝えたいことは、番組でテーマとなっていた「青い壺」の作品のことだけではなく、作者の、人間観察と時代観察には思いをはせていきたいなと。とくに自分が有吉作品を手にしたのは、和歌山出身の作家ということでもあり関心のないことはない。すでに世界に先駆けて麻酔を発明した郷土の偉人である華岡青洲のことを小説にした「華岡青洲の妻」は読み終えていた。当時は公害問題も浮上してきていて、新聞連載にも有吉さんは「複合汚染」というタイトルでそれは、現在進行形という、たしかに有吉さんならではの、ルポルタージュ、どちらかというと、そういう趣きの小説だった。

今日的メッセージとして、彼女が問いかけていた問題意識。それを改めて噛み締めてみたく、記事を書いていこうかなと。公害をテーマにしたこの連載作品では、「公害に最も大きい関心を寄せ、熱心に勉強し、実績をあげている政党は、どの革新政党よりも公明党」という言葉も発せられていた。歌舞伎とか、劇、お芝居、劇作家としてのお顔もお持ちだったけれど、時々の時局的なことにも関心鋭く、如何に国民の健康を守るかにおいては右も左もあるものかという彼女のスタンスが突きつけられていた。複合汚染の小説の始まりも、選挙遊説のシーンから始まっていく。作品では、ついこの前引退した菅直人の政治家になる手前の市民運動家として、市川房枝を担ぎ出すことに奔走しているところも描写されているので、特に、感慨深く受け止めてもいる。有吉作品は、読んできたつもりだったけれど番組が取り上げた.作品は知らなかった。なんでも、令和に静かなブームを呼び起こしたのは小説家で脚本家の原田ひ香が紹介書評を書いたことから若い人の間で注目。再販する動きに。担当編集者に聞くヒットの背景。令和の今、なぜヒットしているのだろうか。『青い壺』は「定年退職した夫がずっと家にいて嫌だなあ」(第2話)というような、女性の本音も多く描かれているため女性読者の方が多いのではないだろうか。しかし、男性が読んでも全く嫌な気分にならず、むしろ男性だからこそ楽しめるシーンもある。ちなみに2話・5話・10話はお気に入りだ。

このコメントがかなり効いているかなと。


テレビで紹介されたからと言って簡単に小説が売れる訳ではない。では本作のどんなところが現代の読者に響いたのだろうか。 『青い壺』は、無名の陶芸家が生んだ青磁の壺が売られ贈られ盗まれ、転々と変わる持ち主とその周囲の人間模様が描かれた13編からなる連作短編集だ。原田さんの小説がすごく好きだった人はその人のお薦めならということで読んでみるというパターンもある。自分のように原田ひ香さんのことあいにく知らなくて番組TVの、放送から周り巡って、青い壺を読み始める人もあろう。

やはり、原田ひ香さんの「こんな小説を書くのが私の夢です」という新聞広告コメントが効いたのではと思っている。そして、読んでみて、この、決して短い短編にしろ、有吉作品の中でも上位に位置するなと実感するほどその人間観察の濃さに改めて敬服してしまう。小説として、成功しているのは例えば、「複合汚染」と比べてみても、「青い壺」の方だろうと思った。


『紀ノ川』のような大河的な小説から『悪女について』のような振り切ったエンタメ小説、人種差別をテーマに据えた『非色』、もちろん『恍惚の人』『複合汚染』も面白い。

文庫帯の原田さんのコメントはこうだ。有吉佐和子作品との出会いは、中学生の頃。『悪女について』を読み、あまりの面白さに虜になりました。次に見つけたのが『青い壺』です。悪女の代わりに青い壺が人に近づき、人生に変化をもたらします。陶芸家、定年後の夫婦、道ならぬ恋を匂わせる男女、相続争いする人々......さまざまな人の間を壺はめぐり、さらには遠いスペインまで行きます。各話ごとに工夫が凝らされ、すべての人物の心理と生活に説得力がある。こんな小説を書くのが私の夢です」

殺し文句の決め台詞ですね。


番組見てなかったら、この作品「青い壺」に辿り着いてもいなかったかも。

地味でもあるし。「複合汚染」みたいにセンセーショナルな、議論巻き起こすという作風でもない。けれども、有吉作品のエッセンスが全て詰め込まれていると、言えるかもしれない。昨今のトランプ旋風。欧州の、反移民、極右政党の台頭。有吉佐和子さんが、もしご健在ならどう、作品なり、発言なりに表れていただろうかと.続きはまた次の機会に。


次回テーマ。水俣から続く今日的問題

失言環境大臣へ


最新の画像もっと見る