今日の108円

1日1冊108円・・・・・・最近そうでもない。

チーム・バチスタの栄光(下) 海堂尊 2007年11月26日 宝島社

2016-02-07 08:02:43 | 桜宮サーガ
東城大学医学部付属病院で発生した連続術中死の原因を探るため、スタッフに聞き取り調査を行っていた万年講師の田口。行き詰まりかけた調査は、高階病院長の差配でやってきた厚生労働省の変人役人・白鳥により、思わぬ展開を見せる。とんでもない行動で現場をかき回す白鳥だったが、人々の見えなかった一面が次第に明らかになり始め・・・・・・。医療小説の新たな可能性を切り拓いた傑作。
裏表紙より。
上巻はこちらー
・・・・・・2週間前て。

○俺的あらすじ
心臓手術のスペシャルチームで3回続いた術中死。
偶然か、医療ミスか、それとも何らかの悪意が――?
高階病院長に原因の調査を命じられた田口は聞き取り調査を行い、
手術の現場にも立ち会うことに。
そして田口が立ち会った手術は無事成功。
杞憂だったのか・・・・・・これで今回の調査は終了かと思いきや、
次の手術でこの事態は簡単に片づくものではないことを突き付けられたのであります。




第二部 ポジ 白い棺(承前)

13章
火喰い鳥

2月25日月曜日 午前10時 1F・不定愁訴外来

 俺は急いでドアを開ける。
 俺の椅子に見知らぬ男が腰を掛け、一心に何かを読んでいた。
田口の城に招かれざる客、来る。


男の名は白鳥圭輔。
『厚生労働省大臣官房秘書課付技官』だそうで。
 擬音語なら〝ぎとぎと〟、擬態語なら〝つるん〟。つややかに黒光りするゴキブリが脳裏に像を結ぶ。
ひどいwwwwww
服装の『某プロ野球球団』の『打線と同じくらいの下品さ』という表現もひどいwww


で、この『ゴキブリ』はここに何しに来たのか。
高階病院長説明よろ。
「田口先生の調査の状況がかなり厳しそうだったので、大学時代の友人で厚生労働省の局長に、非公式に相談したんです。万が一の時のための保険でした。以後、あちらでも同時進行の別ルートで調べてくれていたんです。そして先週、田口先生からリスクマネジメント召集依頼を受けた際に改めて相談したところ、この白鳥君を派遣してくれた、という経緯です」
hmhm。
事態が事態だけに、応援を呼んでくれた訳ですナ?
・・・・・・どういうことだか、高階病院長は『苦り切った表情』みたいだけど。


「田口先生に忠告しておきます。この方は、純粋に論理だけを追求できる資質をお持ちです。不愉快なことを言われても、お気になさらないように。気に障ることがあったら、思ったことをどんどん言っちゃって構いません。この方は外部に対して純粋に論理対応しているので、こちらが何を言っても全然へこたれないはずです。遠慮は御無用、遠慮なんてしていたら、こっちがめちゃくちゃにされてしまいます。何しろ相手はロジカル・モンスター(論理怪獣)ですから、まず第一に、自分の気持ちを守るように心がけて下さい」
お、おう・・・・・・?
はじめまして!
『ロジカル・モンスター』の せかいへ ようこそ!
その ロジモン という いきものは
ひとを・・・・・・どういう奴かは、高階病院長とのやりとり、
そして自身の肩書についての説明からなんとなーくわかる(#^ω^)


さらには・・・・・・
 白鳥のポケットから電子音がした。黄色い丸いものを取り出す。
「病院内では携帯電話は禁止ですけど」
 苛ついた声で藤原さんが注意した。白鳥はソファにもたれて斜め後ろを振り返る。
「違います、ウンチです」
自由過ぎるwww
『地雷原』藤原をものともせず。『コイツは、ただものではない』。


喋るほどに周りをイラつかせる男・白鳥。
でも今は仕事が大事。
とにかく調査について検討しようぜ・・・・・・
「聞き取り調査ファイルを拝見しました。よく観察されてます。完成度が高いです。実に感心しました。〝Bravo!〟です」
はいはいどうもでーす。


「田口センセのファイルは、とても良くできています。パッシヴ・フェーズ調査としては、多分これ以上のものは望めませんね」
 パッシヴ・フェーズ? 何だそれ?
『パッシヴ』(ルビは受動的)・・・・・・(。´・ω・)?


「惜しい、実に惜しい。田口センセには、アクティブ・フェーズ能力が、決定的に欠除しているみたいだ。優しすぎるのかな? でもこの記載を見ている限り、そこまで欠落してないはず。攻撃性の過度な抑制? トラウマに対する代償作用? どっちにしてもその歪みのおかげでこれだけのパッシヴ・フェーズができるとしたら、氷姫よりは格上かな?
 ま、いいや。そのために僕が呼ばれたんだし。苦手な領域をカバーしてもらった上に、時間短縮までできた、と思えばいいのか」
今度は『アクティヴ』(能動的)なんちゃら。
て、分析すべきは田口のことじゃねーからな?(#^ω^)


よくわからない単語が飛び出したので解説を求めた田口。
しかし、白鳥の話は田口には『全然わかりません』。
「なんで、こんなに鈍臭いかなあ。これじゃ、氷姫といい勝負だな。どうも買い被りすぎたみたいだな。いい、よく聞いてね。あんたは対象を自分の繭の中に取り込んでそこでゲロさせる。これがパッシヴ・フェーズ。僕は相手の心臓を鷲掴みして、膿んでいる病巣にメスを突き立てる。これがアクティヴ・フェーズ。わかった?」
おk把握したぶちころすぞ(´・ω・`)
おめでとう!
田口は 白鳥から 『仲良しの一人にカウント』 された!


「僕たちはいいチームになれますよ。だって僕たちはとってもよく似てますから」
組織に自分専用の居場所を創っちゃうあたり、ね。
わかるからこそイラつく田口でありました。


最初の調査対象は田口と言い出した白鳥。
仲良しお喋りタイム継続☆
「田口センセの仮説は、基本線は正しいんです。自分の直感に自信を持って下さい。これは医療事故なんかじゃない。れっきとした殺人ですよ」
断言


次の手術は木曜日――それまでに決着をつけるつもりの『火喰い鳥』白鳥は、
田口を『サポート役』に指名して本格的な調査を開始したのであります・・・・・・
「ううん、今度は、なでなでして欲しいって、泣いてる」
ぶちころすぞ(´・ω・`)





第15章
オフェンシヴ・ヒヤリング

2月25日月曜日 午後3時 3F・ユニット科長屋

「せっかくですから、田口センセの心の荷物をもう少し軽くしておいてあげましょう。この話は、一億円の借金のある相手に、本当の借金は一億と百円です、と告白したようなものです。百円なんて、絶対チャラにしてくれますよ。ね、少しは気がラクになったでしょ?」
調査の『流れ弾の被弾』を訴えた田口を完封。
これは早く事件を解決しないと、1発や2発では済まないぞ田口!



「基礎研究では、未熟で独善的な性格の人間は、パッシヴ・アクティヴ間で、イメージの変化が起こりやすいと言われています。アクティヴ・フェーズでは、隠された本質が出やすい。つまり、二つの相で印象が異なったとしたら、アクティヴの方が素顔に近いんです。これが相転換です。どうやらそのあたりの原理と感覚は理解していただけたようですね」
ギクリ


調査初日から関係者に言いたい放題の白鳥。
当然話をした全員から嫌われるも、白鳥的には手応え十分の模様。
 ふと、これが俺の限界なのかな、と思った。
いやーこれはヒトには無理っスよ。
ロジモンだから、できたこと。





16章
ロジカル・モンスター

2月26日火曜日 午前7時45分 2F・手術部カンファレンスルーム

 これがロジカル・モンスター、か。
関係者の性格や人間関係から容疑者を絞り込んでいく白鳥。
ムカツクけど(#^ω^)





17章
弐重らせん

2月26日午後6時 地下・視聴覚セクション

「白鳥調査官は深部の情報もお持ちらしい。私はこれからすべてご説明します」
白鳥の調査で1つの真実が明かされる。
でもこれは読者も「もしかして?」と疑問に思ったところ・・・・・・だと思う。


「患者を一人術死させたらメスを置かなければならないとしたら、この世の中からは外科医なんていなくなってしまいます」
さすがの白鳥もこの言葉には『黙り込む』。
全く失敗しない人間はいない。そして医師も人間。

最近の医療事故に対する過剰とも言える非難は、
「最善を尽くしたけどダメでした→実は・・・・・・」な例が多すぎたんだよな・・・・・・。
素人にはわからない領域、と高を括っていたツケと言える。
つまり義務教育に「医療」の科目をつくればよろしい(飛躍)





18章
発作

2月27日水曜日 午前11時 桜宮海岸通り公園

「今、ここでは言えません。明日、手術の時にははっきりできると思います。けれども、ひとつタイミングを間違えると、とんでもないことになる。そいつの首根っこを押さえるのは、とても難儀なんです」
白鳥は真相に辿りついた・・・・・・!?
しかしあれだけ自分のやり方に自信満々な白鳥も、『三十苦でしてね』と不安げ。


とにかく全ては明日、と思いきや!
 携帯の呼び出し音。うっとうしいヤツ。今度は何事だ。
 白鳥と決めてかかって電話に出ると、藤原さんの慌てた声が聞こえてきた。
「酒井先生から連絡です。小倉さん、緊急手術だそうです」
なんだってー!?


田口はたらい回しにされながらもどうにか白鳥に連絡。携帯持てよ!
白鳥と話し、手術を止めるべく動いたものの、桐生に押し切られ手術は始まってしまう。
そして・・・・・・
 どこかで見た光景。デジャ・ビュ。
あああ・・・・・・



「その必要はない」
 白鳥の声が響く。どこかで見た風景の繰り返しが、グラスのように砕け散った。
 デジャ・ヴュの印象画が、砕けた。
果たして白鳥が辿り着いた真相とは・・・・・・。



田口の奇妙な医療現場。
こんな素晴らしい作品を上下巻合わせて100円で読める私は、
きっと特別な存在なのだと(以下略)
少し前の有名な作品ほど出回って価格が下がる不思議な世界へおいでよ!


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