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1日1冊108円・・・・・・最近そうでもない。

坊っちゃん殺人事件 内田康夫 1997年6月3日 中央公論社

2015-12-14 06:34:27 | ミステリー
居候のルポライター、浅見家の「坊っちゃん」光彦は、四国松山に漱石、子規、山頭火の足跡をたどる取材に出た。途中、瀬戸大橋で出会った美女から痴漢に間違われるが、数日後、彼女は絞殺体で発見される。さらに、好奇心で覗いた句会では、主宰の老俳人が毒死した。連続殺人の渦中に立たされた浅見光彦は、事件の鍵は「俳句」にあるとにらむのだが・・・・・・。浅見光彦自身が記した危険な事件簿!
裏表紙より。
『浅見光彦自身が記した』・・・・・・
何も考えずに取ったけど、また「シリーズ異色作」の予感。
元の本は1992年11月。



プロローグ

「しかし浅見ちゃんも次から次、いろいろと考えつくもんだねえ。窮すれば通じるっていうやつかな。うちの連中にも発想のコツを教えてやってもらいたいもんだ」
うるせぇよwww
そして光彦は、四国松山へ取材に向ったのです。




第一章 松山文学散歩

 小粒とはいえサザエはサザエ。まあまあ不味くはなかったけれど、なんだか騙されたような気分になって外に出た。
いきなり現地の商人のあくどい部分を見せつけるスタイル。
※この物語はフィクションです。



 美人であることにももちろんだが、それよりもむしろ、ああいう遊覧船にたった独りで乗る女性客の心理に、ぼくは興味をおぼえ、彼女が目の前を通り過ぎてゆくのをずっと見送った。はた目には、ずいぶん間抜け面に見えたかもしれない。
こういうことをやってるから、後で困ったことになる。



 ホテルに戻ると、駐車場にあのジャガーがあった。このホテルのどこかにマドンナがいるのだ。連れの「男」とは遭遇できたのだろうか。いまごろは二人で――と、あらぬ想像をしながら毛布をひっかぶって、寝た。
浅見光彦(33歳独身)。
ここまで(15ページ)で既に情けなさがフルスロットル。
嘘みたいだろ?これ、名探偵なんだぜ?



 まあしかし、そうは言ってもスピードは出さないほうがいい。ぼくは制限速度をわずか10キロだけオーバーして、ゆっくり走ることにした。
『ネズミ捕りぐらい不愉快なものはない』――
気持ちはわからなくもないけど、偉そうに言えることじゃないからな!w
実際制限速度で走るのも危ないけど。無茶な追い越しかけるバカがいるから。



「まあ、いいでしょう。気をつけて行ってください」とそっぽを向いた。
 何がいいでしょうだ――と文句をつけたいところだったが、もとより警察相手に喧嘩を売るつもりはないから、ぼくも「ご苦労さんでした」といやみな挨拶をして車をスタートさせた。
偶然昨日の美人と向かう方向が同じで、
付け回されたと感じたらしいあちらさんが交差点にいた警察官に相談。
無駄な足止めをくらった光彦でありました。
・・・・・・他人様をじろじろ見てっからこうなる。反省しなさい。



 まったく、日本中を車で走り回っているけれど、その割に大きな事故に遭遇せずにすんでいるのは不思議なくらいだ。近頃は、こっちが安全運転していても、中央分離帯を乗り越えて突っ込んでくる威勢のいい車があるからたまったものではない。くれぐれもスピード違反など、しないようにしよう。
おまえwww
10ページ前読み返せ!w


翌日。
近くで首を絞められた女性の死体が発見されたニュースを見た光彦。
俳人の取材を進めるも、どうしても気になるらしく、警察署の様子を窺う。
(さて、どうしようかな――)
どうもしなくていい。
仕事しなさい・・・・・・ところが。




第二章 悲劇のマドンナ

 ぼくは呆然として、しばらく動くことも忘れていた。
 死んだのはどうやら、ぼくを睨みつけて「その人は何ですかな?」と言った、あの老人らしい。
『どうしようかな』のあと「句会」を見学した光彦でしたが、
なんと光彦が句会を立ち去ってすぐ、その句会で人が死んだというのです!


ニュースを見て驚いていた光彦の下には、予想外お約束の来客が。
「えっ、それじゃ、あのジャガーの彼女、殺されたのですか?」
【衝撃】昨日の絞殺死体は、光彦を痴漢と間違えた女だった!


「ほほう、自分から言うてくれるとは思わんかったなあ。それなら話が早くてわれわれも大いに助かる。そしたら、とにかく署まで来てもらいましょうか」
哀れ光彦は、『トンカツ』に連れられて警察署へ・・・・・・。


トラブルはそれだけで終わらない。
 間の悪いことというのは、往々にして重なるものである。しかし、ふんどしかつぎがぼくを指さしたことの意味を、ぼくは不覚にも一瞬、摑みかねた。
「句会」で死んだ老人に、大きな声を出したことで睨まれていた光彦は、
そちらの事件でも容疑者として扱われる羽目に。
日頃の行いって大切ですね(´・ω・)



 それはともかく、警察にあらぬ疑いをかけられたのは面白くないが、思いがけなく捜査当局の真っ只中に入り込めたのは望外であった。多少の不愉快さえ我慢すれば、尋問を通じて、いろいろなことが分かってくる。先方もぼくについて分かったことが多いだろうけど、ぼくのほうも、それ以上に状況が飲み込めた。
『兄の名誉を守るため』『愚弟なりに』『気を遣っている』と言ってすぐこれ
反省の色無し・・・・・・有罪(ギルティ)!ドギューン

しかしまぁ、毎度のことながらどっちが尋問してんだかって話だよ!



「トンカツ!」
※この物語はフィクションです。




第三章 山嵐対赤シャツ

 しかしまあ、そういう浮かれムードが冷え冷えと消えて、シャネルもジバンシーもグッチもサッチもいかなくなって、世の中が少し落ちついてきたのは何よりだ。
バカ言ってる場合か!w
◎今の状況
取り調べを受けた翌日、光彦の意見に耳を傾けた刑事『山嵐』と共に、
句会で死んだ老人の遺体を調べようとした結果・・・・・・
遺族に迷惑行為として通報されて、またも警察の厄介に。

「浅見さんにお願いしたのは、あくまでも自分であります。心ならずもあのような結果を招きまして、ご迷惑をおかけしましたが、それはすべて自分の責任でありまして、浅見さんには何の罪もありません」
『山嵐』・・・・・・(´;ω;`)ブワッ
そんな『侠気』を、『あほやな』で片づけた『赤シャツ』はくたばれ。


事件の『重要証拠品』が遺体に残っているはずだったのに――
このままでは遺体は出棺、おまけに協力してくれた『山嵐』は処分・・・・・・
しょんぼりしていた光彦の下に、救いの女神が!
「ありました。浅見さんがおっしゃった場所かどうか、ちょっと違うかもしれませんが、この辺りのところに・・・・・・」
 真理子は「お尻」とは言えずに、臀部を大事そうにそっと触った。いや、誰だって彼女のお尻なら大事に扱いたくなるだろう。
サイテーだな光彦・・・・・・。
33歳は、もう十分「オッサン」なんだなぁ。



 やはりぼくにはマドンナよりナデシコのほうが相応しい――と勝手に決めた。大和撫子というと何だか強そうだが、ナデシコは可憐な花である。花言葉は――そんなものは知らないけれど、きっと「優しい愛」だとか「あなたのおそばに」なんていうやつだと思う。いや、そうに違いない。
黙れ!そしてしね!




第四章 バッタと撫子

 水沼真理子はスーツの上だけを白いセーターに着替えていた。唇にわずかに差した紅の色がまさにナデシコの可憐さを思わせる。痩せ型の彼女には、セーターも良く似合う。細い首や腰の辺りのくびれが強調されて、思わず支えてあげたくなるほどだ。いいなあ、いいなあ――と胸がときめいたが、十三も年齢差のあるおじさんを、彼女がどう見ているか考えたとたん、気分が萎えた。
愛に年齢差は関係無いんじゃよ?
まぁ・・・・・・おまえは・・・・・・ダメだけど(´・ω・)(・ω・`)ネー

警察が見逃していた証拠を発見した光彦オッサンのことを、
被害者の孫娘である水沼真理子・・・・・・『ナデシコ』はスッカリ信用した模様。
「捜査のメドがつくまでは、松山に滞在できると思いますよ」
「ほんとですか」
 たちまち喜色がナデシコの頬を薄紅色に染め上げた。これを見たいばっかりに、ぼくはまたしても泥沼に足を踏み入れることになる。
「身の破滅 呼ぶは己の 下心」なんつって。



「それはあなた、人は見かけによらんというでしょうが」
「いえ、人は見かけによりますよ。うわべだけの笑顔や、おいしい言葉なんかに誤魔化されなければ、どこかにその人物の資質は表れるものです。逆に、どんな粗末な身なりをしていても、豊かな精神の持ち主からは、魅力が発散するものではないでしょうか」
現場の状況やら動機やらで犯人を特定した「つもり」の警察を後目に、
光彦が解き明かす事件の真相とは・・・・・・?



なんだか他の作品より光彦がオッサン臭い気がする。
それと同時にワガママ坊っちゃん感もする。
『自作解説』で著者が『特筆すべき異色作』と言うだけあ・・・・・・
あれっ、これシリーズに「問題作」と「異色作」しかないみたいじゃない?
今度は「普通の浅見光彦」について書こう。

自作解説

 こんな風に自分の作品を「面白い」とベタ褒めすると、アホじゃないかと顰蹙を買うかもしれませんが、作家は誰でも本心ではそう思っているものなのです。そう思わずに小説を書き、売っているとしたら、それは読者を欺瞞するにひとしい。ただし、それをこんな具合に吹聴するのは、正直で単純でお人好しな僕ぐらいなものであることはたしかです。
やかましいわ!w


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