建設現場の卵

建設現場からのエッセイ。「建設現場の子守唄」「建設現場の風来坊」に続く《建設現場の玉手箱》現場マンへ応援歌。

KY活動(2)

2009-04-22 08:48:10 | Weblog
…………………………(KY活動 2)………………
         
『建物は職人が創るが、事故は職員が作る』
 私は安全大会で必ずこう話ます。

一瞬、場内が張り詰めます。
  --------講演実況記録から--------
 危険予知活動として危険箇所を毎朝発表しても、危険行動を見逃しては安全
監理になりません。
 信号でいえば、安全な現場は順調に仕事が進む青色、危険な現場は赤色で、
「作業停止」当然工程は狂います。
 さらに、危ないから○○に注意しながら作業する・させる・・・これは黄色
の信号に進入して左右を確認しながら作業をしている状態と同じ。
 これでもう事故が発生するのです。
 つまり、安全監理者は「周囲に気をつけながら作業させる」のではなく「安
全な状態で作業させているか」を監理するのです。
 例えば脚立から転倒事故を防ぐために足元を確認するよう指示するより、き
っちり足場を組む事が安心して作業ができる「安全の第一歩」なのです。
 足場がなくても簡易な短期作業だから事故はない・・・そんな保証は誰にも
できないのです。             ・・・(ここまで講演)・・・
        
 私は25年以上も現場にいましたが、労災事故報告書を書いた事は一度もあり
ません。 
 現場の安全点検の基本は「安全か、危険か」の判断ではないのです。
 場内点検パトロール時、安全・危険の判断基準は各職で様々でしょう。
 しかし、私は、
《安全か、安全でないか》
で監理していました。
 つまり、「信号は青なのか、そうでないのか」です。
 安全でないけれども作業を止めさせると工程がますます遅れるので、
「危なっかしいなあ…」
 と見過ごす・・・そんな現場マンにはなって欲しくありません。
        
 安全研修会で、事故を起こしそうな絵や写真の題材を見て危険を先取りする
学習も確かに危険予知です。
 しかし、現場の危険予知は、安全担当者のみならず作業員全員が安全から
外れそうな状況(青→黄)を予知する行動にしたいものです。
 そして危険予知したら即、安全作業が可能になるように措置を講じること
です。 
「気をつけながら作業します」という危険予知活動より、
「安心して作業出来ます」
 の安心確認運動にいたしましょう。

       (今号の一句) 安全か
                 安全でないかの 分かれ道
                    安心見つけて 一本道

                            《続く》 
コメント
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