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さよならteacup

地方在住40代既婚男性の日常

映画と原作小説

2011-03-18 19:59:00 | 
先日読んだ『奇跡の6日間』は実に面白かった。映画版の『127時間』も早く観たいところだが、残念ながらこちらは6月公開なのでもうしばらく先になる。そもそも静岡で公開されるかも怪しいくらいだ。

しかしこの高まる気持ちをどこかにぶつけなければと思い、『127時間』の監督であるダニー・ボイルのアカデミー作品賞受賞作『スラムドッグ$ミリオネア』を観ることにした。当時話題になったが、どうせありきたりなサクセス・ストーリーだろと思い敬遠していた。ところがこの映画が予想に反してかなり面白いのでビックリした。やっぱり賞を獲る映画ってのは違うよね。

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この話はインドのスラム街出身の主人公が日本で言う「クイズ・ミリオネア」に出場して見事全問正解して最高賞金を獲得するのだが、何故教養もないスラム街出身の若者が全問正解出来たかを描いている。このあたりは有名作品だから知っている人もいるだろう。

この「何故全問正解できたか?」というところがこの映画の肝であり、コイツがオレの予想していたものとは全く違っていたので、より面白く感じたのかも知れない。事前に予備知識を入れなかったのも良かったね。

鑑賞後にネットでこの映画の評判を見ていたら、映画も良いが原作小説の方がさらに良いという情報を見つけた。まぁ、原作ありきの映画の場合は必ずそういった声があるものだが、この映画に関して言えば、たしかに小説の方がより面白そうな気配を感じたので、早速読んでみることにした。

原作小説は『ぼくと1ルピーの神様』というタイトルでインド出身の外交官スワラップ・ヴィカスの処女作だ。映画では映像を通じてインドの貧困層を生々しく描いているが、小説版でもその空気感は十分に伝わってくる。だからこそクイズ番組で大金を手にすることの意味がより生きてくるってわけだね。

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ちなみに小説と映画では設定が結構違ったりする。まず違うのは、映画では兄であるサリームが小説では年下の友人と言うことだ。あと、映画では物語の重要人物であるラティカが小説では出てこなかったりもする。決定的に違うのはラスト。小説の方がより衝撃的なラストになっている。

とは言え物語の軸は同じなので、どちらの方が面白いといったことはなく、映画・小説共に面白い。個人的には映画→小説の順で追っていった方が楽しめるかねぇ。

そんな感じで非常に充実した小説体験をさせてもらったわけだが、さっそく同氏の2作目にあたる『6人の容疑者』を図書館で予約した。Amazonでの評価を見るとコイツもかなり良さそうだ。しかし指定した図書館で受け取るまで少し日にちがかかるので、その間に、これまたインド出身のジュンパ・ラヒリ『見知らぬ場所』を読むことにした。これはまだ途中だが、雰囲気は『ぼくと1ルピーの神様』通ずるものがある。もちろん掛け値無しに面白い。

今までは小説というとミステリーやSFなんかを好んで読んできたが、これからはインド出身作家の作品に注目していこうかねぇって話(・∀・)

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (yasujack)
2011-03-20 21:24:42
いいじゃないの、ノべライズ。
俺も最近「白夜行」観て、東野圭吾とか読んだりしたよ。映像もいいけど、活字の良さってあるよね。より深みがあるというか・・・。
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Unknown (bonjovi)
2011-03-21 00:43:14
より深みがあるかどうかは好みの分かれるところだけど、違った深みを見出すことが出来るっていうのはあるよね。
ちなみにノベライズってのは映画→小説の事をいうんだぜ(・∀・)
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