弁理士の日々

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PKOで自衛隊に死傷者が出たら首相辞任?

2017-02-04 14:09:12 | 歴史・社会
安倍首相 辞任を「覚悟」…南スーダン、自衛隊員死傷で
毎日新聞2017年2月1日 22時27分(最終更新 2月1日 23時32分)
『安倍晋三首相は1日の衆院予算委員会で、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣されている自衛隊に死傷者が出た場合、首相辞任の覚悟を持つ必要があるとの認識を示した。「辞任する覚悟はあるか」との質問に対し、「もとより(自衛隊の)最高指揮官の立場でそういう覚悟を持たなければいけない」と述べた。』

以前からおかしいんじゃないかと思っていたのですが・・・

生命の危険と隣り合わせの職業はいろいろあります。身近なところでは消防士や警察官など。
消防士が消火活動中に殉職されたとの報道にときどき接します。警察官が職務執行中に亡くなることもあります。以前、消防士が年間何人程度殉職されているのかをネットで調べようとしましたが、データが見つかりませんでした。
また、自衛官についても、訓練中に殉職される方が多いようです。

総理は、消防士が消火活動中に殉職されるたびに、辞職するでしょうか。警察官が職務執行中に殉職されるたびに、辞職するでしょうか。いずれもしません。自衛官が訓練中に殉職された場合も同様です。

なぜ、自衛官がPKO活動中(の戦闘中)に殉職されたときに限って、総理が辞職しなければならないのでしょうか。

私は、消防士、警察官、自衛官の方々が職務中に殉職されることを是としているわけではありませんが、危険と隣り合わせの職務であり、身の安全を最大限に配慮しつつ、それでも危険に飛び込んでいかれることに敬意を払います。そのような方々の犠牲の下に、われわれ国民の安全が保たれているのであり、感謝こそすれ、「間違っている」と糾弾するつもりはありません。

自衛官も同様です。自衛隊を含む軍隊は、武装した敵勢力に対峙して、任務を全うすることが職務です。そのために自衛隊も武装しています。ですから、職務中に殉職する可能性が高いことは当初からわかっています。
しかし日本では、「自衛官は(訓練を除く)本来職務中には一人も戦死してはならない」が暗黙の前提として、マスコミで語られています。

なぜ、自衛官による戦闘行為に限ってこのような特別扱いになったのか、理解できません。

自衛官の特別扱いは、「日本の自衛隊に軍法がない」ということにも現れています。南スーダンで、避難民に紛れた武装勢力が突然陸自PKO部隊に発砲してくることがあり得ます。応戦した自衛官が、誤って一般市民を殺害してしまうこともあるでしょう。そのような場合、普通の軍隊であれば軍法で裁かれるのですが、日本の自衛官の場合は刑法で裁かれることになります。南スーダンに派遣された自衛官の方々がこの点を恐れているだろうことが推察されます。

「自衛官は戦死してはならない」と関連して思い出すのは原発です。
「原発は事故を起こすはずがない」「従って事故発生を想定した訓練も行わなくて良い」という発想から、福島第一原発の一号機は、非常用復水器を作動させての訓練を行ったことがありませんでした。その結果、非常用復水器が作動していないのに「作動している」と勘違いして、あの惨事を招いてしまいました。
リアリズムがいかに大切か、ということでしょうか。
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