弁理士の日々

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自民党のバラマキ政策

2012-12-04 21:44:43 | 歴史・社会
自民党の政権公約については、もっぱら金融政策に議論が集中しています(自民党安倍総裁の金融政策安倍さんの政策は?維新の会の政策は?)。
安倍総裁が掲げる金融緩和政策(インフレ目標2~3%を掲げる。目標達成のために日銀に最大限の努力をしてもらう。ただしその手段については日銀の独立性を認める。)について私は賛成です。金融緩和でデフレ脱却と円高是正を図ることは、成長戦略を構築する上での前提条件であって避けて通れないからです。

一方、あまり議論になりませんが、自民党政権公約の中のバラマキ政策は要注意です。この点については、岸 博幸氏の「自民党の政権公約で本当に日本経済は再生するか?“大胆な金融緩和”に隠れたバラマキ政策への警鐘」が参考になります。
『経済成長に関しても、企業を徹底的に競争に晒して競争力を強化させるよりも、“長期資金に対する政策金融の強化”など政府が予算措置などで関与していこうという姿勢が目立ちます。
地方に対しても、“地域の経済活性化と雇用増のための交付金制度の創設”、“中小企業予算の倍増”、“中小企業の資金繰りを徹底サポート”など、予算措置による政府の関与の増大を匂わせる内容が多く見られます。
農林水産業になるともっとひどく、農林水産業の競争力強化にもっとも必要な規制改革への言及は一切ない中で、“需給安定・輸出対策の強化”、“担い手の育成確保対策の推進”など、予算措置と政府の関与ばかりが強調されています。』(岸氏)

金額的にも、国土強靱化計画で10年間に100兆円を投じるというのですから、消費税増税での税増収を見込んでバラマキを増やしているとしか見えません。
自民党の政権公約に予算バラマキと政府関与の増大を示す政策がたくさん入った理由は、政権公約の政策の多くが霞ヶ関の官僚の入れ知恵に基づいて作られているからだろうと岸氏は推定します。

自民党の政権公約では、経済を立て直すために“日本経済再生本部を新たな司令塔に”すると書かれているのです。
小泉時代や前回の安倍政権のときは、経済財政諮問会議が有効に使われました。霞が関が嫌がる政策について、同会議の民間議員ペーパーで政策を提言し、最後は総理の決裁で政策が実現していきました。総理大臣と日銀総裁がともにメンバーなので、両者が定期的に会う機会がある、という点も重要なポイントでした。その経済財政諮問会議、民主党政権はお蔵入りさせていますが法律上は存続しています。
それにも拘らず自民党の政権公約で諮問会議に代わる司令塔を設置しようとしているのは、官僚の側が諮問会議を忌み嫌っているからだ、というのが岸氏の見立てです。

また、岸氏によると、自民党の政権公約には、官僚が大好きな予算措置とか政府の関与増大を匂わす政策がこれだけたくさん入っているのに、“諮問会議”と同様に官僚が忌み嫌う言葉である“規制改革”は一言も出てこないとのことです。

前回の安倍政権では、1年間の短い期間でしたが、公務員制度改革をはじめとして多くの改革が進展しました。その後の麻生政権や3年間の民主党政権ですべて元の木阿弥になってしまいましたが・・・。

前回の安倍政権はあれだけ改革を実行する方向の力を持っていたのに、なぜ今回の安倍総裁率いる自民党ではそれができないのでしょうか。
ひとつには、前回はあれだけ改革志向だったために霞が関から徹底的に妨害され、それこそが短命政権に終わった最大の原因かも知れません。それに懲りた安倍氏自身が、改革に対して及び腰になっている可能性もあります(安倍晋三氏総裁選出馬をどう受け止める)。
また、3年前の衆議院総選挙で自民党議員が激減するに際し、改革派の議員が特に多く落選した可能性があります。そのため、現職(前職)の自民党議員に改革志向が乏しかったのではないかと。この点については、今回の総選挙でどれだけ改革派自民党議員が当選して帰ってくるか次第です。
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