弁理士の日々

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実際に「保育園落ちた」多発

2016-03-22 18:53:25 | 歴史・社会
保育園落ちた日本死ね!!!」のインパクトはすごいものがあります。

ブログ読みましたが、あの短くてやや乱暴な文章で気持ちが伝わるのですから、筆者は文章の達人と思います。昔だったら「君は詩人だ」との褒め言葉があったでしょう。

国会のヤジ中継も見ました。「匿名」「匿名」とヤジを飛ばした議員たちは、自分の周りに同じように苦労している人たちを見ていないのでしょうか。

実はわが家の周囲でも、今年だけで「保育園落ちた」実例が3例もあるのです。
(1)「保育園落ちた。4月からの復職(学校の先生)どうする??」(世田谷区)
(2)「条件の良い保育園落ちた。場所が遠く、保育日数が少なく、費用が高い園が当たったのだけれどどうする?」(杉並区)
(3)「近所の保育園落ちた。遠くの保育園が当たったので、引っ越すことにした!」(杉並区)

私の周りだけでもこれだけの実例があるのに、ヤジを飛ばした国会議員たちは国民の生活が全然見えていないということですね。

保育園というと、一昨年の12月夕刻、東京駅から乗った中央線の車内で隣に座った母子との会話を思い出します(中央線経由で母子通勤)。
赤ちゃんは生後半歳。勤めている会社に保育園があり、2ヶ月前からそこに通っているというのです。「お母さんも職場復帰したばかりですか!」それは大変だ。
5時定時で退社させてもらい、こうして赤ちゃんを抱いて中央線に乗り、帰宅しています。自宅は荻窪ということでした。
翌年4月(去年の4月)からは荻窪の自宅近くの保育園に替わりたいそうです。「当たるかどうか」と心配していました。今からこうして会社の保育園に通わせていると、点数が1点上がる、と言っていました。
あれから1年、あの母子は無事に保育園当たったのでしょうか。

保育園問題の原因は、いろいろな要因が錯綜しているようです。私が知る範囲では、以下のように整理できそうです。

《認可保育所(社会福祉法人)が既得権益で補助金を独占している》
認可保育所は保育料が安価。認可外保育所はバカ高い保育料が必要。(待機児童を生み出す「保育園社会主義」

《保育士の収入が少ないので、隠れ保育士が増えている》
『保育士の低い給与によって、保育士が不足し、保育園がつくれない状況が都市部を中心に発生しています。有効求人倍率は全国平均で1.7倍。東京では4.63倍という大変な状況に。
保育士の平均月給は20.7万。全産業平均よりも10万円低い状態です。』(40年前に教師不足を解決した田中角栄の手法に学ぶ --- 駒崎 弘樹

《保育士試験が難しすぎる》
『保育士になるルートは、①養成校(短大、専門学校など)に通うか、②保育士試験を受けるかの2つしかない。業界関係者の共通認識は、①のルートの人たちの多くは、育児の経験不足のために(少し酷な言い方だが)使いものにならないという。
一方、育児経験や教育経験のある人たちを②のルートで保育士にしようとしても、試験が無駄に難しくてなれない。実際、合格率は概ね20%程度である。その理由は、試験を保育士養成協議会(=養成校の業界団体)が作っていて、学校利権のために過度に難しくしているからである。』(高橋洋一氏

《保育士が地方に偏在している》
『「0~6歳人口1万人当たりの保育士数」は全国平均で440人存在する。都道府県別に見ると、トップ5は島根県(848)、高知県(760)、青森県(741)、鳥取県(733)、石川県(703)といった地方圏が占めている。
他方、ワースト5は、千葉県(322)、神奈川県(333)、埼玉県(339)、愛知県(345)、兵庫県(346)といった都市圏が占めている。
千葉市(279)、さいたま市(282)、浜松市(301)は、人口当たりの保育士数が政令市平均(390)を大きく下回っており、保育士不足が特に顕著である。』(これが実態、「1票の格差」より大きい保育格差

どの問題も、一朝一夕で解決する問題ではありません。しかし、解決に向けて着手しない限り先に進みません。今回の騒動を契機として、ぜひ問題解決に向けた推進を期待したいものです。
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