弁理士の日々

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中国が仕掛ける遊就館戦争

2006-08-30 00:07:03 | 歴史・社会
文藝春秋9月号にジャーナリストの富坂聰氏が「中国が仕掛ける遊就館戦争」という記事を書いています。

民主党の浅尾慶一郎参議院議員の話として、
「日本に駐在する各国外交官の間で、昨年末頃からなぜか靖国神社見学がブームになっています。それも目的は本殿ではなく遊就館。明らかに日中の対立を意識したもので、何らかの働きかけがあったことは想像できます。そして問題はこれが効果を生んでいること。米国大使館の外交官の一人は、遊就館の展示物を見てかなり驚き、『中国が怒るのも無理はない』との感想を漏らしたと聞きました。」と紹介しています。

「この遊就館を見学すれば日本の歪んだ歴史観がわかると、駐日外交官たちに宣伝したのが実は中国大使館であるとの噂は根強い。昨年末から靖国参拝への厳しい論調が海外で目立つのは、この工作が奏功したからという見方もある。」

そんな動きがあったのですか。
東郷和彦氏が月刊現代9月号の「靖国再編試案」で、わざわざ遊就館を採り上げ、
「このことによって、先の大戦時の歴史観をそのまま顕示し、軍事博物館に準じる施設を宗教法人が作ってしまった。遊就館で示される歴史観は、日本国民のなかでもコンセンサスがないし、国際的にはもっとコンセンサスがない。しかし、政治家はそのことについて何も言えない。憲法20条が盾になっているからです。」
と論じています。

また韓国政府が、
「韓国の青瓦台(大統領官邸)関係者は聯合ニュースに対し、靖国神社内の「軍事博物館」である遊就館は軍国主義を美化する施設と指摘。分祀した後に政治家らが参拝しても容認できないとし「靖国問題はA級戦犯の分祀では解決できない」と言明した。」
コメントしました

なんで急に遊就館がこんなに注目を集めるようになったのか、不思議に思っていたのですが、そういういきさつがあったのですね。

田中行夫氏が、
「靖国神社の展示や主張を見ると、それはブッたまげますよ。明らかに侵略以外の何者でもない満州国について「現在は中国が支配し東北部と称している」と説明している。南京については「(日本軍が入ったから)南京城内では一般市民の生活に平和がよみがえった」とこう書いてある。こんな歴史観というか過去についての認識は、アジアどころか世界中どこへ行っても相手にされない。」
書いているくらいですから、やはりだいぶ偏った展示になっているのでしょう。

日本国内では遊就館について全く話題になりませんが、このまま放っておくのは大問題です。
憲法の政教分離で政治家や行政は遊就館の展示に口出しできないのでしょうから、世論で動かしていくしかありません。遊就館の現在の展示が日本の国益を損なっていると論じ、靖国神社に理解してもらい、展示内容を変えてもらうよう、努力しましょう。
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2 コメント

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Unknown (Pecan)
2006-08-30 09:44:52
ソフトブレーン会長の宋文洲氏が遊就館を訪問してショックを受けた旨の記事(7月4日付)を日経bpオンラインに寄せており、200件近くのコメントが寄せられるなど、大きな反響を呼んでいます。



http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20060704/105680/



彼のビジネス関係のコラムは時折読んでいたので、いきなりの内容で驚きました。私は靖国神社に行ったことがありませんし、遊就館の存在も知りませんでしたので、コメントできる立場にはありませんが、誤解を与える展示内容があるのならば、見直したほうが良いのかもしれない、と思います。
遊就館 (ボンゴレ)
2006-08-31 17:55:45
Pecanさん、コメントありがとうございます。



靖国神社の成り立ちは、死者の霊を慰める宗教施設というより、政府軍のために戦って亡くなった英霊を顕彰する施設であり、名称も招魂社といいました。

それが靖国神社と名を変え、戦後は宗教法人となったことで、死者の慰霊と顕彰とがごっちゃになってしまっているのですね。

このねじれを解きほぐすことは並大抵ではないと思いますが、少なくとも日本の国益に反するような展示は止めてもらわなければ行けませんね。

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