弁理士の日々

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門田隆将著「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日」

2013-07-09 23:38:12 | 歴史・社会
まさに、下記の本を読み終わったところでした。
死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
門田隆将
PHP研究所

吉田昌郎さんの訃報に接し、驚いています。

本の帯には、『「私はあの時、自分と一緒に“死んでくれる”人間の顔を思い浮かべていた」』とあります。
2011年3月14日午後10時頃、2号機のサプレションチャンバーが破損して大量の放射能が放出される8時間前ですね。一度は下がり始めたはずの2号機の格納容器圧力がふたたび上昇に転じました。
吉田氏は、格納容器爆発という最悪の事態に備えて、協力企業の人たちに帰ってもらおうと声をかけました。その後、午前4時すぎ、吉田氏はふらりと椅子から立ち上がると、そのまま胡座をかいて座り込みました。周りのみんなはこれを見て、“もう最期だ”と思ったそうです。
このとき吉田氏は、「私はあの時、自分と一緒に“死んでくれる”人間の顔を思い浮かべていたんです」と回想しました。

東京において、官邸と東電社長との間で、「全員撤退と言った、言わない」の例の話が持ち上がっていた、まさにそのときです。

吉田氏がこの本の著者門田氏の取材を受けたのは、食道癌の手術が終わって、脳内出血で倒れるまでの短い期間、2012年7月のことでした。その取材を基礎にしてこの本ができあがっています。
吉田さんがこの本の取材以外にどのような記録を残したのかは現時点で不明です。ひょっとしたら、このときの取材と取材結果を基にしたこの本が、吉田さんの遺言であったかもしれません。

ご冥福をお祈り申し上げます。
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