弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

NHKあしたをつかめ「特許技術者」

2009-06-25 19:56:04 | 弁理士
NHK教育の番組に「あしたをつかめ平成若者仕事図鑑」というのがあります(というか今まで知らなかった)。
6月23日は「特許技術者」という表題で、岐阜市にある特許事務所で勤務する特許技術者を主人公に、「特許技術者」という仕事のジャンルを紹介するものでした。
番組紹介によると、
「この番組は、社会へ出ることを考え始めた10代後半~20代前半の方に、さまざまなジャンルの職業を紹介し、その特徴や魅力について考えてもらう“仕事ガイダンス番組”です。
実際の職場で働く人たちが、具体的に仕事のどんなところに打ち込み、どんな点に気をつかい、自分の仕事についてどんな思いを抱いているのか…。そうした仕事の具体的な中身や舞台裏などを見る機会はそう多くはありません。
(中略)
この番組を見た方が、仕事に興味を持ち、自分の将来を考えるきっかけになれば、と考えています。」ということです。

今回の「特許技術者」はこの番組の第206回です。いままで206種類も仕事が紹介されてきたということです。その一覧表を作ってみました(テキスト文書)。あらゆる職業が紹介されています。「士」がつく職業だけでも(最近放映された順)、税理士、介護福祉士、保育士(男性)、視能訓練士、潜水士、建築士、歯科衛生士、クレーン運転士、弁護士、臨床工学技士、義肢装具士、中小企業診断士、航空整備士、作業療法士、通関士、司法書士、言語聴覚士、救急救命士、歯科技工士、自動車整備士、プラモデル設計士、栄養士、建築塗装技能士、電気工事士、気象予報士、理学療法士、航海士、バス運転士、保育士、盲導犬訓練士、林業作業士、路面標示施行技能士と並んでいます。
それなのに何故か、弁理士が未だに紹介されておらず、今回は特許技術者が紹介されました。
うーむ。NHKの意図はどの当たりにあるのでしょうか。弁理士よりも特許技術者の方が就労人口が多いから、・・・でしょうか?

舞台は岐阜市にある大きな特許事務所です。事務所のホームページによると、弁理士は総計で20人以上、従業員数は岐阜だけで200人近くとあります。
ここで特許技術者として働く佐々木さん(29歳)が本日の主人公です。
大学院から多分新卒で事務所に就職して5年が経ちます。

画面にはたびたび小さな文字で「特許技術者は弁理士の監督のもと出願書類を作成」する旨が表示されます。番組もこの点は気を使っているのですね。

佐々木さん、発明の把握で迷うことがあると、所長弁理士のところに相談に行きます。結局、番組の中で登場した弁理士は所長お一人でした。番組以外では所長でない先輩(上司)弁理士とペアを組んでいるのでしょうね。

さて、佐々木さんは弁理士受験しないのでしょうか。その点が気になりつつ、番組は終盤に入ります。ここでやっと紹介がありました。佐々木さんは来年、弁理士試験を受験するとのことです。
受験勉強を始めているのでしょうか。番組ホームページの「◇特許技術者のある一日」に、平日の時間割が紹介されていました。なに?、22時まで残業、その後就寝ですよ。受験勉強が時間割に入っていません。
佐々木さん、短期合格に向けてがんばってください。

ところで、「あしたをつかめ平成若者仕事図鑑」で過去に紹介された職種ですが、やはり専門的な職種が中心ですね(テキスト文書)。今までの206回で放映された職業の就労人口を足しあわせたら、日本の全就労人口の何割位をカバーするのでしょうか。
多数を占めるであろう「一般サラリーマン」「一般工場就業者」にスポットを当て、その仕事のおもしろさを若者に紹介することこそ大事と思います。そうでないと、「サラリーマンにはなりたくない」という思い込みに縛られた若者の比率を下げることができません。
コメント (1)
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