弁理士の日々

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従軍慰安婦問題

2007-04-15 21:21:32 | 歴史・社会
第二次大戦中の日本の従軍慰安婦の問題が、突然に米国議会で燃え上がっているようです。一体何が起こっているのか、わけが分からずにいたのですが、文藝春秋5月号の記事でやっと情報に接しています。
「『慰安婦決議』ホンダ議員の策謀」古森義久氏(産経新聞ワシントン駐在編集特別委員)

今年1月末に、アメリカ下院に民主党のマイク・ホンダ議員が提出した決議案が契機です。「日本軍が第二次大戦中、若い女性たちを性的奴隷へと強制徴用した」という大前提で日本のいまの政府や首相に「公式の明白な謝罪の表明」を求めています。

ホンダ議員は日系三世の人だといいます。ホンダ議員は、2001年以来すでに3回、旧日本軍の従軍慰安婦問題について決議案を提出してきています。その決議案が本会議で採択されることはなかったのですが、今回は状況が違うようです。その後共同提案者を増やし、3月26日現在、下院議員54人に達したという現実があります。

旧日本軍の行為についてホンダ議員が執拗に非難決議を進めている背景には、ホンダ議員の中国系反日勢力との長年の結びつきや、政治献金依存の事実もあるようです。しかし、広い米国にそのような下院議員が一人ぐらいいてもおかしいことではありません。問題は、そのホンダ議員の活動が無視されることなく、日米間の大きな外交問題にまで発展しているという事実です。

そしてこの問題は、3月1日に安倍首相が「日本軍による女性の組織的な強制連行の証拠はない」という発言が出たとたんに、急拡大します。ニューヨークタイムズを始め、アメリカのマスコミがこの発言にこぞって激しい非難を浴びせます。

突然に米国で火の手が上がったこの問題、日本政府が対応を誤ると、とんでもない大火事に拡大する可能性もあるでしょう。

従軍慰安婦という問題そのものが、現代の感覚で考えたら許すことのできないおぞましい事実であることは間違いありません。ですから、まずそのような事実があり、多くの女性、それも他国(植民地)の女性を犠牲にしたことについて、真摯な態度を表明することは絶対に必要です。そこが不十分なままで、「人集めについて、日本軍が強制徴用したという証拠はない」などと述べたら、「このようなおぞましい事件について、証拠がないことをいいことに、自らの責任を回避しようとしている」と受け取られるでしょう。

そもそも、日本が行った歴史的事実について、「あんたそう言うけど証拠を見せてみろ」という態度はいけません。まずは日本自身が、徹底的に事実を解明すべきです。世界中の誰にも負けないほどに事実を究明した上で、「どうも本当のところ、こういうことだったらしい」と表明し、謝罪すべきは謝罪し、世界に納得してもらうべきです。

今回、1993年(平成5年)8月4日に、宮澤改造内閣の河野洋平内閣官房長官が発表した「河野談話」がひとつの焦点になっています。この点については次回に。
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