前回の続きです。
先日の記事で「道を覚えておいてね」と説教しましたが、それに関連して私が出会った「すごい」道迷いの話を紹介しておきます。
ある夏の日、私は北アルプス・唐松岳と五竜岳の中間地点にある大黒というピークで草刈りをしていました。そこへ唐松方面から登山者がひとりやってきたので、
「今日は五竜泊まりですか?」
と声を掛けました。すると、
「いえ、八方へ下ります」
と返事が・・・・・
八方と言ったら、八方尾根の登山口のことです。
「ちょっと待った。それは方向が全然違うよ!」と、私は地図を取り出してその登山者に見せました。本人は最初キョトンとしていましたが、地図で現在地を教えてあげるとようやく理解したようです。
唐松から大黒までの間には、鎖場と岩場が連続します。牛首の鎖場は大キレットや不帰キレットに比べて知られていませんが、鎖場の長さは相当なものです。それに対して八方尾根で鎖場と言ったら、短いのが2カ所だけです。それだけでもすぐに間違いに気づきそうなものですが、本人は八方尾根を下っていると思いこんだまま五竜へ向かっていたわけです。
時間的にギリギリでしたが、五竜へ行くよりはマシだろうということで、再び唐松へ登り返してもらいました。結局、途中から雷が鳴り出したので、その登山者は山小屋の人の忠告で行動を止め、唐松に泊まったとか。
もう1例は、不帰3峰での出来事です。
その日は唐松から天狗山荘へ移動パトロールということで、唐松の小屋をゆっくり出ました。
唐松岳山頂を越えてのんびり歩いていると、不帰3峰の巻き道で4人パーティを追い越しました。ついでに、
「今日は天狗山荘泊まりですか」
と声を掛けます。
「いえ、八方に下山ですよ」
目が点になりました。
「八方って・・・・・この先は不帰キレットですよ」
「ええっ!」
私は左手に見える剣岳を指さしました。
「ほら、あの山は剣岳ですよ。富山県の山です。八方尾根を下山中なら、見えるわけないでしょ」
「このまま進んで下に降りる道はありますか」と聞かれましたが、どうやっても不帰キレットの恐い鎖場を越えなければなりませんし、さらに標高差400mある天狗の大下りを登り返すことになります。途中で1泊しないと、まあ無理です。
「もう一度、唐松岳に登り返してください」
と言ってから、パトロールを続けました。この時は本当に「声を掛けておいてよかった」と、思いましたね。あんな初心者パーティが不帰キレットに突っ込んだら、何が起こるかわかりません。
さらにもう1例は、以前に書いた記事を紹介します。
GPSがあるのに、自分が登ってきた道を逆走して迷った例です。
何年か前、五竜山荘に荷物を置いて五竜の山頂をピストンしようとした登山者が、そのまま八峰キレット方面へ行ってしまったという事故(というほどではないけど)が続出しました。山頂から小屋に戻るときに、ロクに方向を確認していないのですね。しかも自分が登ってきた道なのか否かも、わかっていないわけです。
まあ、エラそうに書いている私も、初心者の頃、北海道の斜里岳で山頂から違う方向に降りてしまい、20分ぐらい登り返したことがあります・・・・・・・
気をつけましょう・・・・
もう1回ぐらい続く予感・・
↓この記事が参考になる、面白い、と思ったときはクリックしてください。ランキングサイトです。↓
先日の記事で「道を覚えておいてね」と説教しましたが、それに関連して私が出会った「すごい」道迷いの話を紹介しておきます。
ある夏の日、私は北アルプス・唐松岳と五竜岳の中間地点にある大黒というピークで草刈りをしていました。そこへ唐松方面から登山者がひとりやってきたので、
「今日は五竜泊まりですか?」
と声を掛けました。すると、
「いえ、八方へ下ります」
と返事が・・・・・
八方と言ったら、八方尾根の登山口のことです。
「ちょっと待った。それは方向が全然違うよ!」と、私は地図を取り出してその登山者に見せました。本人は最初キョトンとしていましたが、地図で現在地を教えてあげるとようやく理解したようです。
唐松から大黒までの間には、鎖場と岩場が連続します。牛首の鎖場は大キレットや不帰キレットに比べて知られていませんが、鎖場の長さは相当なものです。それに対して八方尾根で鎖場と言ったら、短いのが2カ所だけです。それだけでもすぐに間違いに気づきそうなものですが、本人は八方尾根を下っていると思いこんだまま五竜へ向かっていたわけです。
時間的にギリギリでしたが、五竜へ行くよりはマシだろうということで、再び唐松へ登り返してもらいました。結局、途中から雷が鳴り出したので、その登山者は山小屋の人の忠告で行動を止め、唐松に泊まったとか。
もう1例は、不帰3峰での出来事です。
その日は唐松から天狗山荘へ移動パトロールということで、唐松の小屋をゆっくり出ました。
唐松岳山頂を越えてのんびり歩いていると、不帰3峰の巻き道で4人パーティを追い越しました。ついでに、
「今日は天狗山荘泊まりですか」
と声を掛けます。
「いえ、八方に下山ですよ」
目が点になりました。
「八方って・・・・・この先は不帰キレットですよ」
「ええっ!」
私は左手に見える剣岳を指さしました。
「ほら、あの山は剣岳ですよ。富山県の山です。八方尾根を下山中なら、見えるわけないでしょ」
「このまま進んで下に降りる道はありますか」と聞かれましたが、どうやっても不帰キレットの恐い鎖場を越えなければなりませんし、さらに標高差400mある天狗の大下りを登り返すことになります。途中で1泊しないと、まあ無理です。
「もう一度、唐松岳に登り返してください」
と言ってから、パトロールを続けました。この時は本当に「声を掛けておいてよかった」と、思いましたね。あんな初心者パーティが不帰キレットに突っ込んだら、何が起こるかわかりません。
さらにもう1例は、以前に書いた記事を紹介します。
GPSがあるのに、自分が登ってきた道を逆走して迷った例です。
何年か前、五竜山荘に荷物を置いて五竜の山頂をピストンしようとした登山者が、そのまま八峰キレット方面へ行ってしまったという事故(というほどではないけど)が続出しました。山頂から小屋に戻るときに、ロクに方向を確認していないのですね。しかも自分が登ってきた道なのか否かも、わかっていないわけです。
まあ、エラそうに書いている私も、初心者の頃、北海道の斜里岳で山頂から違う方向に降りてしまい、20分ぐらい登り返したことがあります・・・・・・・
気をつけましょう・・・・
もう1回ぐらい続く予感・・
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地図をこまめに見て、自分のいる位置を確認するようにします。
もう少し、このネタで引っ張りますので、次を期待していてください。
以前と違って焦らなくなったのは良いことかと思っていますが。
山歩きの達人への道はまだまだ遠いようです。
私の場合、幸か不幸か、遭難現場で遭難者に出会います。自分のカラダで体験するわけではありませんが、それに近い形で教訓を得られるわけです。
そうやって得た経験を少しでも伝えられればと思いながら、いつもブログを書いています。
散策で、プチ遭難を楽しんできました。
だいたいどちらに歩いても4時間ほどのおやまですが
降りていって、又登りを繰り返し20分で、又場所に出てしまいました(^^ゞ
地図を頼りに獣道を歩き、楽しんできました。
(楽しむ程度が一番ですぅ)
ただ、暗くならないようにだけは心がけておりました。
救助要請せずに自力で降りてこられれば、たとえ骨折していようが問題無しです。思い切り楽しんでください。
ただ本人は何ともなくても、家族が救助要請を出してしまったら「負け」なのでご注意を・・・