豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

若鮎2号の出動に岐阜県警が反対していたとか

2009年09月20日 | 山を飛ぶヘリコプター
夏の北アルプスでは、富山県警ヘリ「つるぎ」と防災ヘリ「とやま」が同時に出動していたり、長野県警に通報したら即座に県警ヘリではなくて「防災ヘリ飛ばしまーす」なんてやりとりをしているのを見ているんで、警察と消防との風通しは良好だろうと思いこんでいましたが、そうでも無さそうですね。


「実績ない」県警の反対押し切り出動…墜落の防災ヘリ
読売新聞  2009年9月19日11時46分


当日、県警航空隊の隊長と副隊長は愛知県の会議に出席していたが、救助要請の知らせを聞き、愛知県警ヘリで県警航空隊に急行。県側には待機するよう要請したが、県側は「待てない」と回答。同2時10分頃、単独で若鮎2を出動させたという。県警は若鮎2出動後も、救助機の交代を県に要請したという。



長野県側から119番通報が転送されてきた時点では、岐阜県警の操縦士が二人とも愛知県に出張していたようです。そこで県警は愛知県警のヘリコプターに搭乗して急遽戻ろうとしたのですが、その前に防災ヘリが飛んでしまったのだとか。


なんでこういうことになったのでしょうね。



ヘリ墜落:岐阜県防災ヘリ事故 出動に県警が中止を要請
毎日新聞  2009年9月19日

県警幹部によると、出動前に県側は県警航空隊に、県警の操縦士1人を若鮎2に搭乗させるよう求めた。これに対し県警側は、現場が切り立った岩壁で救助が難しいため、山岳地帯の救助経験が豊富な県警ヘリが出動すると答えたという。


若鮎2号も岐阜県警のらいちょう2号も同じベル412EPです。が、高所でのレスキューですし、装備の関係で重量に差があるのかもしれません。県警が自分とこのヘリにこだわるのもわかります。




防災ヘリ墜落で県庁捜索 運航記録など押収へ
中日新聞  2009年9月19日


県は「組織上、出動の最終判断の責任者はセンター長にある」としているが、センター長は事務職で、実際には隊員らの方がはるかに経験などが豊富。県警は、事実上は操縦士らが出動判断をしていた可能性もあるとみている。


権限はともかく、出動判断は事実上パイロットになるでしょう。ただ最初に消防側は県警パイロットの搭乗を求めています。やはり高所でのレスキューに不安があったのでしょう。どういうやりとりがパイロットとセンター長との間であったのか、いまひとつわかりにくいです。






ところで墜落の原因を推測させるような記事が出ています。


尾部以外が衝突の可能性 防災ヘリ墜落
中日新聞  2009年9月17日


折れた状態で現場の岩場に残るテールローター(尾部回転翼)の破損状況に疑問な点があることから、メーンローター(主回転翼)など別の部位がぶつかって墜落した可能性も考えられる


尾翼部分が接触し、テールローターが破損したとしても、メインローターが生きていればしばらく飛んでいられます。機体がぐるぐる回転するそうですけど。で、うまいパイロットなら着地まで可能だとか。一方、メインローターが破損した場合にはすぐに失速してしまうでしょう。

今回の事故では、機体が横転しているのが見えたとか、真っ逆さまに墜ちていったという目撃証言がありますので、メインローターを岩にヒットしてしまったのかもしれませんね。

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7 コメント

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Unknown (ons)
2009-09-21 12:54:36
3000mクラスのレスキューは県警の隊長が全て1人で行っていたそうです。
県警の操縦士も2000mクラスしか飛ばせてもらえなかったと報道されています。

この体制自体アレですけど、これが事実なら県警側が中止要請するのもわかります。
そもそも 防災ヘリ自体の山岳経験が浅いという事は 航空隊救助員も同じくでしょう。

ちょうど「防災ヘリ&ドクターヘリ」なる雑誌を見つけたので読んでいます。


トムラウシですが ヤマケイにも記事ありました。
Unknown (bongo-pete)
2009-09-22 05:42:49
ons様

山岳フライトの経験を積むのは、なかなか大変じゃないか、と、ハタから見ていると思いますよ。機会も少ないですし。

県警にも防災にも山岳救助以外に様々な任務がありますから、どうしても一部の人に集中してしまうのは致し方ない面もあります。


個人的には、東邦航空さんをなんとか現場復帰させていただきたいと思います。
東邦航空 (ねぎ)
2009-09-23 10:31:55
bongo-pete様
いつも勉強させてもらっています。ありがとうございます。
「岳」第九集によりますと、東邦航空から独立し山岳レスキューを行うため山関係者が出資し新会社を設立した。と書かれています。驚きました
インターネットで色々調べましたが、真偽のほどは分かりませんでした。
東邦航空のHPの事業内容には、未だに山岳レスキュウが載っています。

何か情報があれば教えてください。
Unknown (bongo-pete)
2009-09-23 20:50:51
ねぎ様

卜ーホーエアーレスキューのことですね。

篠原氏の事故死によって、会社は無くなったと聞いています。
東邦さん (shiiige)
2009-10-05 00:09:37
東邦も要請があれば出動していると思いますが・・・。東邦のヘリはもっと小さくていかにも小回りが利きそうで、ホバリングで荷を降ろした後も斜面をなめるように帰っていったりして暇な登山者にサービスしてくれたりします。険しい山岳地帯では普段お堅い操縦しかしていない人には難しいのでは?数年前北穂南稜で救助に立ち会いましたが、民間ヘリ(たぶん東邦)が来て収容者を吊ったまま下りて行きました。尾根の上ならまだしも急な斜面ではあの防災ヘリはでかすぎると思うのですが・・・。
Unknown (bongo-pete)
2009-10-05 05:10:50
shiiige様

東邦さんは2年ほど前の墜落事故の件で、レスキューフライトがほぼできない状態です。山小屋のヘリポートに着陸するなら可能なのですが、現場でホイスト使って吊り上げるのができないようです。
Unknown (shiiige)
2009-10-05 19:33:43
未だに駄目なんですね。頭の固い連中には無理な注文でしょうが、東邦に早く復帰してもらいたいものです。