豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

これはちょっとまずいよなあ・・・

2009年02月02日 | 山岳遭難
追記あり03:00


遭難:救助男性、再び不明 収容そり滑落 北海道・積丹岳
毎日新聞  2009年2月1日 22時35分 更新:2月2日 1時07分


要するに、遭難者を収容していたソリをロープで立木か何かに固定したら、木が折れてしまってソリが谷底へ飛んでいってしまった、ということのようです。

もっとも話が二転三転しているので、今書いている時点でもイマイチこれで正しい内容なのか自信がないです。


某掲示板の某スレを見ますと、最初は警察と男性とで下山中にまとめて滑落した、となっていますが、その次は遭難者を雪洞から引っ張り出そうとしているうちに雪が崩れてみんな滑落した、となり、このネタで急遽記事を書こうと思ってヤフの山岳事故トピックスを覗いたら上記のように全然違うことが書いてあります。



普通の立木なら相当細くても人間一人ぐらいは支えられるものです。しかも遭難者はソリに載っているので、木にかかる荷重はもっと小さいはずです。木が凍結していて弱くなっていたか、枯れ木だったのか、そんなところでしょう。支点をしっかり確かめていないのかもしれません。

ていうか、引っ張りあげるのにどのような方法を使ったのでしょうかね。定番となっている3分の1システムだったら頑丈な支点が前提ですから、このような事故は起きにくいでしょう。そんなに弱い支点だったら、とっくに崩壊しています。もしかしたら、支点なしで直接ソリに結びつけたロープを引っ張っていたのかもしれませんね。

===追記===

積丹岳、スノボの男性遭難 発見後、雪庇踏み再び不明
朝日新聞  2009年2月2日1時23分


朝日と読売の続報で細かいことがわかってきました。


稜線上で遭難者を発見

救助しようとしたら雪庇が崩壊

遭難者と警察官3人が200m滑落

遭難者をボートに載せて引き上げ開始

50m引き上げた時点で休憩のためにボートに結んでいたロープを立木に繋いだら木が折れた


ということのようです。3分の1システムとかは、おそらく使っていないでしょうね。そのままボートを引っ張っていたのだと思います。もっとも雪山ですから支点が簡単にとれるような状況ではないかもしれません。




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5 コメント

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Unknown (ばぎ)
2009-02-02 03:09:44
私もコメントした時は4人が滑落と聞いていました。
ソリで飛んでってしまったのなら色んな意味でマズいですね。
まず生きていたとしてもソリから脱出できないのでは…
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救助、、 (ゆっぴ)
2009-02-02 08:41:48
-20°でテントなく衰弱してたら素人が考えても亡くなると思います
夜で見通し悪いといっても救助の経緯を考えると打ち切りではなく捜査隊増やして夜通し救助できないのかと考えちゃいますよね、、生きてたらいいですけど、、
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Unknown (bongo-pete)
2009-02-02 09:32:35
ばぎ様

ただ、このレスキューはかなりの悪天候の下で行われていますから、私自身の感想としては「よく見つけたよなあ」です。

私はミスがあったとしても、そんなに責める気にはなれません。


ゆっぴ様

いくら何でも、それは無理だと思います。さらに犠牲者を増やすだけでしょう。
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Unknown (ばぎ)
2009-02-02 15:19:25
責めるつもりは全くありませんが…
なぜ木が折れたのか バックアップは取ってなかったのか 疑問はありますね。
滑落の際にスノーバーとかの装備を失ってたとか?
続報があればいいんですが
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Unknown (bongo-pete)
2009-02-02 22:39:59
支点にしたのは直径5センチのハイマツだそうですが、通常なら強度的に問題ないでしょうね。それだけの太さがあったら、引っ張ってもそう簡単には抜けません。どうだったんでしょうね。
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