今日のひとネタ

日常ふと浮かんだことを思いのままに。更新は基本的に毎日。笑っていただければ幸いです。

栗本薫か中島梓か

2009年05月27日 | ニュースに一言
 どちらかはともかく、作家の栗本薫さんが亡くなったそうです。以前乳がんの手術をした話を聞いたことがありましたが、ニュースによると膵臓がんでなくなったとか。

 それにしても不思議な人でした。ある人にとっては栗本薫であり、ある人にとっては中島梓だったでしょう。私が最初に見たのは「クイズ ヒントでピント」の解答者として。(初めて見たときはもうキャプテンでした)

 それがいつごろだったかは忘れましたが、栗本薫として小説を書いていると聞いて「ふぅ~ん、すごいなぁ」と思ったり。最初に読んだ本は、確か大学の4年生の時で「僕らの時代」でした。これが結構気に入ったのですが、作者本人に興味を持ったので、次に読んだのは中島梓名義の「にんげん動物園」。

 これもお気に召したので、その後もいろいろ読みました。彼女の著作で読んだのは、
中島梓名義では
「にんげん動物園」
「あずさのアドベンチャー’80」
「文学の輪郭」
「マンガ青春記」
「くたばれグルメ」
栗本薫名義では
「グインサーガ」
「ゲルニカ1984年」
「幽霊時代」
「時の石」
など。

 「グインサーガ」を読み始めたのは丁度大学を卒業する頃でした。ためしに1巻だけ買って読んだのですが、読み終わったのが夜の11時くらい。で、「う~ん、次が読みたい」と思い、「たしか北大路駅前の本屋は12時までやってたはず」とスクーターを飛ばして出かけたと。(当時京都に住んでたので)

 で、無事2巻と3巻を買ったのですが、同じように焦って店に飛び込んできたオヤジが店員に凄い勢いで「ゴルゴ13の新刊が出たはずやけどっ!」と言ってるのを見て「いや~いろんな人がいるなぁ」と思ったものです。

 その後グインは8巻くらいまで読んだのですが、就職したての頃はとにかく毎晩眠くて本を読んでられなかったんですね。一応少しずつ買い足して13巻くらいまで持ってたと思いますが、結局ついていけなくなって挫折してしまいました。

 それでも、最初に読み始めてからだんだん面白くなって、読んでるうちに夜中になったけど「もうちょっと、もうちょっと」と寝られなくなって、3巻くらいまでは一気に読んだのを昨日のことのように覚えています。あれが未完で終わってしまったとはなんともやりきれない気持ちですが、一番無念だったのは作者ご本人でしょうね。

 なお「にんげん動物園」というのは夕刊フジの連載エッセイを1冊にまとめたもので、イラストは山藤章二さんが担当でした。このエッセイはタイトルの通り、毎回何かの動物をテーマにエッセイを書くもの。この中の「百舌」という回では、落語家の小円遊さんの死亡記事について「キザなしぐさやせりふで売り出し」「高座以外で人気があった」と冷ややかな書きようをされていることを嘆いています。

 さらに「この新聞は私が急死したら、『小説の本業以外で忙しかった』と書くんだろうな」とも書いてます。これに対して山藤氏のイラストは2060年の新聞記事として「最後の二、三行で強引にテーマにこじつけるので有名だった中島梓さん老衰にて…」というものでした。さすがですね。

 果たして本日のインターネットのニュースでは「マルチな作家 栗本薫さん死去」という見出しがありました。ご本人はこの記事を空の上からどんな気持ちで見ているでしょうか。ただし、どの記事も「最長の小説」としてグインサーガを取り上げていたので、その点では納得でしょう。

 彼女の作品はかなりご無沙汰してましたが、まずは「絃の聖域」でも読んでみようかと思います。合掌。

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2 コメント

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驚きました (MARU)
2009-05-29 02:10:11
突然の訃報に驚きました。
私も最初に知ったのは「ヒントでピント」でしたが、近年は舞台脚本・演出や作曲・ピアノ演奏が強く印象に残っています。
作品は読んだことがありませんが、芝居を1回、ライブを1回観ました。(そのときのブログをハンドルにリンク)
ご冥福をお祈りします。
中島梓さんといえば (ハイパパ)
2009-05-30 12:47:49
作家になるまでの自伝的なのは「マンガ青春記」に詳しいのですが、早稲田大学のハーモニカ・ソサエティ(通称ハモソ)の出身なんですよね。私は結局本人を直接見たことも、演奏を聞いたこともありませんでした。

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